grey / grayは結論から先に書けば綴り・スペルが違いますが、どちらも同じ意味で「灰色・グレー」です。発音も同じ【gréɪ】です。
grayがアメリカ英語とされ、greyがイギリス英語とされていますが、どちらの国でも両方使われています。基本的にはどちらでもOKと思って間違いないと思います。
しかし、一部の単語や人名で正確に書き分ける必要があるので、そのような注意点をご紹介します。また単なる色以外にも「白髪」や動詞では「歳をとる」といった意味にもなります。
グレー・灰色
「grey / gray」はカタカナと同じで合法と違法のような間のものを指すこともできます。グレーゾーン、グレーエリア両方とも英語でも使えます。
There is a grey / gray area in copyright law.
著作権法にはグレーなエリアがある。
This is a bit of a gray / grey zone in ethics.
これは倫理的に少しグレーゾーンだ。
また「白髪」を意味することもできます。日本語では「白」ですが英語では「グレー」なのが違いです。
Gramps has a lot of gray / grey around his beard these days.
おじいちゃんは最近、あごひげに白髪がいっぱいある。
色としてのグレー
もちろん色としての灰色・グレーの意味もあります。
I painted the south wall grey / gray.
南の壁を灰色に塗った。
ホームページやブログをやっている人ならご存じだと思いますが、CSSと呼ばれるページの装飾部分では色を名前で指定することができます。
例えば「ここを青色の文字にしたい」といった場合には「blue」と指定することで「ここを青色の文字にしたい」といった装飾ができます。
試しにgreyとgrayで囲み枠の中を指定してみました。
すべてのブラウザでチェックしたわけではありませんが、グーグルクロームで見る限りはどちらで書いてもまったく一緒の色です。
アメリカとイギリスで行われた調査によると人々は「greyは銀色(silver)がぼやけた銀色の系統」「grayは黒から白への変化」だと信じている人がけっこういるそうです。
そのような定義はなく一緒だとされていますが、そのように信じている人・思い込んでいる人も多いみたいですね。
grey / gray(動詞)
動詞では灰色から「白髪になる、灰色になる」転じて「歳をとる、高齢化する」の意味になります。
Obama greyed a lot during his time as president.
Obama grayed a lot during his time as president.
オバマは大統領中に多くの白髪が増えた(=歳をとった)
個人に対して使えばわりと外見で白髪が増えたニュアンスが強いですが、集団などに使うと高齢化するといった意味合いが強くなります。
以下はニュースの見出しです。青森県の高齢化するりんご農家が若い世代にも魅力あるものを生産しようとりんご酒(シードル)の生産をはじめたニュースでした。ただし、この使い方は少し文語表現っぽい雰囲気なのであまり話し言葉では使わないかもしれません。
Japan’s greying apple producers turn to cider production
日本の高齢化するりんごの生産者がシードルの生産に頼る
greyhound
どちらでもOKなんですが例外があり、犬の品種のグレイハウンドは「greyhound(グレーハウンド)」です。
またアメリカの有名なバス会社にも「Greyhound」がありますが、こういうのはスペルが決まっています。
I bet on the greyhound races.
グレイハウンドのレースに賭けた。
I took a Greyhound to Washington D.C.
ワシントンDCまでグレイハウンドのバスを使った。
× I bet on the grayhound races.
× I took a Grayhound to Washington D.C.
また人名にもついては当然のように勝手に変えるわけにはいきません。紅茶の名前になっているEarl Greyなどもそうです。
例えばAlan Grayさんもいれば、Alan Greyさんも見られるので、どちらも名前としては存在しています。