動詞のprovokeは辞書には「~を引き起こす、招く、誘発する、~を怒らせる、~をじらす、挑発する」とあります。
元はpro(前へ)+ voke(呼び出す)で、意味としては「人に対して何かの反応を起こさせる(ことをする)」です。
以前に「刺激する」の意味での類義語のstimulateやsparkとの比較を書きましたが使い方をあらためて整理してみたのでご覧ください。
あわせて『「刺激する」のstimulate, provoke, spark』もご覧ください。
provokeの使い方
発音は【prəvóuk】です。
良い悪いの種類を問わず、人に対して何かの反応を起こさせることです。
良い意味での刺激と悪い意味での刺激の両方に使えてしまうので、その反応の種類によって日本語訳も変わってきます。
I saw a scary looking dog, I walked the other way because I didn’t want to provoke it.
見た目が恐ろしい犬がいて、他の道を歩いた。なぜなら刺激したくなかったからだ。
このような動物を刺激するといった意味ならばわかりやすいですが、以下のような政治系の文章だと判断がつきません。
Trump’s speeches provoke people.
トランプのスピーチは人々を刺激する。
トランプ大統領のスピーチは人によって興奮する、あるいは怒らせるなどいろんな意味で刺激します。
thought-provoking
thought-provokingもよく登場する形で「いろいろ考えさせられるような、示唆に富む、啓蒙的な」などの意味になります。
thought(考えること、思考)が刺激されるようなものと考えることができます。
The article I read yesterday was very thought provoking.
昨日読んだ記事はとても考えさせられるものだった。
記事がとても考えさせられるような内容だったので「示唆に富む」といった意味になります。
That was a thought-provoking article about gun violence.
あれは銃の暴力に対する示唆に富んだ記事だった。
We had a thought-provoking meeting today.
今日、いろいろ考えさせられる会議があった。
provocativeの意味と使い方
形容詞になるとprovocative「(人)を刺激する」となります。
辞書には「挑発的な」となっていますが、どのような意味合いで刺激するのかは、文脈、状況、対象によります。これも必ずしも悪い意味ではありません。
Donald Trump is very provocative.
ドナルド・トランプはとても人を刺激する。
この例文は「トランプは人を怒らせる(挑発的)」または「人にさまざまなことを考えさせる」や「人を熱狂させる」などの意味が考えられます。
Nocchi is very provocative.
のっちはとても人を刺激する。
この場合、のっちは若い女性なので「性的な意味で刺激する」といった意味合いも、トランプの例文に加えて入ってきます。
Nocchi is dressed very provocatively.
のっちはとても刺激的な服を着ている。
服について焦点があたっているので、おそらくは「セクシー、性的な意味で刺激する」のニュアンスが濃くなっています。
Horiemon was dressed provocatively on TV.
ホリエモンはテレビで挑発的な服を着ていた。
少し前にホリエモンがNHKでヒットラーのパロディTシャツを着て物議をかもしました。
この場合、ホリエモンがセクシーな格好をしていたと読むことは可能ですが、挑発的な、煽るようなでの「刺激的、挑発的な」のニュアンスです。
He wrote a very provocative article on the problem of global warming.
彼は地球温暖化の問題について、とても刺激的な記事を書いた。
この例文の場合は考えさせられるような、知的な刺激、示唆に富んだ内容だったと判断できます。
このように「人に対して何かの刺激を与える」ですが、その刺激の種類が広範囲におよぶので、何を意味するのかは文脈に依存する度合いが強いです。