目をつけていたアイドルやバンドなどが「もうすぐブレイクすると思う」のブレイクは、break through(ブレイクスルー)で表現可能です。
ダジャレみたいになっていますが、ネイティブスピーカーに確認してみました。「ブレイクする」は和製英語のようで、そうとも言い切れない難しさがあります。
ブレイクする
カタカナのように「break」だけでも通じないことはありませんが、breakにはさまざまな意味があるため、以下のような例文をネイティブスピーカーが読むと表現が曖昧になります。
That new idol group will break soon.
(少し意味が曖昧になります)
break単体だと、文脈を明確にしないとよくわかりません。
breakには句動詞のbreak up(解散する)やbreak down(崩壊する)といった意味もあるため、ネガティブな真逆の意味にとられる可能性があります。
アイドルグループだけでなく人間関係にもいえますが、break upは解散、別れることですが、まだつながりや良好な人間関係が残っている感じがあります。
break downで表現すると、完全に崩壊してしまって再結成などは考えられないようなものをイメージさせます。
このあたりのブレイク(break)を使った表現については別記事に詳しくまとめているのでご覧ください。そこで、より内容を明確にするために「break through」を使います。
break through
break throughやbreak out / intoならば、人気に火がつくようなカタカナのイメージに近くなります。
単純に「成功する」の意味に近い感じで使われることもあり「あのバンドは来年にブレイクするだろう」みたいなカタカナと近くなります。
It took the band nine years to break through.
そのバンドがブレイクするまでに9年かかった。
The Beatles’ break-through moment was on the Ed Sullivan show.
ビートルズがブレイクした瞬間は、エド・サリバン・ショーだった。
That new idol group will break through soon.
あの新しいアイドルグループはもうすぐブレイクするだろう。
2つの単語の組み合わせなので、break throughのように使うと文字通り、何かをぶち破って通り抜けることです。
The car broke through the store window.
車はお店の窓をぶち破った。
I can’t break through the bag to eat the chips.
食べるために、このポテチの袋があかない。
変な日本語訳ですが、上のように細かいことにも使えます。食べるために袋をあけて手を突っ込まないといけないので、そのあたりがブレイクスルーです。
breakthrough(名詞)
その延長で、「急進展、大発見、飛躍的な発明、飛躍的進歩」などを意味します。この場合は名詞です。
スルーの発音もスペルもややこしいですが【bréikθrùː】です。
The latest breakthrough in cancer treatment is being tested.
最新のがん治療における大発見がテストされている。
We are searching for new breakthroughs in this art.
われわれはこの芸術における新しい躍進を探している。
through(スルー)は動詞ではない
スティーブが日本で暮らす中で「through」を動詞で使う日本人がけっこういることに気が付いたそうです。
Through the gate.
(動詞がない)
She throughed the tunnel to get to the sea.
(動詞がないし、過去形っぽくなっています)
上のように「~を通り抜ける」という動詞感覚で使うケースが多々ありますが間違いです。
詳しくはthroughの使い方をまとめた記事があります。