ファミレスはカタカナ英語だとしても、family restaurant(ファミリーレストラン)は和製英語か? といった問題がありますが、詳しく調べてみました。
ファミリーレストラン(ファミレス)は和製英語で基本的には英語ではそのままは存在しない言葉だと思っていいと思いますが、和製英語とも言い切れない部分があります。
family restaurant(ファミリーレストラン)
カナダ人のスティーブはfamily restaurantといわれると「家族経営のレストラン」みたいなものが頭に浮かぶみたいです。
My father wants me to work at the family restaurant.
父親は私にファミリーレストランで働いてほしいと思っている。
この場合でもfamily businessとするほうがまだ一般的かもしれない、という見解です。
そもそも日本のファミレスは何をもってファミレスとするのか? その定義も曖昧です。
・お子様向けのメニューや子ども椅子がある
・価格がリーズナブル
・ドリンクバーがある
・和洋中とデザートまでそろっている
このあたりがファミレスの条件で、スティーブは日本のファミレスがどのようなものかを理解しています。
そのスティーブに日本のファミレス店舗の雰囲気(お子様メニューのあるなしやレイアウトなど)を考慮して、英語で近い言葉をいわせると「Bar and grill」や「chain restaurant」になるという話です。
飲食店の分類については『restaurant, eatery, dinerなど飲食店を表す英語』の記事にまとめています。ひとくちに飲食店といっても、英語ではさまざまな形態・名称が存在しています。
英語ではお酒を飲むエリアと料理を楽しむ部分がわかれている「Bar and grill(バーアンドグリル)」や「chain restaurant(チェーン・レストラン)」が、家族連れで行ける飲食店としては近い存在だそうです。
日本人の感覚ではレイアウトとしてはボックス席と派手な内装の「diner(ダイナー)」が近いような気がします。
英語ではどう表記されているか?
ただいろいろとネットの情報を調べてみると一部で「family restaurant」や「Family-Friendly Restaurant(家族にフレドリーなレストラン)」「Casual Restaurant(カジュアルレストラン)」などの言葉がけっこう存在しています。
英語版のWikipediaのデニーズの項目にも『full-service fast casual family restaurant chain』みたいな記述がみられます。
日本のように「ジャンル」としてまでは存在・認知していなくても、特定の店舗が「家族に優しいファミリーレストランです!」とキャッチコピーのように名乗っているお店ならば十分に考えられる話です。
アプリ内のサイゼリヤを扱ったニュースでは以下のようにサイゼリヤが説明されていました。
Saizeriya is a casual, inexpensive, and family-oriented Italian restaurant.
サイゼリヤはカジュアルな低価格、ファミリー向けのイタリアンレストランだ。
family-orientedで「ファミリー向けの、ファミリー志向の」といった意味になるので、趣旨としては近い言葉ではないでしょうか。
結論としては「family restaurant」は変な和製英語とまではいわないけど、そこまで一般的に誰しもが使う言葉ではない、しかし意味はわかるみたいな位置づけです。
英語としては「family-oriented restaurant」「casual restaurant(カジュアル・レストラン)」あたりが無難でしょうか。
もちろん家族向けのレストランは多いですが、日本ほどジャンル、飲食店の形態として確立しているとは少し言い難い概念です。
デニーズなどはアメリカ発祥で、日本と同じ名前の店舗名で運営していますが、アメリカのデニーズはあまり評判がよくなく、いまいちのお店の代名詞として取り上げられる傾向があるそうです。
同じ店舗でも国によって位置づけが違う点も注意が必要です。ユニクロといえば日本では安いお店ですが、海外では必ずしもそのように認知されていない場合も多いです。
フランスでドリンクバー禁止
フランスでいわゆる「ドリンクバー」が禁止になったニュースを配信しました。
フランスで肥満対策のために違法となったのは「固定された金額で無制限のソフトドリンクの提供」や「無料で無制限のソフトドリンクの提供」です。
The French government has placed a ban on the practice of offering free refills on sugary soft drinks such as cola or sports drinks.
フランス政府は砂糖の入ったソフトドリンク、コーラやスポーツドリンクなどの無料でのおかわりを提供する習慣を禁止した。
日本のファミレスにある「ドリンクバー」のようなセルフサービスは、soda fountains(ソーダの泉)と呼ばれ各国に似たようなものがありますが、これらも規制の対象になっています。
今回の規制の前にすでにソフトドリンクに税金がかけられたり、学校から自動販売機が撤去されるなど、特に若い世代への肥満の抑制が狙いになっています。
royal / loyal
ファミリーレストランのロイヤルホストが24時間営業をやめるというニュースもアプリで配信しました。時代的に無駄が多く、働く従業員にも負担がかかってしまう点から順次24時間営業をやめるようです。
ロイヤルホストのroyalは「国王の、女王の、王立の」などの意味があります。
loyalは「誠実な、信義に厚い、忠実な」などの意味があります。飲食店での常連客を表すのは「loyal customer」です。
I’m a loyal customer of Royal Host.
私はロイヤルホストの常連客だ。
Royal Hostって名前は語感としてちょっと大げさではないか? と確認してみましたが、別に違和感はないそうです。飲食店は大げさな表現をしたりもするのでRoyal Hostは変な名前ではありません。
むしろスティーブがすごく奇妙だと言っていたのは長崎ちゃんぽん専門店「Ringer Hut」です。
意味がわからないし、何屋かもわからないと。Ringerも何か意味があるのか? と確認してみたら、ringにerをつけたこの形がそもそも何かわからない、すごく不思議な名前に感じるそうです。辞書で調べるといちおう鈴を鳴らす人みたいな意味はあるみたいです。
由来を調べるとRingerさんというイギリス人がいて、hutが小屋、山小屋みたいな感じで「リンガーハット」です。日本人の感覚としては「鳥谷の小屋」「堀江の山小屋」みたいな飲食店があるような感じでしょうか。