カタカナでも広く使われている「anti-(アンチ)」は英語ではアンチ、アンタイと両方の発音があります。意味としては「反~、抗~」のように何かの単語の頭について、それに反対する意味合いで使われる言葉です。数多くの言葉がありますが、いくつか例文にまとめています。
カタカナでは「あの有名人には多くのアンチがいる」のように人そのものを指して使われますが、英語ではこの使い方ができないので別の言葉に置き換える必要があります。
anti-(アンチ・アンタイ)の使い方
カタカナではアンチと言われますが、意味は「against(~に反対して、~に対して)」のことで「反~、非~、抗~、不~」などになります。
発音は2種類あり、【ǽntai】(アンタイ)がアメリカ、【ǽnti】(アンチ、アンティ)はイギリスと説明している辞書もありますが、スティーブはアメリカではどちらの発音も一般的だといっていました。イギリス人のダンに確認したところ、イギリス英語では「アンティ」が使われているそうで、「アンタイ」はアメリカ英語っぽいといった意見でした。
anti-【ǽntai】アンタイ
anti-【ǽnti】アンティ
世の中にはいろんなアンチがありますが、以下の例文のように使うことができます。anti-ageing(アンチエイジング)のように人間以外にも用いることができます。
She uses an anti-wrinkle cream.
彼女はシワ取りクリームを使っている。
She belongs to an anti-fascist activist group.
彼女は反ファシズム主義者の活動家のグループに属している。
I’m not anti-Biden, but I have concerns about him.
私は反バイデンではないけれども、彼に対して懸念がある。
These anti-family policies must be stopped.
これらの反家族の政策は停止されなければならない。
She’s really anti-plastic.
彼女は本当に反プラスティックだ。
She had to take anti-viral medication.
彼女は抗ウイルス薬を飲まなければならなかった。
This is a new anti-ageing treatment.
これは新しいアンチエイジングの治療だ。
We have an anti-harassment proposal.
私達は反ハラスメントの提案がある。
pro-の使い方
アンチに対しての反対の言葉は「pro-」で、「supporting(支持する)」の意味です。
She belongs to a pro-government activist group.
彼女は政府側の活動家のグループに所属している。
She uses probiotics for their anti-aging effects.
彼女はアンチエイジング効果のあるプロバイオティックス製品を使っている。
プロバイオティックスとは健康に良い影響を与える微生物(善玉菌)のことです。
ハイフンのあるなしの違い
ニュースにはマスクに反対する人の意味で「antimasker」という言葉が登場しましたがantiのあとにハイフンがありませんでした。
普通はハイフンがついている状態で言葉として生じますが、より広まっていくにつれてハイフンは大抵徐々に落ちていき、「antimasker」といった1単語になります。
「antimasker」については比較的新しい言葉ですが、メディアで多く使われており、ハイフンはつけてもつけなくてもどちらでも構わないと思うといった意見です。調べてみるとどちらも半々の割合で使われているようです。
例えば「antifascism(反ファシズム)」など長く使われている言葉はハイフンがつかないことが多いですが、つけてもオッケーです。
もし「anti」を使って「からあげ反対 / 反からあげ」みたいな新しい言葉を作りたいならばハイフンをつけた「anti-karaage」のほうがいいですし、ハイフンがついていないと変になる可能性があります。
○ There was an antifascism(= anti-fascism) protest today.
(どちらでもOK)
○ There was an anti-karaage protest today.
△ There was an antikaraage protest today.
(新しい概念や言葉はハイフンがあったほうが良い)
また「anti-」のあとに来る言葉が大文字や数字、他の特殊文字(ハッシュタグなど)である場合は、ハイフンがついているほうがベターです。
○ There was an anti-Biden protest today.
▲ There was an antiBiden protest today.
(後ろが大文字のケースはハイフンを入れるほうが良い)
カタカナの「アンチ」の使い方
カタカナでは「あの有名人には多くのアンチがいる」「あのウェブサイトのアンチがいたずらをした」のように、アンチだけで「反対する人」といった意味で使われます。しかし、英語のantiは何かの単語の頭につく「接頭辞(prefix)」であって、この単語単独で人を指すことはできません。
They are very anti-people.
彼らはとてもアンチな人々だ。
上の例文だと「人々が嫌い」という意味になってしまいます。静かな孤独を好むような人なのかもしれません。
では「アンチな人々」は英語でどういうか? といえば内容によって言葉を選んでもいいと思います。
That law has many opponents.
あの法律は多くの反対者がいる。
法律などの場合はopponent(対抗者、敵、反対者)あたりが使えます。
あるホームページやユーチューバー、インフルエンサーなどだと「critic」あたりが使えます。criticは批評家の意味もありますが、批判する人といった意味にもなります。
That website has many critics.
あのウェブサイトは多くの批判者がいる。
That influencer has a lot of critics.
あのインフルエンサーは多くの批判者がいる。
上の例文が意味するのは、あるインフルエンサーが何を投稿したとしても、そのあらさがしをして、悪い部分に文句をつけてくるような人です。
hater(ヘイター)という言葉もありますが、ちょっと子供っぽい表現にも聞こえるので、この場合は「critic」のほうが無難かもしれません。
Nickleback has many haters.
ニッケルバックには多くのヘイターがいる。
That influencer has a lot of haters.
あのインフルエンサーには多くのヘイターがいる。