pourは液体などを流して移動させることで「注ぐ、つぐ」などビールやワインなどをグラスに移すような動作を表すことができます。このイメージから大雨が降ることや、人があふれ出ることも表します。
pour outの意味については「あふれ出る」と「注ぐ」の2つがあって考え方として非常に難しいですが、ネイティブスピーカーの意見を例文にまとめています。
他にも派生した言葉にoutpouringなどもあり、これは「ほとばしる、あふれ出る」といったイメージで使われます。
pourの意味と使い方
液体を流れさせて移動させることで「(飲み物などを)つぐ、注ぐ(そそぐ)」を表します。シンプルに使う分には難しい言葉ではありません。
ただ後で取り上げていますが、言葉としては「液体を流れさせること、流れ出ること」の全般なので飲み物を注ぐ行為以外にも使えます。
I poured some coffee into a travel mug.
私はコーヒーをトラベルマグに注いだ。
I poured milk on my cereal.
牛乳をシリアルに注いだ。
Can you pour me a beer?
ビールをついでもらえますか?
He poured wine into the decanter.
彼はワインをデキャンタに注いだ。
主語は液体でも、その液体を移動させる人・物事でもどちらでも可能です。
He poured coffee into the cup.
彼はコーヒーをカップに注いだ。
Coffee poured into the cup.
コーヒーはカップに流れ出た/注がれた。
激しく雨が降る、大雨が降る
激しく雨が降ることも意味します。大雨ではあるものの災害など深刻な雰囲気のある言葉というわけでもありません。
日常の範囲で「すごい大雨だった!」のようなニュアンスで使われます。
It poured all morning so I stayed home.
朝はずっと激しく雨が降っていたので私は家にいた。
It was pouring yesterday so I couldn’t go jogging.
昨日、大雨が降っていたのでジョギングに行けなかった。
大雨については他にも表現がいくつもあります。以下の記事にまとまっています。
なだれ込む、どっと出て行く
大量に何かが動くという意味で「なだれ込む、どっと出て行く」などです。まるで液体のように流れ出るような雰囲気です。
People started pouring out of the stadium when the concert ended.
コンサートが終わったとき、人々はスタジアムから大量に出はじめた。
Despite pouring millions of yen into advertising, no one bought their product.
数百万円を宣伝につぎ込んだにもかかわらず、誰も彼らの製品を買わなかった。
pour outの意味
pour outの考え方についてはずっと話していましたが最後までとらえどころがなく、うまくまとめきれなかったので中途半端な書き方ですがご了承ください。
pour outが少しややこしいのは辞書で調べてみても「(液体が)流れ出る、あふれ出る」と、「(誰かが何かを)注ぎ出す」の意味で掲載があります。
このoutは一種の強調のようにも感じられ「何かが外に出てきた」という部分をフォーカスしたような表現になります。
液体を主語にして「流れ出る、あふれ出る」と考えるのはシンプルでわかりやすいです。
Water began pouring out of the hole in the bowl.
水はボウルの穴から流れではじめた。
Deep red blood poured out of the wound.
傷口から濃い赤色の血が流れ出た。
上の例文は見えてなかったものが外に出てきた、外に向かってあふれ出たという意味で「out」が使われています。
人間を主語にしてpour outを使った場合には何を表しているのかは結局はすべて文脈次第になります。「こぼす」「あふれ出る」「注ぐ」のどれでも解釈可能です。
I poured out a drink.
I poured a drink.
私は飲み物を注いだ。
I poured out a glass of beer.
グラスのビールをこぼした。
pourは正確には日本語で考えると非常に概念としてややこしい言葉だといえます。
pourそのものは「ある液体が何かから流れ出る」ぐらいの意味しかなく「誰がそれをやったか」「元の容器はなにか」「受け皿となった容器はなにか」「意図的か? アクシデントか?」の概念が重要ではありません。
誰かに「ビールもう一杯どうですか?」と相手のグラスにビールを注ぐ行為も、酔っ払ってビール瓶を倒してこぼしてしまうことも、どちらも「pour」であり「ある液体が何かから流れ出る」という意味では同じpourです。
そこにoutがつくことによってどう意味が変わるのかは、文脈次第になってしまいます。
写真の描写
確認の意味も込めてネイティブスピーカーに写真を描写してもらいました。言葉の使い分けの参考にしてください。
この写真を描写するならば以下のような表現です。仮に注いでいるのが男性ならば以下のような表現が成立します。
He is pouring a cup of cola.
Cola is pouring out of the bottle and into the cup.
この写真はコーラを注ぎすぎてあふれ出ています。
He is pouring too much cola into the cup.
Cola is spilling over the top of the cup.
男性がパソコンの上にコーヒーをこぼしています。この場合はspillを使っています。
Coffee spilled out of the cup.
He spilled his coffee onto his laptop.
大雨か何かでマンホールから水が道路にあふれています。
Water is pouring out onto the street.
Water is gushing out onto the street.
この場合は「Water is pouring onto the street.」とはせず「out」をつけるだろうといっていました。pourは上から注がれているイメージがあり、下から湧き上がってくるようなものにはoutをつけたほうがイメージしやすいといったものでした。
outpouring
感情などのほとばしり、溢れだした感じをあらわす言葉ですが、勢い良くわっと殺到する寄付、意見、援助などにも使えます。
After 3.11 there was an outpouring of donations.
3.11の後に多くの寄付が殺到した。
名詞でoutpour(あふれ出るもの)とするケースもありました。
The outpour of coffee stained the carpet.
あふれ出たコーヒーがカーペットに染みを作った。