likelyは「~しそうだ、~が起こりそうだ」といった意味で使われる形容詞または副詞です。何かの物事の可能性について表現している単語と思ってもいいかもしれません。
ここでのlikeとは「好き」の意味ではなく「~のようだ」の延長なので、とりあえず「好き」の意味は忘れてもいいと思います。
日本語で少し理解しにくい感じもあるので、反対の意味のunlikelyと一緒に例文に使い方をまとめてみました。
あわせて『like(~のような / ~のように)の意味と使い方』も関連事項としてご覧ください。
この記事の目次!
likelyでの使い方
likelyは形容詞としては大きく2つの使い方があります。
1つは通常は「be likely to do(~しそうである)」の形で、likelyより後ろにある動作が起こりそう、何かが起こりそうだといった意味です。
He is likely to become president.
彼は大統領になりそうだ。
It is likely to rain.
雨が降りそうだ。
She is likely to be upset by rudeness.
彼女は無礼さに困惑させられそうだ。
This trend is likely to continue.
この流行は続きそうだ。
これはbe likely to do以外にも「be likely that ~」で同じような形になります。
It is likely that he won’t come back.
彼は戻ってこなさそうだ。
もう1つが名詞の前において「likely 〇〇」で「ありそうな〇〇、起こりそうな〇〇」といった使い方です。
He is a likely candidate to become president.
彼は大統領になりそうな候補者だ。
He is the least likely person to steal from us.
彼は私たちから盗みを、最もやりそうにない人物だ。
most likely
最も「~しそうだ」といった使い方もできます。
辞書には十中八九と書いていましたが、もっとも起こりうるようなものに使います。可能性が最も高いと考えてもいいと思います。
He will most likely become president.
彼は最も大統領になりそうだ。
That is most likely the correct answer.
それが最も正しい答えになりそうだ。
most likelyについてはややこしい部分もあって最後に補足しています。
less likely / more likely
less likelyを伴うことで「より少ない」ことを表しています。
She is less likely than me to join a band.
彼女はバンドに参加する可能性が私よりも低い。
私がバンドに参加する可能性が20パーセントだとすると、彼女は10パーセントだ、のような意味です。
I bought a Japanese car because it is less likely to break down.
私は日本車を購入した、なぜなら壊れにくいからだ。
ほかの車と比べて、日本車のほうが壊れる可能性が低いことを表しています。
moreにすれば反対の意味になります。
It’s more likely to rain than to snow in this city.
この街では雪よりも雨がより降りそうだ。
Cheap batteries are more likely to die quickly.
安い電池はより早く切れそうだ。
be as likely to
「be as likely to」は「同じぐらいだ、同じぐらいの可能性だ」となります。
① I’m as likely as my brother to become overweight.
私は兄と同じぐらいの可能性で太りそうだ。
①は兄が80%の確率で太るならば、私も80%ぐらいの確率で太るといった意味です。
② The movie’s sequel is as likely to be successful.
その映画の続編は同じぐらいの可能性で成功しそうだ。
②は第1作がヒットしそうだったならば、その続編も同じくらいの可能性でヒットしそうだ、という話です。
asがどこにかかっているのかで意味が異なります。以下のように書くと意味が違います。
I’m likely to become as overweight as my brother.
私は兄と同じぐらい太りそうだ。
= 同じぐらいの体重になりそうだ。
The movie’s sequel is likely to be as successful.
その映画の続編は同じ規模ぐらいに成功しそうだ。
= 同じ規模の興行収入になりそうだ。
副詞でのlikelyの使い方
likelyは品詞としては副詞にもなります。動詞に対してかかるように使われ、同じく「~しそうである」となるので結局は意味は同じです。
以下の例文など文章の構造が違うだけで言っている内容は同じです。
① It will likely rain.
副詞での使い方:雨が降りそうだ。
② It is likely to rain.
形容詞での使い方:雨が降りそうだ。
①はrainが動詞であり、動詞にかかっているlikelyは副詞です。
②はbe likelyであり、形容詞としてlikelyが使われています。
もう少し例文を書いておきます。
She will likely be angry because of your rudeness.
彼女は君が無礼なせいでおそらく怒りそうだ。
They will likely eat pizza.
彼らはピザを食べそうだ。
He is likely going to return home tomorrow.
彼は明日に家に戻ってきそうだ。
特に最後の例文は「be going to」に対してlikelyがかかっていますが、「be likely」のようにも見えてしまうので難しいところです。
辞書によるとイギリス英語では副詞のlikelyは、veryやmostといった程度を表す言葉を前に伴って使われることが多いとありました。
It will very likely rain.
おそらく雨が降るだろう。
一方でアメリカ英語ではveryやmostといった言葉がなくても問題ありません。これもイギリスで現在どこまでこのような使い方がされているかは不明です。調べておきます。
in all likelihood
likelyが「たぶん、恐らく」の意味で、 in all likelihoodも強調した感じで同じような意味になります。
辞書には「十中八九、たぶん、恐らく、九分九厘、ほとんど確実に」などの掲載があります。
① He is likely going to return home tomorrow.
② In all likelihood, he is going to return home tomorrow.
彼はおそらく、明日、家に帰ってくるだろう。
①よりも②のほうが強調した表現なので「ほぼ確実に家に帰ってくるだろう」となります。
unlikelyの意味と使い方
ありそうもない、起こりそうもないといった単語です。likelyの逆の意味になります。使い方をご紹介しておきます。
He is unlikely to get married.
彼は結婚しそうにない。
It is unlikely to rain today.
今日は雨は降りそうにない。
most likelyの補足
most likelyの使い方については少しややこしい部分もあるので整理してみます。
使い方によってはいろんな意味に解釈できたり、副詞なのか形容詞なのかで意味合いが変わるといった話です。細かい話なので必要ない人は読み飛ばしてください。
He was most likely the candidate.
上の文章が意味するのは「彼がもっと候補者らしいかった」という話です。ふらっとパーティー会場に立ち寄って、そこはたまたま選挙の集会でした。候補者はどんな人だろう? けど顔も見たことがないからわからない。
しかし会場を見渡せば一番立派なスーツを着た、周囲に人だかりができている人物がいて、顔は知らないけれど「彼が最も候補者らしい。たぶんあの人が候補者なんだろう。他の人は単なる支持者達だ」といった意味で解釈される可能性が高いです。
He was the most likely candidate.
上の文章だと「the most likely candidate」という意味で最も起こりそうな候補者であり、何になるとは書いていませんが最有力の候補者だと考えることができます。例えば共和党内で大統領の候補者を立てる必要があり、その中でドナルド・トランプが最も候補者になる可能性が高いといった意味でとらえることができます。