「転売する」を英語でいうには「scalp(スカルプ)」という単語があり、自分で使う目的ではなく最初から高値で売り飛ばすような行為を指して使われます。チケットの場合は「ticket scalping」と呼ばれます。
resellと似ていますがresellはいろんな意味での「再び売る」なので、それを普段から商売にしているのか、たまたま余ったから売ったのか言葉だけでははっきりしません。
「転売屋」についてもscalperやresellerがありますが、これも言葉のニュアンスが異なります。それぞれの使い方を例文にまとめています。
resellの意味と使い方
「転売する」の訳語を考えた場合に「resell」は感覚的にわかりやすいです。re(再び)sell(売る)の組み合わせです。
言葉としては「再び売る」だけであり、最初から自分での利用を考えず高値で売り付けることを念頭に置いていたのか、単に買ったけれど必要ないので売ったのか、商売としてやっているのかは不明です。
何かを再び売る人を全般的にさせる広い意味ですが、やや曖昧になりがちな言葉です。
Japan had a big problem with people reselling tickets last year.
昨年、日本ではチケットを転売する人々の大きな問題があった。
He resells used books through Amazon.
彼はAmazonを通して中古の本を転売している。
He earns a lot of money by reselling real estate.
彼は不動産の転売によって多くのお金を稼いでいる。
現在形で書くと習慣的なことを指すので、転売をビジネスにしているかのような印象を与えます。
He resells Nintendo Switches.
彼は任天堂スイッチを転売している。
この例文は現在形でresellを使っているので習慣的な行動を指し、Nintendo Switchesと複数形になっているので複数台を売っていることになります。
辞書には「再販売する」の意味でも掲載がありますが、意味合いとして「1回買ったものを再び売る」なので最初の「1回買った」がないと成立しません。
マクドナルドがかつて人気商品だったものを復活させる、復刻させる、再び販売を開始するの意味にはなりません。
McDonald’s will resell the Chicken Tatsuta.
(この使い方はおかしい)
resale(名詞:転売)
転売の名詞は「resale」です。以下の例文のように使ってください。
The resale value of that car is $2,000.
あの車の転売価格は2000ドルだ。
The government wants to limit the resale market for guns.
政府は銃の転売市場について制限をかけたい。
Currently, online ticket resales are legal, although selling tickets outside the venue is prohibited by local ordinance.
現在、オンラインでのチケット転売は合法だ。条例によって会場の外でチケットを売る行為は禁止されているものの。
saleやsold、sellなど違いがややこしい単語なので以下の記事にまとめています。
scalpの意味と使い方
scalp(スカルプ)といえば男性用シャンプーのスカルプDなどの名称に使われているように「頭皮」の意味があります。
「頭皮、頭皮をはぐ、皮をはぐ」としても使われますが、英語では「転売する」の意味でも使われます。この場合の「転売」とは明らかに値上がりするようなものを利益のために買う行為を指します。
動詞がscalpで「転売する」で、名詞がscalpingで「転売・転売行為」です。
He was arrested for scalping concert tickets.
彼はコンサートのチケットを転売して逮捕された。
She had some extra train tickets so the decided to scalp them online.
彼女は余分な電車のチケットがあったので、ネットで転売することに決めた。
A lower house panel has approved a bill outlawing ticket scalping for sporting events and concerts ahead of the 2020 Olympics.
参議院本会議は、2020年のオリンピックに先立って、スポーツイベントやコンサートのチケット転売を違法とする法案を可決した。
はっきりした関係や起源・由来は不明ですが、敵や動物の頭皮を、敵を倒した証拠として見せる習慣があったそうです。このことが証拠の頭皮を2回使うようなこと(証拠の使いまわし)に関係しているといった説があります。
scalpには「皮をはぐ」といった使い方も存在しています。むしろこの使い方が本来の意味です。
Native Americans are often depicted scalping enemies, but many cultures did it as well.
ネイティブアメリカンはしばしば敵の頭皮をはぐと描かれるが、多くの文化もまた同じことをやる。
これがよく使われるようになったのは電車のチケットができてからだとされています。
例えば東京-京都を移動したいとして、あえて東京-大阪間のチケットを買います。東京から京都についた段階で、この部分的に使ったチケットを、京都-大阪間を移動したい人に売ることによって差額をちょっと儲けるみたいな方法があったそうです。
これはアメリカで鉄道ができた当時の話で、今では仕組みとしては無理だと思います。
こういった習慣や文化が関係して「転売する」の意味になっているようですが、はっきりしたところはわかりません。
頭皮
もちろん名詞で「頭皮」の意味もあります。この前、美容室でヘッドスパやってもらいましたが気持ちよかったですよ。
This shampoo is good for people with dry scalps.
このシャンプーは頭皮が乾燥している人々にいい。
She likes to get her scalp massages.
彼女は彼女の頭皮マッサージを受けるのが好きだ。
転売する人、転売屋(転売ヤー)を英語でどういうか?
転売する人、転売屋はscalperとも呼ばれます。チケットならダフ屋です。resellerも転売屋にあたりますが意味が広いです。
resellとscalpの違いがそのまま当てはまりますが、resellerはあらゆる範囲の「再販売する人」を指します。
resellerはボロボロの自動車や古い物件などを購入して修理や拡張など付加価値をつけて売る人も含まれてきます。これらは普通のビジネスとして存在しているわりとまっとうな仕事です。
scalperは明確に需要と供給のバランスから値上がりを狙って、買ったものを何もせずプレミア価格・上乗せ価格で売り飛ばすような人を指します。いわゆるダフ屋、転売屋や転売ヤーと呼ばれる人です。
scalpingが即座に違法になるわけではありませんが、最近は政府が規制をかけている行為です。
I bought tickets from a scalper.
私はチケットを転売屋(ダフ屋)から買った。
Auction websites are a good way for resellers to make money.
オークションサイトは転売する人がお金を作るのには良い手段だ。