英語でlineが使われた場合、大きくいくつかの意味に分けることができます。1つは列、線などの意味で、もう1つが文章などのセンテンスの意味です。
さらによく見かけるのが日本語の○○シリーズに相当する言葉としてのlineです。
カタカナになってしまっている「シリーズ」はかなり細かな差ですがlineで表現できるものがけっこうあります。
ほぼ同じ意味で使うケース
突き詰めると細かな差がありますが、以下の2つに関していえばほぼ同じです。
Nike’s new line of sneakers are selling well.
Nike’s new series of sneakers are selling well.
ナイキの新しいスニーカーのライン/シリーズはよく売れている。
Mr. Donut started a line of low-fat donuts.
Mr. Donut started a series of low-fat donuts.
ミスタードーナツは低脂ドーナツのライン/シリーズをはじめた。
しかし、文章を読むと明らかに使い分けがされているケースもあることがわかります。
ミスドの新商品
ニュースで取り上げたのはミスタードーナツの低脂肪のドーナツ3種類です。従来のドーナツより40%脂質が少ない商品で、「きなこ」「紫いも」「プレーン」の3種類が2017年の3月頃に発売され夏まで継続するようです。
今回のニュースのドーナツをイメージしてもらいながら、以下の文章を読むとわかりやすいです。
This line will end in late-August but the series will continue.
このラインは8月の下旬に終わるが、シリーズは継続するだろう。
The next line will be in the summer.
次のラインは夏に登場するだろう。
今回の低脂シリーズは「きなこ」「紫いも」「プレーン」の3種類ありますが、これが「line」にあたる商品です。
上の文章は、このラインは8月下旬に販売終了しますが、その次は「かぼちゃ」「すいか」「めろん」などの新味の低脂ドーナツが登場するかもしれません。これは「series」が続いていることになります。
The next series will be in the summer.
次のシリーズは夏に登場予定だ。
上のように書くと「低脂ドーナツ」のシリーズではない、何か次の「ハイカロリードーナツ」「ポンデリング四天王」など別のシリーズが登場することを意味します。
エアジョーダンの場合
Nikeのエアジョーダンは人気のシューズですが、エアジョーダン自体は20年以上も続くシリーズであって、それを「new series」というのは変だという話になります。
▲ Nike’s new series of Air Jordan sneakers are selling well.
エアジョーダンそのものがシリーズであって、個々の新作に対してはシリーズとはいいません。
毎年のように新しいモデルが登場しますが、2017年版のAir Jordan 2017の売れ行きが良いならば以下のように表現するのが自然です。
Nike’s new line of Air Jordan sneakers are selling well.
エアージョーダンの新しいやつは売れ行きが好調だ。
日本人にはなじみのない単語で、細かな差ですが文脈によっては明らかに使い分けがされるべき単語です。
オイルカット
余談になりますが今回のシリーズは「オイルカットドーナツ」とカタカナで表現されていますが、スティーブにいわせると、これも意味がはっきりしないそうです。
通常の油ではなく、例えば脂質が低いサラダ油などでドーナツを揚げても、サラダ油も「oil」なので、これだとオイルカットになりません。
公式ページに小さく注意書きで「※オイルとは栄養成分中の脂質を指します。手づくりですので、多少の誤差があります。」とあります。
この場合、脂質を指しているならばそれはfat(脂質)であり、low-fat donutsと表現はできますが、オイルカットとは英語では表現しません。