miss / missingの使い方について

ミス
 

公開日: 最終更新日:2020.09.25

基本的な単語ですが使い方、意味が異なるので取り上げてみました。1つは「恋しく思う」などの意味と、もう1つが「見逃す」などの意味になります。

これを文脈によって判断しないといけないので、難しくはありませんが、どちらを指しているのか注意が必要になります。

若い女性への呼びかけとしてのmissもあり、同じスペルですが別なので切り分けて考えてください。

~を寂しく思う

多くの場合、動詞では2パターンの使い方があり1つが「~を寂しく思う、~を恋しく思う」のI miss youの使い方です。

この意味の場合は多くは現在形で用いられます。

I miss my old phone.
古い携帯を恋しく思うよ。

She misses her school days.
彼女は学生時代を恋しく思う。

I miss Crystal Pepsi.
クリスタル・ペプシが懐かしいね。

She says she misses those old cartoons on Saturday morning TV.
彼女は土曜の朝にやっていた古いアニメが恋しいといった。

見逃す・逃す

もう1つが機会などを「見逃す、逃す、見落とす」などです。

I missed you at the party last night.
昨夜のパーティーであなたを見逃した。

He missed the train to work.
彼は仕事に向かう電車を逃してしまった。

下の電車の例文など、うがった見方をすれば「電車を恋しく思った」と解釈することは可能で、海外転勤になって自動車通勤になったけど、日本にいた頃の埼京線での通勤が恋しいなぁ、といった可能性も否定できません。

その場合、現在形にするとより現実味のある表現になります。

He misses the train to work.
彼は通勤電車を恋しく思った。

missing(行方不明)

missingには「行方不明の、見当たらない、紛失中の」などの意味があります。ニュースでは行方不明などの事件に頻繁に登場しますが、人間以外にも使うことが可能です。

My pen is missing.
私のペンが見当たらない。

My dog has been missing for a month.
私の犬は1ヶ月間、行方不明だ。

His explanation still doesn’t account for the missing money.
彼の説明は消えたお金についてまだ説明していない。

Who can account for this missing money?
誰が消えたお金の原因なのか?(説明責任を負うのか?)

go missing

missingが「行方不明の状態である」のに対してgo missingで「行方不明になる」というある時点での動作・変化を表します。

My pen went missing.
私のペンが見当たらなくなった。

My dog went missing a month ago.
私の犬は1ヶ月前に行方不明になった。

日本語の「ミスした」はありなのか?

動詞でmissといえば「恋しく思う」か「見逃す、取り逃がす」のどちらかの意味になります。

名詞で使った場合も同様に多くは「見逃したこと、取り逃がしたこと」などを指します。

野球中継などを見ているとバッターが空振りをしたときに以下のように名詞で登場します。

Announcer: “A swing and a miss!”
アナウンサー「振った!空振り!」

この場合のmissは失敗ではなく、バットがボールを取り逃がしてしまったような状態を指しています。電車を逃すのと同じ意味です。

それが打者視点で見れば「失敗」であることは間違いないのですが、失敗した!とはいっておらず、バットがボールを取り逃がしたという状態を表しているだけです。

ピッチャー視点で見ればそれは「成功」なので、やはり「スイングした! そしてバットはボールに当たらなかった」としかいっていません。

I made five mistakes on the exam.
▲ I made five misses on the exam.
テストで5問、間違えた。

この日本語の感覚での「5問、ミスがあった」のmissの使い方はまずありえないと思って間違いないと思います。

「ニアミス」という言葉がありますが、英語ではnear missだと「ほぼ当たっていない」なので言葉としての意味は接触があったことを意味しているはずです。ニアミスは英語でも論争がある表現なので以下の言葉にまとめています。

動詞でミスするを考える

また動詞で考えた場合でも「見逃す、取り逃がす」の意味にしかなりません。

I missed the last part of the question and made a mistake.
最後のパートを見逃してしまい間違えてしまった。

この場合は最後のパートの問題を「見ていなかった、見逃した」という意味になります。そして間違えたといっています。

これも日本語・カタカナの感覚の「ミスった」では使えません。

状況によっては英語の「missする」が「見逃す→失敗する」として解釈としては意味が通るケースがあります。しかし「失敗する」の意味は基本的にはないので混同しやすい要素です。

mistakeとmake a mistakeの違いについても参照してください。

miss a week

少し特殊な使い方が登場したこともあるのでご紹介しておきます。

アメリカの教会で起こった銃乱射事件を扱ったニュースに登場した表現で、この教会では銃乱射という悲劇があったにも関わらず翌週も日曜には平静を保つ意味でミサが行われました。

The Charleston church in which nine people were gunned down by a 21-year-old man held Sunday mass again without missing a week.
21歳の男性によって9人が凶弾に倒れたチャールストンの教会が、1週間たりとも休むことなく日曜ミサを開催した。

「失敗した」「見逃した」の日本語訳で考えると、意味がよくわかりません。

miss a weekで「一週間を失う」という意味で、それにwithoutがついて否定しています。毎週、日曜日に行われている日曜ミサが、こんな悲劇があったにもかかわらず、ちゃんと定期的に開かれていることをあらわす表現です。

「定期的に毎週開催されていたミサが、事件があったのに、一週間も乱されることなく開催された」というニュアンスを含んでいます。

これを考えるとよく使われる表現「without missing a beat」に通じるものがあるので掘り下げてみます。

without missing a beat

音楽のビート(リズム)を乱すことなく、ビートを失うことなく、というイディオムで日本語訳は「調子を崩さずに、少しもひるまずに」といった辞書の訳があります。これは英会話にも登場する表現です。

これの使い方についてネイティブに確認してみると、たとえば、ヤンキースの田中が9回のイニングをwithout missing a beatで投げ切りました!とかで使えません。

意味はno hesitation(ためらいがまったくない・躊躇がない)といった感じのことで、何か特殊なことがあったのに、動揺することがなかった場合などに使います。

以下の例文が成立します。

I asked him to kill someone and without missing a beat he said “yes.”
私は彼に誰かを殺して欲しいと依頼した。彼はためらうことなく「yes」と言った。

日本語に翻訳することの難しさを感じますね。ヤンキースの田中が堂々と投げたようなフィジカルなことには使えないけど、ものすごくためらいのない返事には使えます。

ニュース本文ではやはり、これだけの事件がありながら「(1週間も)ミスすることなく」日曜ミサが開かれたという力強い意味が感じとれる表現です。



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