文章の最後に終わりを意味する点、ピリオド/periodは英語ではおなじみですが、これが終わりを意味する以外に使われるケースがあります。
(主にアメリカ英語では)省略の印としての役割があり、その場合は何かの言葉の省略、短縮を意味する目印、記号として用いられています。
スーパーマリオブラザーズのBros.などが思い浮かぶかもしれません。この省略記号としてのピリオドをまとめてみました。
abbreviation(省略)
Bros.のような表記をabbreviation(省略)と呼び、.(ピリオド)を省略の目印に使っていることが特徴です。ただし発音は省略されずに「ブラザーズ」と最後まで発音される点も勘違いしやすい点です。
この場合はBrothersの省略形がBros.です。
スーパーマリオには「ハンマーブロス」という、よく2人1組で登場する敵キャラがいます。初代スーパーマリオではクッパ以上の強敵です。
これも任天堂公式では「ハンマーブロス」としていますが、英語では1匹の場合はHammer Bro.で、2匹の場合はHammer Bros.であり、読み方はブラザー(ズ)とすべきなので、時代的に誤訳(誤発音?)が元になっているのではないかと推測されます。
例えば映画製作会社のワーナー・ブラザーズの公式サイトに行ってもわかるようにWarner Bros.と省略されている文字には絶対にピリオドが打たれています。
Bros.は映画のワーナー・ブラザーズのように兄弟でやっているようなビジネス、会社名に見ることができます。これも「ワーナーブロス」とは発音しないように、文字が省略されているからといって発音まで省略されるわけではありません。
他にもSt.(ストリートまたはセイント)やAve.(アヴェニュー)Rd.(ロード)などは海外に行けばよく見かけますが、これも注意深く見るとピリオドが絶対についており、発音は最後までアヴェニュー、ロードと発音されます。
これはMr.をマーとは読まない、Mrs.をマースみたいに発音しない点と同じです。
ミュージシャンのフィーチャリングもfeat.またはft.と表記してある場合でも絶対に省略の目印であるピリオドが打たれています。また読み上げるときは省略しません(フィートなどとはいいません)
Mr.Childrenもそうです。Misterが省略されて表記されているからピリオドがあるわけです。そして読み方は「ミスターチルドレン」であって「マァーチルドレン」などと読む人はいません。
bro(ブロ)
勘違いしやすいのはbroはこのまま単語で存在しており、意味は兄弟やそれぐらい仲の良い友達を指します(馴れ馴れしい人はそこまで仲良くなくても使います)
He’s my bro.
彼は俺の友達なんだ。
この場合のbroは別に省略しているわけではない(と普通は考えるので)、abbreviationとは別物です。
この使い方でイギリスの地下鉄で起こった事件の概要をまとめた記事があります。
イニシャルの書き方
逆にいえば省略していないのにピリオドは打ちません。日本人が読点(とうてん)[、]の感覚でピリオドを打つのは間違いになります。
イニシャルの書き方を聞いていたんですが、山田太郎さんを日本人がよく「T.Y」のように書くのは変だという話です。
省略記号としてイニシャルを表記するならば「T.Y.」のようにすべきでしょう。
またTaro Y.のように省略している部分にはピリオドを打たないといけませんし、省略してないならピリオドはいりません。
もしくはイニシャルの場合はTYのように何も打たずに書くのもOKです。
省略の意味ではなく、文章の区切りを入れるならばコンマ[,]を使うのが一般的です。
カナダ人のスティーブなど、私がたまに書く英文でもピリオドが抜けていたりすると細かく指摘します。
日本人の感覚に置き換えてもわかりますが「。」がないと落ち着かないのと同じように、ネイティブにとってはピリオドの抜けた文章は思った以上に気になるようです。
言葉としてのperiod
たまに会話表現の中で、これ以上なにも言うことがないことや、これ以上交渉する余地がないことを強調する意味でperiodの単語が使われることがあります。
訳し方はいろいろとあると思います。
I will not go there, period!
そこにはいかないよ。ピリオド!
I just want a steak and fries, period.
ただステーキとポテトフライが欲しいの。以上!
She won’t eat any meat, period.
彼女はもう肉を食べない。おわり。
日本語でも何かをいった後に終わりを意味する「まる」を発声するケースが、ジョークっぽくなりますがあるにはあります。
もちろん、periodには期間、時期、年代などや、女性の生理の意味でも使われますが、これらは名詞での普通の使い方です。