ガス(gas)といえば「気体」の意味もありますが、北米の英語では「ガソリン(gasoline)」の意味でも使われます。gasolineを略して「gas」です。
そこから「アクセル」の意味で使われ、ここからさらに慣用句になって車以外でも使われています。このあたり少しややこしいので整理してみます。
気体・液体・固体を英語でいう
液体、固体、気体はそれぞれ以下のように表現されます。名詞でも形容詞でも使えます。
Water is a liquid.
水は液体。
They keep liquid carbon dioxide in a tank.
彼らは液体の二酸化炭素をタンクにためている。
Steel is a solid.
鉄は固体。
Dry ice is solid carbon dioxide.
ドライアイスは固体の二酸化炭素。
Oxygen is a gas.
酸素は気体。
Steam is water in gaseous form.
蒸気は水の気体の形。
気体だけ形容詞が「gaseous(ガス(状)の、気体の)」といった形になるのでちょっと変則です。
gas(ガソリン)の意味と使い方
それとは別にガソリン(gasoline)の略としてgasが北米では使われます。液体なのにgasという点でちょっと奇妙な感じもあります。
I need to go to the gas station.
私はガソリンスタンドに行く必要がある。
I stopped on the way to get gas.
ガソリンを手に入れる途中で止まった。
気体のガスなのか、ガソリンなのかは状況によって判断するそうですが、室内だとだいたい気体のほうだと判断される傾向があります。
This room smells like gas.
この部屋はガス(気体)のようなにおいがする。
もし室内でガソリンのような匂いがするならば、ガスではなく、はっきりとガソリンだといったほうが混乱がないです。
This room smells like gasoline.
この部屋はガソリンのようなにおいがする。
アクセルの意味
そこからさらに「アクセル」の意味にも変化しています。
She mixed up the gas and brake.
彼女はアクセルとブレーキを混同した。
He let go of the gas pedal.
= He let go of the gas.
彼はアクセルをはなした。
The gas pedal was stuck and the car drove into a tree.
アクセルがつまって、車が木につっこんだ。
Step on the gas!
これはアクセルを踏めという意味ですが、車にのっていない状況でも「Step on the gas! 」といわれます。言い換えるとHurry up!です。
Step on the gas!
急げ!
さらにgasも省略されitでも使われます。
Step on it!
急げ!
むしろStep on it! のほうが広く使われています。
文字だけみると「それを踏め」としか読めないので、知らないと意味がわからない言葉です。アクセルを踏み込めの意味で、転じて急げ!です。
slam on the gas
slam on the gasはアクセル(ペダル)をとても強く速く踏むことで車が最高速度で走るといった表現です。
オーストラリアやイギリスの英語では「accelerator」が使われますが、アメリカでは以下のように「gas」あるいは「gas pedal」を使うことが多いです。
slam on the gas
slam the gas
step on the gas
step on it
floor it
floor the gas pedal
When the light turned green she slammed on the gas(= accelerator).
信号が青に変わったとき、彼女はアクセルを思いっきり踏んだ。
He slammed on the gas(= accelerator) when he saw a police car.
彼はパトカーを見たとき、アクセルを思いっきり踏んだ。