boom(ブーム)とtrend(トレンド)の違い

boom(ブーム)とtrend(トレンド)の違い
 

公開日: 最終更新日:2024.01.22

流行っている、流行になっていること、流行りを表す英語には、カタカナでも定着している「boom(ブーム)」や「trend(トレンド)」を使うことももちろんできます。

それ以外にも短期的な流行には「fad」「craze」なども使われます。それぞれの言葉の持つニュアンスや、表す期間の長さに違いも見られるので、ネイティブスピーカーにヒアリングをしてみました。

けっこう人によって感覚が変わる言葉でもあるので、あくまで使い分けの目安ぐらいに考えてください。

boom(ブーム)の意味と使い方

boom(ブーム)の意味と使い方

カタカナでは定着しているboom(ブーム)は何かが人気になっていることを表しますが、日本で使われているカタカナの感覚ほど、そこまで頻繁に使われていない感じがあります。

ネイティブに意見を聞くと何かが流行っている場合には次に紹介する「craze」「trend」「fad」のほうが先に言葉選びの候補に挙がってくるそうです。

boom【búːm】

また英語のboomはビジネス、経済などの「活動」の流行のような性質に使われることが多いです。「ある物がブーム」というよりも、「ある物を消費者が買うことがブーム」のように「活動」によった表現がされる傾向があります。

boomは名詞でも動詞でも使うことができます。

例文

A large housing boom led to the economic crisis in 2008.

大規模な住宅ブームが2008年に経済危機につながった。

例文

Many people got fat during the Krispy Kreme boom a couple years ago.

数年前のクリスピークリームのブームの間、多くの人々は太った。

例文

Business is booming for online streaming services.

オンラインストリーミングサービスのビジネスがブームだ。

例文

Pokemon Go is booming all over the world.

ポケモンGOが世界中でブームだ。

例文

The Indian food business is booming.

インド料理のビジネスがブームだ。

形容詞のboomingは「活況の、盛り上がっている、成長している」といった意味です。

例文

China has become a booming market for smartphones.

中国はスマートフォンの成長著しい市場となった。

boom(ブーンと音がする)

boomには「ブーンと音がする」といった意味があります。

例文

I heard a large boom outside.

外で大きな(ブーンという)轟く音がした。

どちらかといえば、この音がするの意味のほうがよく使われるため、流行をboomで表すと少し誤解される要素はあります。

例文

The Pac-Man boom happened in the early 80s.

パックマンのブームは80年代初頭にあった。

例文

Pac-Man was booming in the early 80s.

パックマンは80年代初頭にブームだった。

上の例文なども普通は大丈夫だと思いますが「Pac-Man was booming」だけ切り取ると、パックマンがブーンと音をたてていた、といった風にも読めます。

主語がbusiness(ビジネス)などの活動ならば読み間違いはありませんが、物や機械、マシンが主語になると壊れて音をたてているようにも誤解される可能性があります。

例文

Business is booming for online streaming services.

オンラインストリーミングサービスのビジネスがブームだ。

例文

Online streaming services are booming.

オンラインストリーミングサービスがブームだ。

上の例文も「online streaming service」を主語にすると、オンラインストリーミングサービスが音をたてている感じがしないでもありません。特にネットフリックスなどは映画関係のサービスで音が鳴っているイメージもあるからなおのことだそうです。

だからといって間違いではないし、極端に変な文章ではありません。総合的に考えてカタカナほど「ブーム」が英語で頻繁には使われないといった程度です。

こういった観点からも「人気、流行り」という意味には、ネイティブスピーカーはboomよりも次に紹介する「craze」「trend」「fad」をよく使います。

my boom(マイブーム)

「my boom(マイブーム)」は和製英語で、おそらく流行らせたのは漫画家のみうらじゅんさんではないでしょうか。

世の中の動き、傾向を表すのがブームなので、英語として見た場合は個人の熱狂を指す時点でそもそも少し矛盾した感じのある表現です。

個人的にハマっているようなことは以下の表現が可能です。

例文

I’m really into trains.

私は電車にハマっている。

trend(トレンド)の意味と使い方

trend(トレンド)の意味と使い方

trend(トレンド)もカタカナで定着している言葉ですが、英語では次に紹介する「fad」や「craze」よりも長い期間で、わりとポジティブな意味での流行に使われる傾向があります。

このあたりけっこう感覚の差がある言葉ですが、何かの始まりと終わりがある盛り上がりのようなものを指しています。

trend【trénd】

例文

The trend of using SNS has made email a tool only for business.

SNSを使う流行はEメールをビジネスのためだけのツールにした。

例文

He keeps up on all the latest trends.

彼は最新の流行を追い続けている。

例文

Analysts wonder if smartphones are just a trend.

アナリストたちはスマホはただの流行ではないかと思っている。

日本語と同じで「ride the trend(流行に乗る)」が使えます。

例文

The new restaurant is riding gluten-free trend. Everything on its menu is gluten-free.

新しいレストランはグルテンフリーの流行に乗っている。メニューのすべてはグルテンフリーだ。

例文

Aki is riding the trend of wearing socks over, rather than under, one’s trousers.

アキはズボンの下ではなく、上からソックスを履く流行に乗っている。

また環境問題などでは「傾向、動向」みたいな意味でも使われます。流行っていると考えるとちょっと変です。

例文

Scientists are using recent climate trends to predict the future of global warming.

科学者たちは最近の気候の傾向を、地球温暖化の将来の予測のために使っている。

trendを動詞で使う

基本的にはtrendは動詞で使われることは少ないんですが、ネットのスラング的な位置づけで「be trending」を見かけます。

例文

George Floyd is trending on Twitter now.

ジョージ・フロイドは今、ネットでの流行だ。

ツイッターなどが流行っているキーワードなどを「be trending」で表現したりするので、その影響だと思います。

fad(一時的流行)の意味と使い方

fad(一時的流行)

「一時的流行、~熱、流行のもの」といった意味です。わりと短期間の熱狂に使われ、場合によっては少し話す側のネガティブなニュアンスが感じられる言葉になります。

つまり話す側が流行っていることを「くだらない」「ばかばかしい」と冷ややかに思っているニュアンスがあります。

fad【fæd】

例文

The Crocs fad peaked around 2007.

クロックスの流行りのピークは2007年頃だった。

例文

The loose socks fad ended a long time ago.

ルーズソックスの流行はずいぶん前に終わった。

例文

Is the tamagocchi fad still going?

たまごっちのブームはまだ続いている?

例文

There have been many fad diets in Japan.

日本では多くのダイエットブームがある。

fad dietは一時的なダイエットブームのような感じで「〇〇ダイエット」がいっぱい出ては消えていくことです。

もちろん、fad / trendは話す人の感じ方の問題であって、文章としては両方を使うことができます。

例文

The Crocs trend peaked around 2007.

クロックスのトレンドは2007年頃だった。

例文

The fad of using SNS has made email a tool only for business.

SNSの流行はEメールをビジネスのためだけのツールにした。

craze(流行、はやり、熱狂)

craze(流行・はやり・熱狂)

これもカタカナのブームに近いニュアンスの言葉です。日本語だと「熱狂」「〇〇熱」みたいな感じも近いです。

短期間での熱狂的な流行、すぐに沈静化されてしまうような感覚を伴います。ただ、その「短期間」が一体どれぐらいを指すのかといえば、特に定義がありません。

そんなに長く続くとはだれも思っていないと思いますが「fad」と比べるとポジティブな感じがします。

craze【kréiz】

例文

The tamagotchi craze lasted a few years.

たまごっちブームは数年続いた。

例文

I never got into the Pokemon Go craze.

私は絶対にポケモンGOブームには乗らなかった。

例文

The frozen yogurt craze has caught on in Tokyo.

フローズンヨーグルトの流行が東京で人気だ。

これも言葉の雰囲気の違いなので、以下のように言い換えても成立します。

例文

The loose socks craze ended a long time ago.

ルーズソックの熱狂はずいぶん前に終わった。

例文

Is the tamagochi craze still going?

たまごっちの熱狂はまだ続いている?

病気の流行などについては以下の記事にまとめています。hotにも熱いといった意味で流行を表すこともできます。

boom / trend / craze / fadの違い

基本的には同じような言葉なので、置き換えても成立はします。しかし少しニュアンスや指している内容が変わります。

例文

◎ There was a rugby craze in 2019.

There was a rugby fad in 2019.

There was a rugby boom in 2019.

There was a rugby trend in 2019.

2019年にラグビーの流行があった。

この場合には人々が熱狂した流行があったという意味では「craze」がベストな言葉選びだといえます。

「fad」は新しいもの、新しいスタイルの登場に使われる傾向もあります。ラグビーはそもそも伝統的に存在しているスポーツであって、ラグビーの流行の中に新規性はありません。そういうのにfadはあまり使わないといった意見でした。

trendでも別にいいんですが、この文章の場合は「rugby trend」といった名詞が連続する組み合わせがちょっと違和感あるといった話です。

「boom」はビジネス活動のような感覚もあるので、ビジネスの文脈でラグビーのブームを語るならばいいと思います。

例文

After the rugby boom of 2015, there was a small drop in ticket sales.

2015年のラグビーブームの後で、チケット売り上げの小さな減少があった。



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