shaming(シェイミング)は意図的に相手の恥ずかしい部分をあえて広めるような行為で、日本語だと「さらしあげ」に近い行為です。
いくつかの分類が可能ですが、よくあるfat-shaming(ファット・シェイミング)は太った身体を隠し撮りされて公開されることで、よく女優がターゲットになっています。
shaming(シェイミング)という言葉は知らなくとも、日本でも似たような行為はあります。ここではshamingの文化・行為について整理しています。
shameそのものについては『shame(恥・不名誉)の意味と使い方』にまとまっているのでご覧ください。
shaming(シェイミング)とは?
「恥ずかしい思いをさせる、恥」などの意味を持つ「shame」から来る言葉です。
相手の恥ずかしいような部分を公共の場にさらしあげることによって、相手をはずかしめるような行為を「shaming」と呼びます。
「online-shaming」「internet-shaming」と呼ばれる行為は、日本でいえば「ネットでのさらしあげ」「ネット死刑」に近いものです。
相手が軽犯罪をやったりコンビニの冷蔵庫に入って遊んだりするケースで、相手に落ち度があるのはわかりますが、住所・顔写真・学校名などを調べてネットに拡散するような行為を指します。
shaming(シェイミング)はそのやり方やターゲットによっていくつかに分類することは可能です。
「body-shaming(ボディ・シェイミング)」は太った身体だけではなく、整形した顔などをさらしあげてターゲットをはずかしめる行為を指します。「slut-shaming」は誰とでも性的な関係を持つような女性をターゲットにする行為です。「fat-shaming(ファット・シェイミング)」は実例として取り上げてみます。
fat-shaming(ファット・シェイミング)
「デブのさらしあげ」といった意味で、普通は太ってしまった女優などがターゲットにされ、プライベートな写真をネット上に公開されてしまう行為を指しています。
めずらしく『ワイルドスピード』などで知られる俳優のヴィン・ディーゼルが、パパラッチに自宅のベランダで上半身裸でお腹がぽっこり出た身体を「fat-shaming(ファット・シェイミング)」されていました。
男性のヴィン・ディーゼルが的にされたのはめずらしいことで、屈強な身体を売りにしていた俳優が、だらしない身体になってしまったのでネタになるからだと思います。
以下は実際のニュースからです。
The Fast and the Furious star Vin Diesel, known for his gravelly voice and chiseled physique, was caught on vacation by paparazzi with an apparent pot belly. Although fat-shaming used to be typically aimed at female actors, many attacked Diesel with comments such as “fat and the furious” and saying he had a “dad bod.” However, the 48-year-old actor hit back at critics posting a photo on Instagram showing his six-pack with the caption, “Body-shaming is always wrong!”
ガラガラ声と整った体格で知られている『ワイルドスピード(邦題)』で主演を務めたヴィン・ディーゼルが休暇中に明らかな太鼓腹をパパラッチに捉えられた。「ファットシェイミング」は通常は女優が狙いにされるものではあるが、多くの人々がディーゼルに対して「デブと怒り」や「オヤジの体だ」といったコメントで攻撃している。しかしながら、この48歳の俳優はインスタグラムへの写真の投稿で批判に対してやり返しており、シックスパック(腹筋)を見せキャプションに「ボディシェイミングは常に不適切な行為だ」と書いている。
ヴィン・ディーゼルはそういった行為は慎むべきだと語り、すぐさま鍛え直した身体をインスタグラムに投稿して反撃しました。
name and shame
name and shameとは犯罪者などの「名前を公表する」といった意味です。name and shameはもうちょっと行政的、政治的な感じのする言葉です。
The government said they would name and shame jaywalkers.
政府は違反的な歩行者の名前を公表すると語った。
コロナウイルスが猛威を振るう中で、パチンコ店に営業自粛が求められました。しかし、いくつかの店は営業を続けました。
そういった自粛しない店舗を大阪府などは実名で公表しています。公表することによって辱めたり、周囲からの圧力を与える狙いがあったのだと思います。
このような行為は「name and shame」であり、一種のshamingであるといえます。
デート・シェイミング
いろんな形の新しい「シェイミング」がこれからも出てくると思います。
例えばアメリカのテキサス州で、デートアプリで知り合った女性と映画に行ったけれど、女性がずっとスマホを触っていたことに腹を立てて裁判を起こした男性がいます。
ガーディアン誌によると相手の女性は15分間に10回から20回ぐらい、スマホからメッセージを送信していたそうです。
結局、映画を最後まで見ることもなく、彼女は退席してしまい戻ってこなかったそうです。後に連絡をして「映画代を返せ!」「あんたが誘ったんでしょ!」みたいなやり取りがありました。ここまではよくある話です。
しかし男性は「映画代の17.31ドル(1911円)を返せ!」と裁判を起こしました。
こういう変わったニュースは面白ネタとして広まりやすく、相手の名前も出る可能性があるので、実際には「デート・シェイミング」みたいな概念につながります。
35歳のこの女性は裁判を起こされていることを知らずメディアには「名前を出さないでほしい」と語り、この状況には「crazy」といっています。
ツイッターなどでもらったプレゼントなどが気に入らなかったので、ネットに「こんなの贈られた」みたいな笑いものにするケースも見られます。