まず前提としてこれらの単語は公的な団体などから発行されることや、認められる資格やライセンスを表して用いられる言葉です。当然、認められることは品質があることを意味します。
certifyが動詞で「認定する、免許を与える」、certificationが「証明、認定、資格」です。certificateは紙としての「認定書、証明書」として広く使われます。
辞書レベルでは判断がつかない使い分けがあるので整理してみました。特にcertificateとcertificatedの使い方に混乱する要素があります。例文も用意しているのでご確認ください。
この記事の目次!
certify(動詞)の意味と使い方
certifyは動詞で、ある団体などが免許を与えること、品質や正統性を保証・認証することを指します。日本語では「~に資格・免許を与える」「~を認定する」です。
まずcertifyは動詞で使うことが前提としてあります。
This group certifies translators.
この団体は翻訳者の資格を認定する。
In Japan the police certify drivers.
日本では警察が運転者を認定する。
=日本では警察が運転免許を発行する。
The Board of Education certified me to teach English.
教育委員会は私に英語を教える資格があると認定した。
日本語では「あなたを愛する資格がある」「お前はこの仕事をやる資格がない」のように免許や認定書ではなく単なる能力について話す場合でも「資格」という言葉が用いられるため混乱する原因になります。
能力という意味での資格は「qualify」や「qualified」があります。
certified(有資格の)の意味と使い方
形容詞でcertifiedの形になると「資格を持っている、有資格の」といったどこかの団体から認定されるような資格を持っていることを意味します。
He is a certified doctor.
彼は有資格の医師だ。
I am certified to be an English teacher by the Board of Education.
私は教育委員会から英語の教師の資格を認定されている。
Dr. Dre is an uncertified doctor.
ドクター・ドレーは資格がない医者だ。
ドクター・ドレーはアメリカのラッパー、プロデューサーであり単なる芸名なので医者ではありません。
unlicensedとuncertifiedの違い
uncertified(資格がない)とunlicensed (免許・ライセンスがない)は似たような意味ですが厳密にはニュアンスが異なるケースがあります。
例えば手塚治虫のブラック・ジャックは無免許の医者ですが彼はunlicensedと考えるのが描写としてはあっています。
Black Jack is an unlicensed doctor.
ブラック・ジャックは無免許の医者だ。
Black Jack is an uncertified doctor.
(少しニュアンスが異なる)
業種によっては資格があることと、その職業として活動できる免許(ライセンス)がわけられているケースがあります。例えば日本では税理士などがそうで税理士の有資格者と税理士は別です。
医者なども同じで有資格者であることと、登録免許があり開業できることは別だったりします。
ブラック・ジャックに対して「uncertified」を使うとそもそも大学も出ていない基礎知識がないような印象を与えてしまいます。この意味で状況によって使い分ける必要があります。
certified under
「承認されている」「認定されている」といったニュアンスの言葉です。ISO14000は国際標準化機構が発行する、環境設備などに関する基準です。
The new vitamins need to be certified under the Food and Drug Administration before they can go on sale.
新しいビタミンは売り出される前にアメリカ食品医薬品局の承認がいる。
Our factory is certified under ISO 14000.
私達の工場はISO14000に認定されている。
certificateとcertificationの違い
名詞になると「certificate」と「certification」の2つの形があり、それぞれ少し意味するものが違います。
これはpermit(許可書)とpermission(許可)の違いと同じで、名詞で使った場合はpermitは紙の「許可証」のようなものを指します。一方でpermissionは概念としての「許可」です。
certificateの意味
certificateは名詞では「証明書」「免許証」「認可証」などのことであり、紙としての物体です。可算名詞で1枚2枚と数えられるものです。
I have a teaching certificate.
私は教員免許状(証明する紙)を持っている。
My birth certificate is in a safe in my house.
私の出生証明書は家の金庫の中にある。
I looked for my certificate but never found it.
私は証明書を探したが、見つからなかった。
certificationの意味
こちらは一般的に概念としての「証明、認定、資格」であり、何かを達成したことを証明するもので、不可算名詞です。
He has the certification to become a lawyer.
彼は弁護士になれる認定・証明がある。
Color, texture, and juiciness are all factors to get Grade-A beef certification.
色、食感、ジューシーさはすべてA級の牛肉の認定を得るための要素だ。
ただ意味としては近く、概念としての「証明、認定、資格」はその証明書に書かれているものであるので、置き換えても意味が通るケースがあります。
証明書を受け取ることは証明を受け取ることでもあるので同じケースはあります。また認定されていることは、普通は認定書があることでもあるので、問題はありません。
He has the certification needed to become a lawyer.
He has the certificate needed to become a lawyer.
彼は弁護士になるために必要な認定(書)を持っている。
I looked for my certification but never found it.
= I looked for my certificates but never found it.
証明を探したが見つからなかった。
He got a certificate in the mail.
= He got certification in the mail.
彼は封書で証明を受け取った。
しかし、次のケースのように置き換えると意味が変になるケースがあります。
certificationは「何かの達成」に対してのみ使えるので以下のような場合には置き換えができません。
I have a birth certificate.
私は出生証明書を持っている。
× I have birth certification.
(この使い方はおかしい)
この場合は生まれたことは本人が何かを達成したわけではないのでcertificationが使えません。
gift certificate(商品券)
certificateはけっこう意味が広く、辞書では先に紹介した認定書、許可書以外にも鑑定書、株券、証券の訳もあります。gift certificateは商品券のことです。
「ある特定の店、特定の場所でしか使えない、特定の店からの認定を受けている」みたいな部分では意味はつながっている感じはあります。
I got a gift certificate to the mall.
そのモールの金券を手に入れた。
My boss gave me a gift certificate to Tiffany’s as a reward for my good work.
ボスはティファニーの金券をよい仕事の報酬としてくれた。
voucher (バウチャー)もありますが、やや古臭くなっています。coupon(クーポン)は割引券にあたるので、少し性質が違います。
I have a coupon for 10% off at the Sony Store.
ソニーストアの10%OFFの割引券を持っている。
certified / certificatedの違い
certificateはすでに書いたように基本的には名詞で「証明書」として使われます。
しかし、辞書にはcertificate(=certify)で動詞の意味「~を認証する、~に証明書を与える」でも掲載があります。
そこからcertificated(=certified)で形容詞の意味で「有資格の」でも掲載があります。スティーブに確認したところ、この使い方を見たことがないといっていました。
In Japan the police certificate drivers.
(certificateを動詞で使う)
He is a certificated doctor.
(certificatedを形容詞で使う)
このような使い方が少なくとも北米ではあまり見られません。
辞書にもイギリス英語だとの表記があったのでイギリスではこのような使い方がされるのかもしれません。