beg(ベグ)は動詞で使った場合には「懇願する、お願いする、乞う」といった意味で、人に対して何かをお願いするような時に使うことができます。
begの使い方でおそらく最も有名なのが相手が言ったことが聞き取れなかったときに使う「I beg your pardon.」でしょうか。
この表現は聞き返す以外にもいくつか代表的な使い方が存在しているので、あわせてこのページで取り上げています。
begの意味と使い方
begは動詞では「懇願する、請い願う」といった意味で何かをお願いすることです。必然的に立場が弱い人が主語になりやすいです。
活用は過去形・過去分詞ともに「begged」となりGが重なります。
He was sorry for what he had done and begged her for forgiveness.
彼は彼がやったことを申し訳ないと思い、彼女に許しを請うた。
They were all injured and begged for help.
彼らはみな怪我をして、助けを求めた。
上の例文は爆弾が落ちてきて全員怪我をして助けを求めているといった切迫した、懇願するようなイメージの言葉です。
また路上などで「物乞いをする」といった意味でも使われます。beggarは物乞いをする人のことです。
The beggar begged all day, but still didn’t have enough money to buy food.
その物乞いは1日中、物乞いをしていたが、まだ食べ物を買う十分なお金をもっていなかった。
I beg your pardon.の意味と使い方
begの使い方で有名なのが何か聞き取れなかった時などに、もう一度いってもらえるように言う「pardon?(パードン、許し、寛容)」です。
一部で「古臭い表現」といった指摘がありましたが、少なくとも身近なネイティブスピーカーに聞く限りは普通に使うこともあるそうです。
「pardon?」「pardon me?」は言い換えると「I beg your pardon.」となります。聞き取れなかったので、もう1回言ってもらえるぐらいのあなたの寛容さをいただきたいです、ぐらいの直訳です。
A:My name is J–m.
B:I beg your pardon?
A:My name is Jim.
私の名前はジ**です。
もう一度お願いできますか?
私の名前はジムです。
以下のような会話もあります。
A:What?
B:You shouldn’t say “what”, say “I beg your pardon”, it’s more polite.
なに?
「なに?」というべきではありません。「もう一度お願いできますか」と言いなさい。より丁寧です。
聞き返す時にwhat?はぶっきらぼうな感じがします。
excuse meの意味で使う
またI beg your pardon.はexcuse meのとても丁寧、フォーマルな表現にもなります。ちょっと相手にお願いや了承を得る時に使えます。
I beg your pardon, might I sit at this table?
お許しいただきたいですが、このテーブルに座っていいですか?
I beg your pardon, I’m afraid I have some urgent news that must be brought to your attention.
ちょっとよろしいですか。あいにくですが、あなたの気になさるであろう緊急のニュースがあります。
excuse meも言葉の意味は「私を許す」なので、それをより丁寧にした表現です。
日本では店員を呼ぶときに「すみません」を使います。まれに「なぜ謝るのか?」とネタにされることもありますが、相手のやっていることを止めたりするからだと思います。
こうしてみると英語でも似たような感覚の表現はあるんだなと感じますね。
理解できない時に
また、「I beg your pardon.」は自分が理解できなかった時にも使われます。
これは聞き取れなかったの意味ではなく「本気でおっしゃってるんですか?」のような感じです。
A:Can I have the day off work tomorrow?
B:I beg your pardon!
明日、休みもらえますか?
(意味はわかるけど)本気ですか!
A:Excuse me, can I buy some weed?
B:I beg your pardon – do I look like a drug dealer to you?
すいません、マリファナ買えますか?
(言っている意味はわかるけど)もう一度お願いできます? 私がドラッグの売人に見えますか?
言っている意味はわかるけど、それを本気で言っているのが信じられない、びっくりした、だからもう一度お願いできますか? といった流れで日本語にしにくい概念です。ただ会話の流れ的にOKだったらOKと言っているはずで、多少は皮肉っぽくもなったり、嫌がっている感じがするケースもあります。
I beg youの意味
歌手のAimerさんが劇場版「Fate/stay night」の主題歌としてリリースした曲が『I beg you』です。
英語としては少し古臭い感じもする、あまり日常会話で頻繁に使う感じではありませんが「頼むよ!お願いだから!」といった感情的な表現です。
切羽詰まった映画のシーンなどでは見かけるかもしれません。表現にもいくつかバリエーションがありますが同じ意味です。
I’m begging you.
= I beg you.
= I beg of you.
I’m begging you to save my son!
= Save my son! I beg you!
息子を救ってください!お願いだから!
ask(頼む)をより感情的にしたような意味合いです。必死さのある表現で文法的に崩れていくケースもあります。
エリック・クラプトン(デレク・アンド・ザ・ドミノス)の名曲『Layla(いとしのレイラ)』の歌詞にも登場します。
Layla, I’m begging, darling please.
レイラ、お願いだから。頼むよ。