advice / advise / advisory / advisableの意味の違い

advice
 

公開日: 最終更新日:2023.09.13

基本的にはカタカナと使い方に大きな違いはなくadviceが名詞で「助言・アドバイス」になります。

動詞で「助言する、アドバイスをする」となる単語はadviseであり、スペルと発音が少し違っている点が間違えやすいかもしれません。発音は音声ファイルを確認してください。

他にもadvisory(助言的な)やadvisable(望ましい)といった派生語があります。一部で少し使い方がややこしいので1つ1つ整理しています。

名詞:advice

advice(名詞)

名詞ではカタカナでも使われる「アドバイス」であり日本語にするなら「助言・忠告」ぐらいです。発音は【ədváis】です。

例文

The doctor said he couldn’t give me advice because he wasn’t on duty.

医者は当直ではないので私にアドバイスを与えることはできないと言った。

例文

Can I ask you for some clothing advice?

服装についてのアドバイスをもらえる?

少しカタカナと違う感覚での使い方になるのは以下のような「アドバイスに満ちている」といったものです。

例文

He is full of advice.

彼はアドバイスでいっぱいだ。

例文

My father was always full of good advice.

父親はいつも良い助言であふれていた。

この意味するところは人々に良いアドバイスをする人だといった意味です。あまりカタカナでは使われない名詞での使い方です。

複数形か単数形か?

adviceは基本的には不可算名詞の扱いになるので単数形で用いるケースがほとんどです。

複数の助言であることを伝えるには「pieces of」や「some」を使ったりします。特に個数を指定しない場合でもsomeなどを使う、もしくは何もつけなくても問題ありません。

例文

My college professor was always giving me pieces of advice.

= My college professor was always giving me advice.

同僚の教授はいつもアドバイスをくれていた。

逆に1個だけのアドバイスであることを強調して伝えるには「a piece of advice」の形があります。

例文

Let me give you a piece of advice: Don’t forget an umbrella.

1つだけ忠告をさせて「傘は忘れるな」

動詞:advise

advise

動詞がadviseで「助言をする、アドバイスをする」です。スペルが名詞と少し変わっているので注意が必要です。発音も少し異なりアドバイズと濁るのが特徴です。

名詞:advice【ədváis】
動詞:advise【ədváiz】

例文

The shopkeeper advised me to buy the jacket tomorrow because there is going to be a sale.

店員は明日にジャケットを買うように助言してくれた。なぜならセール品になる予定だからだ。

例文

She advised you to apply to as many schools as you can.

彼女はあなたにできる限り多くの学校に申請するように助言した。

例文

Students are advised to bring 2 pencils to class each day.

生徒は毎日、クラスに2本の鉛筆を持ってくるように助言されている。

例文

Parents are advised to watch their children closely while swimming.

親たちはスイミングの間、子供たちを注意深く見るように忠告されている。

動詞のadviseと名詞を使ったgive adviceは基本的には同じ意味だと思って間違いありません。

スティーブにも確認してみましたが感覚的には「give advice」は「アドバイスをする」という1回きりの動作に、adviseは継続的にアドバイスすることに使われる感じがするといっていました。

しかし、それでも「基本的には同じ意味と考えて問題ない」との見解です。

advise against

adviseにagainstがつくと「しないように忠告する」となり、否定文のような意味になります。notが入っていないため意味を取り違えそうになります。

例文

His lawyer advised against talking about the divorce.

彼の弁護士は離婚について話さないように助言した。

例文

My parents advised against going to that university.

両親はあの大学に行かないようにアドバイスした。

これはnotを使っても同じ表現は可能です。日本人としてはnotを使ってくれたほうがわかりやすいですね。

例文

My parents advised me not to go to that university.

両親はあの大学に行かないようにアドバイスした。

adviseの否定文について

否定文になった以下の2つの例文を読み比べてみます。以下は豚骨ラーメンのスープを飲むかどうかを健康の専門家が発言している状況です。

例文

①She advises not to drink all the broth.

彼女は汁を全部飲むなと助言した。

①の場合は明確に「全部は飲むな」といっています。強制力はないので禁止とはいいませんが、やらないように言っています。

例文

②She doesn’t advise drinking all the broth.

彼女は汁を全部飲むようには助言していない。

②の場合は「飲むな」とも「飲んでもいいよ」ともいっていません。

日本語で考えても同じですが、わざわざ「そうは助言しない」「そのアドバイスはしないよ!」といっていることは、暗におすすめしていないことになります。

また②のほうがよりソフトな表現です。全部飲むなとはいわないけど、やんわり否定している感じがします。

名詞・形容詞:advisory

advisory

advisoryは形容詞では「忠告の、助言的な、助言の」などの意味でアドバイスと同じ語源で、特に政府・団体などの公式なものに使われます。

例文

She has an advisory role on the committee.

彼女は委員会で助言的な役割をしている。

例文

The city issued an advisory evacuation warning after the earthquake.

街は地震の後に避難勧告を出した。

advisory(助言的な)evacuation warning(避難の注意・警告)とは、あくまで「助言的な」であって、特に強制や義務が発生するものではありません。

日本語では「勧告:一定の事項について、相手方に一定の措置をとることをすすめる、または促す行為」にあたります。

上段の例文だと彼女は助言をするだけで、彼女自身が決定するわけではないことが読み取れます。

名詞:advisory

名詞では同じ形で「勧告、忠告、注意書、報告」などの意味です。発音は【ədváizəri】です。同じ名詞のadviceとの違いは、advisoryは明確に注意や警告に近いものである点です。

例文

There is a storm advisory for Lincoln county.

リンカーン地方に嵐の注意が出ている。

例文

There is a travel advisory against going to Britain.

= There is a travel advisory warning for Britain.

イギリスへの渡航に注意勧告が出ている。

洋楽のCDのジャケットなどにはよく「parental advisory(親への勧告)」の黒いラベルが貼られているのを見ることができます。

parental advisory

アメリカで用いられている未成年に相応しくない歌詞・表現(暴力・性・麻薬)などが含まれている場合にはられます。

advisory / warning / cautionの違い

名詞にするとどれも同じ意味でかぶっているように見えますが、advisoryは助言的なもの、助言としての注意です。

warningそのものは警告・注意という意味で、よく「advisory warning」として「注意勧告」の意味でセットで見かけます。強制ではない、命令ではないけれど、注意を促しています。

cautionもwarningと同じく「警告・注意」で日常会話ではあまり区別されていません。

日常会話では区別はないものの、このcautionもwarning(あるいはadvisoryも含め)を区別しているケースはありました。

例えば各国の天気予報などで、日本でも「注意報」と「警報」が区別されているように、海外のお天気サイトでは区別されていました。

嵐の警告でcautionは物などが壊れるぐらいのときに、warningは人体に被害が出るようなものに、となっていますがこの定義を知っている人のほうが少ないです。

基本的にはcautionもwarningも同じ意味であるという理解で問題ないと思います。

advisable(望ましい)

advisableは「望ましい、賢明な」の意味で、類義語にpreferableがあります。

日本語にしてしまうと、どちらも「望ましい」といった意味になってしまいますが、英語では意味する部分が少し異なります。

preferableは単に一般的に「望ましい」ですが、advisableはアドバイスを受ける人にとって「望ましい」ことです。

advisableの翻訳がややこしいようならば「そうしたほうがいい」と考えても問題ないと思います。

例文

It’s advisable to arrive early.

早く到着するのは(あなたにとって)望ましい。

「早く到着するのが望ましい、そうしたほうがいい」とアドバイスを受けている人に良いことがある、の意味です。

これは良い・悪いの提案でもあり、このアドバイスを実行しなかった場合には、何か悪いこと、物事が難しくなることを示唆しています。

例文

It’s preferable that you arrive early.

早く到着するのは(一般的に)望ましい。

preferableはアドバイスをする人、アドバイスを受ける人、どちらにも使えます。こちらはbetterの意味であり、仮に早く到着しなくても「悪い」とはいっていません。

advisableとpreferableの違い

advisableとpreferableの違いをもう少し掘り下げてみます。

求人の広告などでは明確に違いがでます。会社が掲載する募集要項を想像してください。

例文

A TOEIC score of over 800 is preferable.

TOEIC800点以上が(会社にとって)望ましい、好まれる。

この場合には750点でも700点でも、別に悪いとはいっていません。betterなので、800点以上あると良いといっています。

例文

A TOEIC score of over 800 is advisable.

(募集要項でこれは変です)

上の表現はアドバイスみたいなものなので、募集している企業が募集要項に書く内容ではありません。しかし、文脈を成立させれば使えます。

例文

If you are looking for work in an international company, having a TOEIC score of over 800 is advisable.

もし国際的な企業での職を探しているのならば、TOEICのスコアが800点以上あると望ましいね(そうしたほうがいいね)。

上の文章はアドバイスであり、アドバイスを受ける人にとって「望ましい」です。

この場合は「preferable」でも書けますが、少しニュアンスが変わります。

例文

If you are looking for work in an international company, having a TOEIC score of over 800 is preferable.

もし国際的な企業での職を探しているのならば、TOEICのスコアが800点以上あると(一般的に)望ましいね

世の中の一般的な事実として、望ましいとだけいっています。



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