departureは出発・出国の意味でよく空港の看板で見かける言葉です。departureが指し示す方向に行けば飛行機に乗れると思います。まれに旅行以外での離れることにも使われます。
また「逸れること、逸脱」といった使い方もあり、従来のもの、普通のものとは違ったものに対して用いることもできます。けっこう日本語にしにくい言葉です。
ここでは名詞のdepartureについて使い方をまとめています。動詞のdepart(離れる)については『departの意味と使い方、leaveとの違い』をご覧ください。
departureの意味と使い方
名詞の「departure(ディパーチャー)」は「出発、立ち去ること、発車」を意味する言葉です。空港の看板でもよく見かけますが、飛行機に乗るための場所です。発音は以下の音声ファイルを聞いてください。
departure【dipɑ́ːrtʃər】
The plane’s departure was delayed by a storm.
飛行機の出発が嵐で遅れた。
He had to pay a departure tax.
彼は出国税を払わないといけなかった。
I need to hurry! My departure is at 10 o’clock.
急がなきゃ! 出発は10時だ。
Our plane’s departure was delayed because of snow.
私たちの飛行機の出発が雪のために遅れていた。
departureはほとんどが旅行の場面で使われる言葉ですが、ときどき旅行以外の場面でも使われます。
The company had trouble after their CEO’s departure.
その会社はCEOの辞任後にトラブルが起こった。
on departure
このonは「at the time of(〜のときに)」を表すので「出発時に」を意味します。
He was arrested for smuggling on departure to China.
彼は中国に発つときに密輸をして逮捕された。
このようなonはdeparture以外の言葉でも使うことができます。
On her arrival, she was greeted by the mayor.
到着時に、彼女は市長に出迎えられた。
On my signal, jump!
合図したら、飛んで!
逸れること、逸脱
普通と考えられる何かからの変化を指し「逸れること、逸脱、外れること」の意味もあります。
Her latest album is a departure from her country music sound.
彼女の最新のアルバムは彼女のカントリーミュージックの音楽からは逸脱している。
They will not allow any departure from the rules.
彼らはそのルールからのいかなる逸脱も許さないだろう。
The directors latest movie was a departure from her previous horror films.
その監督の最新作は、以前のホラー映画からの展開だった。
この場合の日本語訳をどうするのか問題はありますが、従来のものから離れていたという意味での「展開、発展、逸脱」だといえます。それが良いとも悪いとも言っていないので「展開」ぐらいでしょうか。
映画おくりびと(Departures)
世界でも評価の高かった映画『おくりびと』の英語タイトルはDeparturesです。
物語のストーリーもチェロ奏者であった本木雅弘演じる主人公が、田舎に帰り「旅のお手伝い」という求人の文言を旅行関係と勘違いして、納棺師になってしまうところから始まります。
英語では死に対して「departure」を使うのは通常はありません。使うとすれば非常に詩的な表現だといえます。
「おくりびと(Departures)のアメリカでの反応」でも指摘されていますが、チェロ奏者から納棺師への「departure(発展、展開)」もかかっているならば、確かに秀逸な訳だといえます。