ここでは「眠る」という意味の動詞である「sleep」の基本的な使い方について解説しています。眠っている状態であるという形容詞がasleepやsleepingです。
中学校で習う「go to bed」も有名な表現ですが、これは眠るという単純な動作よりも、1日を終わりにするような行為としての眠るであり使い方の注意点もまとめてみました。
あわせて「go to sleep」や「get to sleep」「fall asleep」などの表現の違いについても例文にまとめています。
この記事の目次!
sleep(動詞)の使い方
sleepは基本的には普通に「眠る」と解釈しても問題ないと思います。活用が過去形・過去分詞が不規則変化でsleptになるので少し注意が必要です。
sleep【slíːp】現在形
slept【slépt】過去形・過去分詞
以下の例文のように使ってください。
I was sleeping when the hurricane struck.
ハリケーンが襲った時には眠っていた。
It is difficult to sleep when it’s hot.
暑いときは眠るのが難しい。
He usually sleeps at 10.
彼はたいてい10時に眠る。
少し特殊な使い方として「〜を宿泊させる(他動詞)」の意味もあります。何人部屋かといった意味で、通常は宿泊施設の部屋に対して使われます。
This room sleeps six.
この部屋は6人宿泊する。
sleepは「眠る(という状態)」の意味であり、厳密さを求めるなら「眠りを開始する、眠り始める」ではないと考えることもできます。
したがって以下のような質問の英語をよしとしない考えがあります。
What time did you sleep?
何時に眠っていた?
(何時に眠った状態だった?)
睡眠に入った開始時間を聞いているわけではないので、夜10時に眠り始めて朝6時に起きるならば、その間のいかなる時間(夜11時も午前0時も午前3時も)すべて答えになりうるとする理屈です。
スティーブに確認してみるとその理屈はわからないこともないけれど、上の例文の質問だと「何時に眠った?」と開始時間を質問していると解釈する人がほぼ100%なので日常英会話での運用上はまったく問題ないという意見でした。
とはいえ以下のような「go to sleep」を使った質問のほうが自然な英文になるのは事実です。
What time did you go to sleep?
何時に眠り始めた?
sleep with
何かと一緒に寝ることです。日本語では文脈によっては「〇〇と寝る」がセックスをするの婉曲になりますが、英語でも同じ使い方ができます。
Some say it is dangerous to sleep with a smartphone.
何人かはスマホと一緒に寝ることは危険だという。
She slept with her boss.
彼女は上司と寝た。
go to sleep / get to sleepの意味の違い
どちらも「眠りにつく」といった意味で使われます。
これも言葉の正確さを求めるならばgo to sleepは眠りに向かい始めるスタート地点付近から眠るまで、get to sleepは眠りにたどり着いたゴール地点付近から前をフォーカスした言葉だと考えることができます。
I went to sleep at 11:00.
I got to sleep at 11:00.
11時に眠った。
その境界は曖昧であり、日常の運用や英会話レベルならばあまり気にしなくてもよい差だといえます。get to sleepを「眠りにつく、寝付く」と考えてもいいかもしれません。
この差が大きく影響する文章を考えてもらおうとしましたが、特にパッと差がでる文章が思い浮かばないぐらいに微妙なニュアンスであり、多くは置き換えても問題ありません。
Go to sleep!
Get to sleep!
ねなさい!
子供に対して怒る場合などは確かに「Go to sleep」が「眠る方向に向かいなさい」といった意味では自然な英語になります。しかし、世の中には「Get to sleep」も見かけるので細かな差だといえます。
sleep(名詞):睡眠
名詞では「睡眠、眠り」の意味でも使えます。
I couldn’t get much sleep last night.
昨夜は十分な睡眠がとれなかった。
Her sleep was interrupted by loud music.
彼女の眠りはうるさい音楽で邪魔された。
asleepの意味と使い方
asleepは「眠って、眠った状態の」を意味する形容詞です。動詞や名詞のsleepとは使い方が異なります。
発音は【əslíːp】なのでアスリープぐらいです。
眠っているという状態を指すなら「be asleep」の形になります。
Don’t go in the room while she is asleep.
彼女が眠っている間は部屋に入るな。
We should wait until they are asleep before we leave.
私たちは出発する前に、彼らが眠るまで待つべきだ。
sleepingとasleepの違い
形容詞ではsleepingも眠っているといった状態を表すことができます。以下のように置き換えることも可能です。
Don’t go in the room while she is sleeping(= asleep).
彼女が眠っている間は部屋に入るな。
We should wait until they are sleeping(= asleep) before we leave.
私たちは出発する前に、彼らが眠るまで待つべきだ。
しかしasleepは名詞の前において何かを修飾する形(限定用法)での使い方ができません。
Don’t bother a sleeping giant.
眠っている巨人を邪魔するな。
Don’t bother an asleep giant.
(この使い方は不可)
おとぎ話の眠れる森の美女の英語のタイトルは『Sleeping Beauty』ですが、これを『Asleep Beauty』とすることはできません。
Are you sleeping?
Are you asleep?
(どちらも同じだという意見)
「眠っているの?」と質問する場合は「Are you sleeping?」と「Are you asleep?」が考えられますが、カールとスティーブに質問すると「どちらも同じだ」という見解でした。特に状況によって使い分けはしてないという意見です。
fall asleepの意味
fall asleep(過去形はfell asleep)で眠りに落ちると言った意味になります。
The guard fell asleep at his post.
その警備員は自分の持ち場で眠ってしまった。
He fell asleep during the lecture.
レクチャーの間に、彼は眠ってしまった。
fall asleepを使うと本人が眠ろうと思って眠ったのではなく、偶然、もしくは自然と眠りに落ちてしまったように感じさせます。
以下のようにgo to sleepで同じ文章を書くと「よし寝ようかな!」みたいな眠る気、本人の意思があったように感じます。
He went to sleep during the lecture.
レクチャーの間に、彼は眠りはじめた。
また足などが「しびれる、麻痺する」といった意味でも使われます。足の感覚がなくなって、眠ってしまったような意味からだと思います。
My leg went numb.
= My leg fell asleep.
足がしびれた。
go to bedの意味と使い方
go to bedは「眠る」の慣用句にあたるので、畳の上に布団を敷いて眠っているような、普段からベッドを使わない人でも問題ありません。
日本語の「危ない橋を渡らないといけない」のような表現と同じで、本当に危ない橋を渡るわけではなく「リスクをとらないといけない」と言っているのと似たような考え方です。
したがって布団で眠っている人でも、キャンプでハンモックやテントで眠るケースでも「go to bed」が使えます。
Tom will go to bed soon.
トムはもうすぐ眠るだろう。
I have to go to bed.
眠らないといけない。
Go to bed and in the morning I will give you a present.
眠りなさい。朝になればプレゼントをあげます。
注意点としてはベッドや布団など寝具は関係ありませんが、スティーブによると意味合いとして「1日を終わりにして次の日に向かうために眠る」みたいな気持ちが感じられる表現です。
したがって動作としての単純な「眠る」ではなく「眠りにつくことで1日を終わります」を表すことになります。
疲れたから小一時間だけ眠るやオフィスでちょっと仮眠をとる場合はsleepとは呼べますが、それは1日の区切り、終わりではないので「go to bed」を使う人は少ないです。
キャンプでハンモックで眠る場合でも「明日は朝から散策するから、今日はみんなもう眠ろう」という1日の区切りの意味ならgo to bedで間違いありません。
オーストラリア人のカールにも確認するとベッドを使っているか寝具の問題ではなく「寝室に向かう」のような表現であり安心して眠れる空間に行くようなことを漠然と指している表現だといっていました。
そこから「1日の区切りとして眠る」といった意味で使われる点には同意していました。
sleepのほうが意味が広く居眠りなども含めてsleepと呼べますが、go to bedはその中でも特定の状況(1日の終わりとして安心できる空間に行きちゃんと眠る)ことに使える表現だと考えることができます。
「hit the hay」が同義語で昔はhay(わら)でベッドを作っていたから、このような表現になっています。今は藁で寝る人はいないと思いますが、慣用句として使われます。
I’m going to hit the hay.
眠るつもりだ。(同じ意味)
某ブログのsleepとgo to bedの違いを使った記事の中でgo to bedに対して『寝るために「(物理的に)ベッドに向かう」を表す』と説明されていましたがそんなことはないと思います。
ベッドを使ってない人はこの表現ができないことになるし、物理的な1つのベッドであるなら無冠詞になっている点に説明が必要になります。
本当に「ベッドに行く」場合
「危ない橋を渡らないといけない」が慣用句であるものの、世の中には災害時などに本当に崩れかけた橋や土砂崩れの恐れがあるような文字通りの意味で「危ない橋」を渡らないといけないケースはあります。
英語でも状況によってはIKEAなどの家具屋で買い物をしている時などに「(さっき見た)あのベッドに行こう」と言う必要があるかもしれません。
この場合は冠詞がついてa bedやthe bedや、またはmy bedのようになります。眠るという意味のgo to bedは何もついていない無冠詞になっているのが特徴です。
Go to your bed to find the present I left for you.
あなたのために置いたプレゼントを見つけるためにベッドに行きなさい。
Let’s go to this nice bed I found over there.
向こうで見つけたナイスなベッドのところに行こう。
無理やりつくったような例文ですが状況が整えば、本当に物理的な意味でのベッドを指してgo toを使う可能性もあります。
日本語の話になりますが「眠る」は睡眠であり、「寝る」は身体を横たえることだそうです。この寝るの意味ならば英語ではlieです。
またいろんな意味がある「turn in」にも寝るといった使い方があります。