カタカナ独自の意味で使われている言葉の1つに「smart(スマート)」があります。カタカナでスマートといえば「あの女の人はスマートだね」のように体型が痩せているといった意味で使われます。
この意味が英語にはほぼないといってもいいので、和製英語ぎみの使い方になっています。今回はネイティブスピーカーに意見を聞きながらスマートの使い方をまとめました。
頭がいい、賢い
英単語のsmartは基本的には「頭がいい、利口な、賢明な、賢い」みたいな意味で使われます。
ネイティブスピーカーに確認してみると感覚としては「sharp(シャープ)」に近く、スマートには鋭くとがったイメージを伴うそうです。
カタカナと同じ感覚で以下のように言うと「頭がいい」の意味で受け止められます。
She is really smart.
= She is really sharp.
彼女は本当に頭がいい。
sharpにも「頭がいい、頭の切れる、賢い」などの意味があるためほぼ置き換えても同じ意味になります。他にも「頭がいい、賢い」の意味での例文は以下の通りです。
My brother is as smart as me.
弟は私と同じぐらい頭がいい。
He is so smart he won the Nobel Prize.
彼はとても頭がいいので、ノーベル賞をとった。
I acknowledge that my brother is smarter than me.
私は弟が自分より頭が良いことを認めている。
She’s stupid.
She’s not very smart.
彼女はあまり頭がよくない。
最後の例文など「彼女はバカだ」というと直接すぎる表現になってしまうので「not very smart(あまり頭がよくない)」と婉曲に近い表現になっています。
このように普通に使ってしまうとカタカナのように「体型としてスマート」の意味にはならないので注意が必要です。
体型がスマートだといいたいならば以下のような表現があります。スリムやスレンダーあたりはカタカナでもよく知られており、こちらを使うのが無難ですね。
She is very slim.
She is very thin.
She is very slender.
stylish(スタイリッシュ)
またsmartはsharpのとがったイメージから「stylish(スタイリッシュ)」の意味にもなります。「おしゃれな、最新流行の」と考えても近いです。
That’s a smart outfit.
= That’s a stylish outfit.
あれはスタイリッシュ・洗練された・流行の服だ。
スマホのsmartphoneも「頭がいい電話、賢い電話」の意味もあるかもしれませんが、このスタイリッシュな電話のイメージのほうが大きいのではないでしょうか。
辞書にはsmartのいろんな意味が掲載されていますが、尖ったような鋭いイメージから来るもので、文脈にあてはめると様々な訳語が生まれてしまいます。
いろんな使われ方がする大阪弁でいう「シュッとしてる」に非常に近い言葉だといえます。大阪のおばちゃんも「あの子、シュッとしてるな~」とよく言いますが、かなり語感としてはsmartに近いふわっとした感じの単語です。
うずく、ズキズキする、痛む
動詞ではまれに「うずく、ずきずきする、痛む」などの意味や、名詞で「苦痛、痛み、うずき」といった意味でも使われます。
That smarts!
= That hurts!
痛いよ。
すごくシンプルな使い方ですが、この意味があることを知らないと非常に混乱する言葉だといえます。この意味があることを覚えておいても損はないと思います。