get toは英語のネイティブスピーカーがよく使う表現ですが、いくつかの意味に分類することが可能かもしれません。このページで4つぐらいの意味にわけてみました。
特に理解しにくいのが「(機会があって)~できる(can)」の意味と、「人をいらつかせる(annoy)」の意味です。ほかには「はじめる」や「到着する」の意味もあります。
ここでは4つの使い方をそれぞれネイティブスピーカーに作ってもらった例文にまとめてご紹介しています。
get to 動詞:機会がある、できる
いくつかある「get to」の使い方の中で、なかなか理解しづらいけれども、ネイティブがよく使うのが「can」に近い意味です。
何かをする「opportunity(機会)」があることであり「(機会があって)~できる」「~する機会がある」「(許されて)~できる」のようなニュアンスをともないます。
特に口語、カジュアル、スラングといったわけでもありませんが、かといってフォーマルでもない、普通の日常的な表現です。
I will go to France this year.
今年、私はフランスに行くだろう。
I (will) get to go to France this year.
今年、フランスに行くことができるだろう/ 行く機会があるだろう。
get toを使って表現することで、上の例文ならば「フランスに行く機会があるんだ」のような前向きな表現になって、フランスに行くことを喜んでいるようなニュアンスが出ます。日本語での「~する機会があったんだ」といわれたときの感覚に近い部分もあります。
My mom said I get to use her car tonight.
母親は今夜、彼女の車を使っていいといった。
You get to come with me to Las Vegas!
私と一緒にラスベガスに行けるよ!
I get to go to the concert tonight.
今夜、コンサートに行ける / 行く機会がある。
I got to know him during high school.
高校時代に彼と知り合いになった。
「get to know」は知り合いになるという意味です。「機会を与えられて~できるんだ」「~する機会がある」という感じが出る言葉です。
しかし、すべてが前向きでポジティブになるかといえば違い、以下の例文だと本当に「can」の意味ぐらいしかありません。
I have a lot of money but all I get to spend is 1,000 yen a day.
私は大金を持っているけれど、1日で使える全額は1000円だ。
否定文でのget toの使い方
否定文でも使えます。日本語で考えるなら「機会がなかった」「できなかった」ぐらいの意味です。
I didn’t see Jayne last week.
先週、ジェインに会わなかった。
I didn’t get to see Jayne last week.
先週、ジェインに会えなかった。
上段は「会わなかった」と事実を報告しているだけですが、get toを使うと「会う機会がなかった」「会えなかった」と少し残念に思う、会いたかったニュアンスが少し出ています。
以下の例文も参考にしてください。「できない」「機会がない」の意味です。
He won’t get to watch the championship game this year.
彼は今年のチャンピオンシップの試合は見れないだろう。
I didn’t get to see my favorite band when they came to Osaka.
お気にいりのバンドが大阪に来た時に見れなかった。
get to 場所:たどり着く、到着する
get toの後に場所や場所に類するものがくると、単純にそこにたどり着く、到着するという意味になります。言い換えるとarriveあたりです。
When we got to school it started to rain.
学校についたとき、雨が降り始めた。
I can’t get to the end of the book tonight.
今夜に本の最後にはたどり着けない(読み終わらない)
When I got to work, I was hungry.
職場に着いたとき、私は空腹だった。
最後の例文はworkを職場と考えるか、作業と考えるか微妙なところですが、そこにたどり着くといった意味です。
get to 物事:はじめる
beginに近い意味でget to 物事(名詞)で何かを始めるといった意味にもなります。
I couldn’t get to my housework until 5:00.
5時まで家事をはじめられなかった。
Enough waiting. Let’s get to it.
十分に待ったので、はじめましょう。
I didn’t get to working until 11:00.
11時まで仕事を始めなかった。
先に紹介した「get to know(知り合いになる)」にも通じる部分ですが、カナダ人のスティーブは「get to 物事」に段階的なものを感じる、じょじょに何かを始めていくような感覚があるそうです。
しかし辞書には「begin」としか書いていないので、それがカナダ人のスティーブが感じる特有のものなのかは不明です。調査しておきます。
get to 人:いらつかせる
けっこう理解しにくいのが「get to 人」でannoy(いらつかせる)の意味になることです。
これはおそらく自分の中に入ってくる、心や頭に侵入してくるイメージから「いらつかせる」になっているのだと予想されます。
This heat is getting to me.
この暑さにイラつく。
この意味は否定文でよく見かけ「Don’t let 〇〇 get to you」の形になります。意味は「〇〇なんて気にするな」です。イライラしている友人などにかける言葉です。
Don’t let the heat get to you.
この暑さなんて気にするなよ。
Don’t let him get to you.
やつのことなんて気にするなよ。
無理やり直訳で理屈を考えるなら「暑さをお前の中にたどり着かせるな」「彼の存在をお前の中にとどめておいてはダメだ」みたいな感じで、心の中に入ってこさせるな、つまり気にしたらダメだ、忘れろよといったニュアンスになります。