blossom(ブロッサム)、bloom(ブルーム)、flower(フラワー)はどれも名詞で「花」の意味や、動詞で「咲く」として使うことができるので、非常に近い意味の言葉だといえます。
一般的な言葉の使い分け方としてはflowerは地面から茎が伸びている花(バラやチューリップなど)に、blossomは木の上に咲く花(桜など)、bloomは動詞で使われる傾向があります。違いを整理しながらネイティブにも使い方や違いを確認してみました。
名詞でのblossom、bloom、flowerの使い方の違い
名詞で考えた場合には基本的にはblossom、bloom、flowerはすべて「花」と思ってもいいですが、少し違いがみられます。
一般的にflowerは地面から茎がのびている花でバラやチューリップ、ひまわりのようなものを指して使われます。
blossomは木の上に咲く小さい花に使われる傾向があります。bloomはどちらかといえば「咲く」という動詞に使われやすいです。
しかし、お花の専門家などを除けば植物の定義にそって言葉を使い分けるというよりも感覚的な言葉選びになるそうです。全体が見えれば茎があるのか木に咲いているのかわかりますが、花の部分だけを見せられて、それが「blossom」か「flower」かはわからないケースもあります。
以下の表現は名詞で花を表しています。植物学上の定義は別としても、日常会話における運用で考えるとどれも「間違い」「すごく変だ」とは言い切れません。
大き目の花にはflower、小さい木の上に咲いてそうな花はblossomぐらいでもいいと思います。特にblossomはあまり大きな花には使われていません。
〇 Tulips are my favorite flowers.
△ Tulips are my favorite blossoms.
▲ Tulips are my favorite blooms.
チューリップは私のお気に入りの花だ。
〇 Ume blossoms usually come before cherry blossoms.
△ Ume blooms usually come before cherry blooms.
▲ Ume flowers usually come before cherry flowers.
梅の花はたいてい桜の前に咲く。
これは感覚的にわかると思いますが名詞で「cherry blossom(チェリーブロッサム)」は聞いたことがあっても、「cherry bloom」「cherry flower」はあまり聞かない表現です。しかし世の中にはそういう人もいるだろうし、そういわれてもそんなに気にはしない程度の不自然さだそうです。
もう少し例文を書いておきます。以下のように使うことができます。
Ume blossoms usually come before cherry blossoms.
梅の花はたいてい桜の花より前に咲く。
The dress was decorated with blooms.
そのドレスは花で飾られていた。
動詞でのblossom、bloom、flowerの使い方の違い
動詞ではあとで紹介する固有の意味をのぞけば「咲く」として使えます。
インターネット上の利用回数でいけば「blossomは名詞で使われることが多い」また「bloomは動詞で使われることが多い」といった傾向が見られます。
全体的に言えるのは「bloom」は熟語の「in bloom(咲いている)」のように「咲く」というアクションに対して使われる傾向が圧倒的に多いです。blossomも動詞で使っても問題ありませんが、flowerはあまり動詞では見かけません。
以下はネイティブに自然さを判定してもらったものなので参考にしてください。どの花との組み合わせかといった相性もあると思います。
〇 When do the sakura blossom?
〇 When do the sakura bloom?
▲ When do the sakura flower?
桜はいつ咲くの?
〇 We like to visit the garden when the roses bloom.
〇 We like to visit the garden when the roses blossom.
▲ We like to visit the garden when the roses flower.
私たちはバラが咲いた時にその庭を訪れるのが好きだ。
◎ This tree always blossoms in June.
〇 This tree always blooms in June.
〇 This tree always flowers in June.
この木はいつも6月に花をつける。
◎ This flower blooms in June.
〇 This flower blossoms in June.
▲ This flower flowers in June.
この花は6月に咲く。
どれも決して「間違い」とまでは断定できない原因に「rose(ローズ)」が、「バラの花」と「植物としてのバラ全体」の両方の意味でとれてしまう点もあります。
言葉が「木・植物」全体なのか、「花」の部分だけを指しているのかで解釈がわかれる要素もあり、日常会話の「お花が咲く」と専門分野での「植物として花をつける」の両方の意味が成立する可能性があるからです。
日常会話ではあまり言わない表現であっても、「(植物学的には)厳密には間違いとは言い切れない」となる場合もあって断言するのは難しい部分もあります。
blossom(美しくなる)
それぞれ特有の意味があり、この場合は置き換えることができません。比喩としてblossomは「美しくなる、魅力的になる、活発になる」みたいな意味があります。
She has blossomed into a gorgeous woman.
彼女はとても美しい女性になった。
Their childhood friendship blossomed into a lifelong marriage.
彼らの幼年期の友情は生涯を通した結婚へ花咲いた。
花が咲くように時間をかけて美しく咲くかのような優美な表現だといえます。
bloom(成功する)
bloomには「成功する」といった意味で、日本語の「開花する」と近い使い方があります。このあたりも日本語、英語ともに果実や花に見立てた類似の表現が多いです。
He bloomed late as an actor.
彼は遅咲きの役者だった。
Everyone expects her to bloom early as a poet.
みんなは彼女は詩人として早熟だと期待している。