カタカナ語で定着してしまって誤解を生みやすい言葉に「ジュース/juice)」があります。
和製英語というわけではありませんが、言葉が指すものが明確に違います。
英語圏でジュースといえば、一般的には果物から作られた100%の飲み物だけを指します。コーラやポカリスエットのような飲み物を「ジュース」とは表現しません。
英語圏の人に「オレンジジュース飲む?」といって、サントリーのなっちゃん(果汁40%)を出すと「これ、ジュースじゃないし…」と言われるかもしれません。
fruit juice(フルーツジュース)が指す100%の果汁のほかに、fruit drink(フルーツドリンク)という表現もあり、これは果汁の低い安っぽい合成のオレンジジュースみたいなものも含みます。
この記事の目次!
おおまかな分類
おおよそ以下のような表現の使い分けが可能です。
peach juice
(ほぼ100%果汁)
peach drink
(99%以下のもの)
peach soda
(炭酸とおそらく砂糖が入ったdrink)
sparkling peach juice
(100%果汁と炭酸)
厳密には各国の商品表示のルールに従う形で「98%以上でジュースの表現がOK」などの規制があるようです。
日本でも一昔前には「コーヒー牛乳」「フルーツ牛乳」といった商品がありました。雪印製品が有名でしたが、2003年法改正で生乳100%のものしか「牛乳」と表記してはならないことになり、名称が変更されています。
コーヒーに関しても日本では生豆換算のコーヒー豆の使用量で「コーヒー」「コーヒー飲料」「コーヒー入り清涼飲料」に表記が分類されます。「コーヒー入り清涼飲料」ってなんだ?って話になりますが「ミルクカフェオレ」のような牛乳感を強調した製品によく見られます。
このあたりは各国に同様の規制が設定されているようです。
その他の飲み物の表現
飲み物を表す場合に「drink」の他にもbeverage(べバレッジ)なども使えます。先に紹介したジュースも含め「飲み物」という広い意味の単語です。
drinkよりも「beverage」のほうがフォーマルでファンシー(華やか)な響きがするそうです。
①Would you like something to drink?
(何かお飲みものは?)
②Would you like a beverage?
(何かお飲みものは?)
①も②も言っている意味は同じですが、①が普通のお店などでの表現です。②はかなり丁寧、気品のある表現に感じるそうで、高級ホテルなどで出くわすかもしれません。
果汁もジュース
ガリガリ君のグレープフルーツ味が発売されたことを記事にしたことがあります。「果汁」もジュースで表現されていました。
They hope to recreate the acidic and bitter taste of grapefruit faithfully by using 55% real fruit juice.
(グループフルーツの酸っぱく苦い味を忠実に再現できるように、55%のグレープフルーツ果汁を使っている)
オレンジジュース(orange juice)をOJと呼ぶのは、確かにそういう人も世界各地にいるようです。
スティーブにも確認しましたが「個人的には言わないけど、そういう人はいる」といった感じでした。
だからといってapple juiceをAJ、grapefruit juiceをGJ(GFJ?)というかといえば、それはたぶんいないそうです。
なぜかオレンジジュースだけがOJと省略されています。昔、バイトしてた居酒屋でもオレンジジュースはOJと伝票に書いていました。
juice
ジュースは隠語、スラングで「ステロイド、筋肉増強剤」または「ステロイドを打つ」といった意味があります。
You can tell he’s been juicing.
彼がステロイドを使っているのがわかる。
The tabloid accused the wrestler of juicing for years.
そのタブロイド紙はレスラーが長年にわたってステロイドを使っていたと非難した。