パイ投げの文化について

パイ投げ

ニュースでアメリカ、サクラメントの市長に抗議のパイ投げをして刑務所送りにされた男の話を書きました。

2016年の現在、サクラメントの市長は元NBAのスターでフェニックス・サンズで1980年代後半から2000年まで活躍したケビン・ジョンソンです。

幾度かの引退と復帰があるものの、オールスター出場3回を誇り、「7」はサンズの永久欠番にもなっています。

2008年に生まれ故郷であるカリフォルニア州北部の都市サクラメントの市長に当選しています。これはサクラメント初の黒人市長でもあります。

イベント中にパイ投げを受ける

今回、チャリティーイベント中にニュースに登場するシーン・トンプソンによるパイ投げを受けています。

原因は5億5000万ドルかけて市のバスケットボールチーム用のアリーナを作るぐらいなら、教育やホームレス問題に金を使えといった抗議です。

Protester Sean Thompson was sent to jail on charges of assault after hitting Mayor Kevin Johnson of Sacrmento in the face with a coconut cream pie during a charity event.
(抗議活動者のシーン・トンプソンは、チャリティーイベントの際に、サクラメント市長ケビン・ジョンソンの顔面にココナッツクリームパイを投げつけたことで暴行の罪で刑務所に送られた)

However, Thompson claims that Johnson, who was also a former NBA All-Star, immediately began punching him. Although it is not proven who hit Thompson, he was given a black eye and received nine stitches.
(しかし、トンプソンの主張では、元NBAのオールスタープレイヤーのジョンソン市長も即座に殴り返したという。しかしながら、誰がトンプソンを殴ったのかは証明されなかったが、彼は目のまわりに黒いあざができ9針縫うことになった)

ニュースの面白み

このニュースを読んでいて不思議だったので「この記事はパイ投げぐらいで牢屋に入れられたことが面白みになっているの?」と、記事を作った本人であるスティーブに確認しました。

答えは違うそうで、元NBAのスターの市長が公の場で人を殴ったかもしれない大問題を起こした点が、ニュースとしての焦点になっています。

したがって、これはおもしろニュース系の話ではなく、真面目な政治問題、事件です。英語圏の人がこのニュースを読んでも、おそらく笑いの要素は皆無になります。

パイ投げの文化

日本ではバラエティ番組の罰ゲーム的なノリが強いかもしれません。もちろん海外でもバラエティ番組のいたずらで使われることはあります。

しかし「パイ投げ」による抗議活動は1990年代から盛んになって、カナダの首相だったジャン・クレティエンやビル・ゲイツなども標的にされています。抗議であり相手を辱める行為として、特に珍しいことではありません。

辞書に掲載のないスラングレベルではpieが動詞で「パイを投げつける」や名詞で「pieing(パイ投げ)」も存在しています。

したがってニュースは「パイ投げをされた」だけでは、それ自体にさほどニュース性はなく、ごくありふれた抗議活動にしかなりません。

そして実際に相手を攻撃しているので法的にassault(暴行)とみなされ、刑期はさほど長くはないと思いますが、刑務所に送られてもなんら不思議ではない行為です。

ビル・ゲイツの動画を見てもらえばわかりますが、怪我をしてもおかしくはなく、パイじゃなかったらと思うと少し怖くなるぐらいです。

このあたりで少し日本人が考えるバラエティよりのパイ投げとは、前提とするイメージが違います。

このニュースで問題になっているのは、シーン・トンプソンは写真を見る限り、目のまわりに黒いあざがあり、誰かに殴られた形跡がある点です。

Pie wielder, from jail, says Kevin Johnson hit him twice ‘pretty hard’(ESPN)

トンプソンはジョンソン市長に殴られたと主張していますが、それは証拠不十分で認められていません。

しかし、誰かに殴られたのは明らかで、市長だった場合には大問題になることが予想されます。

おそらくボティガードなり、周辺の誰かではあるとは思いますが、誰かはわかっていません。

ジョンソン市長は「大丈夫だ」とツイートしていますが、真相がよくわからない事件になっています。

Top image : Seth Lemmons

   


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