バスケットボールやエクセルなどでも聞かれる「pivot(ピボット)」は、軸を中心にして回転するようなことを表します。物理的な回転だけではなく、比喩的にも使うことができます。
実際にいろんな意味があるので順番にご紹介します。形容詞はpivotalで「極めて重要な」といったターニングポイントのような意味で用いられることが多いです。
pivotの動詞での使い方
まずはturnのような意味で、動詞で、ある軸を中心に「(くるりと)向きを変える、方向を変える」を表します。
turnのほうが意味が広くさまざまなturnの中に、pivotというやり方があると考えてもいいと思います。
He pivoted in his chair.
彼は椅子で向きを変えた。
座っている状態で椅子ごとくるりと回るような状況です。
They pivoted the cannon towards the enemy ship.
彼らは大砲の向きを敵の船のほうへと変えた。
体やモノの向きを変えるといった使い方以外にも、もっと幅広く意見や計画、話題、考え方などの方向性を変えるという意味でも使えます。
She pivoted to a different style of music to get more fans.
彼女はファンをもっと増やすために音楽のスタイルを違う方向へと変えた。
The company pivoted selling to a more profitable product.
会社はより利益を生む製品へと販売方針を変えた。
Donald Trump suddenly pivoted on COVID-19 stimulus checks.
ドナルド・トランプは突然、コロナの特別支援を行う方針へと転換した。
stimulus checkとは安倍政権が行った1人10万円の特別定額給付金のようなもので、落ち込んだ消費を刺激するもの、活発化させるようなお金のことです。
〜に依存する、〜次第である
depend onと同じで「〜に依存する、〜次第である、〜にかかっている」といった意味でも使えます。こちらも動詞です。
The entire election pivoted on this debate.
選挙全体がこの議論にかかっていた。
His success will pivot on meeting the deadline.
彼の成功は締め切りに間に合うかにかかっているだろう。
回転軸、旋回軸、中心(点)、要点
名詞では何かが回転するための中心の軸のことで「回転軸、旋回軸」などを意味します。
The bicycle frame has a pivot so you can fold it up.
自転車のフレームには回転軸があるので折りたためる。
もっとも重要な物事のことで、名詞で「中心(点)、要点、かなめ」といった意味もあります。
A good harvest is the pivot of the area’s economy.
豊作がこの地域の経済のかなめです。
カタカナのピボット
近年、ビジネスの現場で「方向転換」や「路線変更」を表す用語としてカタカナの「ピボット」が使われるようになっています。カタカナでは名詞のような使われ方をしていますが、英語ではあまり名詞では使いません。
使えないこともないようですが、名詞として使う場合は少し文脈が必要になるだろうという意見です。
Donald Trump suddenly pivoted on COVID-19 stimulus checks. It was the latest in a series of pivots near the end of his presidency.
ドナルド・トランプは突然、コロナの特別支援を行う方針へと転換した。これは彼の大統領職の終わり近くでの一連の方針転換における最新のものだった。
pivotal(形容詞)
pivotalは将来を決定する重要な局面などを指して「極めて重要な」といった意味で使われます。
The star player was injured just before a pivotal playoff game.
スター選手は極めて重要なプレーオフの試合の前に怪我をした。
Exercise plays a pivotal role in your health.
あなたの健康において、エクササイズは極めて重要な役割だ。