義務を意味するobligationとdutyの違い

obligation
 

公開日: 最終更新日:2019.12.9

obligationとdutyはどちらも「義務」を意味する言葉です。何かをする義務がある、義務を果たすなどの表現を英語でいうにはいろんなパターンがあるのでご紹介します。

契約上の「義務」なのか、親としての「義務」など社会的なものなのかで少し表現が変わってきます。詳しくは例文を多く用意しているので使い方の参考にしてください。

obligationとdutyの違い

obligation「義務、責任、拘束」のような意味で、英語ではdutyやpromiseに近い言葉です。発音は【ɑ̀bligéiʃən】です。

obligation【ɑ̀bligéiʃən】

違いについていえばdutyとobligationを置き換え可能なケースもあります。

例文

It is my obligation to go to work every day.

=It is my duty to go to work every day.

毎日仕事に行くのは私の義務だ。

こういった義務の意味では置き換えても大丈夫ですが、dutyのほうが意味が広いので置き換えられないケースもあるといった程度です。

dutyには「task(タスク)」に近い意味で日々の作業、職務といった使い方があるので、その場合は置き換えると変になります。

例文

My duties include answering the phone and making coffee.

私の仕事には電話に出たり、コーヒーを作ったりすることが含まれている。

例文

▲My obligations include answering the phone and making coffee.

(間違いとは言い切れないけど奇妙な文章)

その他の意味で使う場合には置き換えられないケースがあるものの、義務というコアの意味ではdutyとも近い意味でほぼ同じです。

dutyについては新しく記事に掘り下げてまとめました。現在、お読みのこのページは主に「obligation」の使い方をまとめています。

promiseにも近い意味があるので以下の記事もあわせてご覧ください。

obligationの意味と使い方

場合によってが「義理」のような意味にもなり、ゴディバが義理チョコの廃止を訴えかけるニュースでは「義理チョコ」は「obligation chocolate」と訳されていました。やらないといけないチョコレートです。

ニュースより

The Belgian chocolate maker Godiva has said enough is enough with Japan’s practice of women giving male coworkers giri-choco or “obligation chocolate.”

ベルギーのチョコレート製造会社ゴディバが日本で女性が男性に贈る義理チョコの習慣はもうたくさんだと訴えている。

obligationは義務の意味がありますが「義務を果たす」場合にはfulfill / meetが使われます。

例文

By cleaning the entire house I have fulfilled my obligation to you.

家全体を掃除することで、私はあなたへの義務を果たした。

例文

He failed to meet his obligations in the contract.

彼は契約の義務を果たすのに失敗してしまった。

この「fulfill」や「meet」は義務だけではなく、条件や基準を満たす場合にも使える表現です。

「義務がある」を英語で言うには?

「義務がある」を英語でいう場合には以下の表現の違いがあるのでご紹介します。使い方は例文を参考にしてください。

以下、少し表現・ニュアンスに違いが出ます。

have an obligation to

haveで表現すると、良心や精神的な、感情的な義務感、約束があることを示します。

基本的には誰から命令されたわけではない良心的なものからくる義務感に使われますが、例文のように仕事上の約束事のレベルでも使うことができます。

例文

We have an obligation to our children to stop climate change.

私たちは子供たちのために、気候変動を止める義務がある。

例文

I have an obligation to the company for five more years.

私はこの会社に5年以上、いる義務がある。

明確に法的な義務がある場合には下のunderを使った表現が一般的です。

be under obligation to

underになると契約上の義務があるといった意味になります。

例文

I’m under obligation to use this phone for two years before changing my contract.

契約を変更する前に、私はこの電話を2年使わないといけない義務がある。

例文

She’s under obligation to sell 100 units a month.

彼女は月に100ユニットを売らないといけない責任がある。

obligateの意味

obligateは動詞で「義務を負わせる、義務付ける」の意味がありますが、通常はobligatedの形で形容詞として「義務を負った」となるケースが大半です。

例文

I am obligated to do my work.

私は働く義務を負っている。

例文

He is obligated to protect the city.

彼はその街を守る義務がある。

例文

I’m obligated to tell you about the additional fees.

私はあなたに追加費用について伝える義務がある。

例文

Doctors are obligated to treat anyone who needs help.

医者は助けを求める人ならだれでも治療しなければいけない義務がある。

辞書にはobligateで「形容詞:義務を負った」と掲載がありますが、このobligateの形で義務を負ったとするのはスティーブに言わせると見たことがないそうで、義務を負ったとするならば「obligated」を使うのが自然な英語になります。

obligateを形容詞で使うと生物学の「偏性の、偏性」といった特殊な意味が存在するのは事実ですが、義務を負ったを表す場合には文法上の正誤の検証は別として、誤解なきように「obligated」を使うのが無難だといえます。

また、あまり人間が人間に義務を負わすといった純粋な形での動詞の使い方を見かけません。使うとすれば以下のように純粋な動詞で使います。

例文

The law obligates me to tell you about the additional fees.

その法律が私にあなたに追加費用について伝える義務を負わしている。

非常に英語っぽい言い回しになってしまいますが、このような形でなら見かけることもあるかもしれません。



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