hit / strike / knockの違い

hit-strike
 

公開日: 最終更新日:2022.04.8

hit(ヒット)とstrike(ストライク)の違いについてはネイティブスピーカーに意見を聞いた結論を書くとシンプルな動詞として使うには「あまり差が感じられない」です。

しかし、何かが当たる、叩くといった動詞以外で使った場合には、それぞれ固有の意味があるため置き換えができないケースがあります。

knock(ノック)との差については明確にあります。以下、詳しくヒアリングを行いながらまとめてみました。

hitとstrikeの違い

hitとstrikeの違いをネイティブスピーカーに意見を聞いてみると、動詞としてシンプルな何かを叩く動作やモノが命中する動作・事象に対して使う分には明確な違いが感じられないといった意見です。

この意味では日常会話の範囲でならば差はない、どっちを使っても一緒だと思っても問題ないと思います。

以下の例文はhitとstrikeを置き換えても意味も変わりません。

She was angry and struck(=hit) the table with her hand.
彼女は怒って、テーブルを手で叩いた。

The ball struck(=hit) him in the head.
ボールが彼の頭に当たった。

The missile hit(=struck) a factory.
ミサイルが工場に当たった。

Tornadoes often hit(=struck) Florida.
トルネードはしばしばフロリダを直撃した。

これらのよく使われる意味でシンプルな動作を表す分には感覚的にhitとstrikeに差がありません。どちらでも同じ意味です。

ネット上には「勢いの差、強弱の差」や「狙っているかどうか」などさまざまな意見がありますが、それらも含めて確認しましたがニュアンス、感覚としても特に違いが感じられないそうです。

しかし、熟語、慣用句、ことわざ、コアの意味を外れた部分では2つの単語には当然のように違いがあります。

hitとstrikeの違いがあるケース

特に名詞で使うと明らかに違いが見られます。

There was a military strike on the terrorist camp.
テロリストのキャンプに軍事攻撃があった。

× There was a military hit on the terrorist camp.

The workers are on strike.
労働者はストライキ中だ。

× The workers are on hit.

上の場合は名詞で使っていますが、明らかに置き換えできないケースです。

またことわざ・格言の「鉄は熱いうちに打て」もstrikeを使います。

Strike while the iron is hot.
鉄は熱いうちに打て。

▲ Hit while the iron is hot.

hitを使っても文章の意味は通ります。しかし、ことわざなので決まり文句になっていて常識的にhitではいいません。

違和感があるケース

掘り下げてみると以下のようなケースでは少し違和感が生まれそうです。日常英会話では気にしなくてもいいネイティブの感覚のレベルです。

まず第1の動作としてコインをカップに投げます。

I threw a coin at the cup.
カップに向かってコインを投げた。

これが命中したかどうかの文章では以下のようになります。

The coin hit the cup.
The coin struck the cup.
コインはカップに当たった。

このようにコインを主語にした場合は違和感はありません。

しかし、「I(私)」を主語にすると違和感がわずかに生まれます。

I hit the cup.
△ I struck the cup.

hitには「~に撃ち当てる、~に命中させる」といった意味があるので問題ありません。

しかし、strikeでも間違いではありませんが「私」が「カップ」と接触したわけではありません。この場合にはstrikeだと間違いとはいえないものの「少し違和感がある」といった程度には自然さに欠けます。

野球の話

また野球用語では当然のようにストライクとヒットで意味が変わります。

Ichiro got three hits in the game.
イチローは試合で3本のヒットを打った。

Tanaka got three strikes in the game.
田中は試合で3つのストライクをとった。

田中の例文は三振(strike out)のことではなく「ボールまたはストライク」のストライクを指しています。ストライクゾーンに投げるか空振りを奪うかの話です。

以下の例文は間違いではありません。

Ichiro got three strikes in the game.
イチローは試合で3つのストライクを得た。

ストライクゾーンにボールが来て見逃したり、空振りをしてストライク判定を3つとられたという意味では解釈可能です。しかし、それはバッターの指標としてはあまり意味がありません。

当たり前ですがボウリングの話になったりすると別の意味になります。

knockとhitの違い

ノックアウトやドアのノックなどに見られるknockの本質的なイメージは「何かを(叩いて・触って)動かすこと」です。物体が動くことを伴います。

逆にhitは「当てる」「叩く」のような意味であり、当たった物体がおそらく動いていません。

He knocked the coffee mug over with a baseball.
彼はコーヒーカップに野球のボールを当てた。
(カップの位置はおそらく動いている)

She hit the coffee mug with a paper clip.
彼女はコーヒーカップにペーパークリップを当てた。
(おそらくコーヒーカップの位置はそのまま)

She knocked him on his back.
彼女は殴って彼を仰向けに倒した。
(彼の体勢は変わっている)

She hit him on his back.
彼女は彼の背中を叩いた。
(彼の体勢はそのまま)

knock on

knock onはどちらかといえば特別な使い方で、ドアのノックのことです。

ドアのノック(knock)は物体は動いていませんが、knock onは「音を生み出す」という動作を意味する表現になります。

「knock on 〇〇」のような形で「〇〇を叩いて音を出す」の意味になります。

She knocked on the door.
彼女はドアをノックした。
(音を生み出している)

She hit the door.
彼女はドアを叩いた。

hitでも叩けば音はすると思いますが、別に音を生み出すための動作ではありません。hit the doorは怒って叩いているか、身体ごとぶつかったと解釈されます。

一方でonを使わずに何を叩いたか示さないケースでも「音をたてる」の意味で使えます。この単純な「音を生み出す」の意味のknockはドアのノックにもいえます。

Don’t forget to knock before you enter the room.
部屋に入る前にはノックするのを忘れるな。

これは「ドアを叩くのを忘れるな」という意味でなく、正確には「ドアを叩いて音を生み出すのを忘れるな」を意味しています。

My engine is knocking.
エンジンがノック音をたてている。

これはエンジンがトトトトトとノックするような音をたてていることを意味します。

ドラムの場合

ドラムの場合はhitを使います。

He hit the drum.
彼はドラムをたたいた。

hitだと音楽をするためにドラムをたたいていることになります。結果としておそらくリズミカルなビートが刻まれています。

She knocked on the drum.
彼女はドラムをたたいた。

こちらの場合はノイズとしての音を生み出していることを意味して、他人の注意をひくなどの目的のために叩いているだけになります。

knock-on

knock-onで「連鎖的な」といった意味で、knock-on effectは「波及効果、ドミノ効果、連鎖反応」です。その効果が悪いのか良いのかは不明です。

例文

The rise in the stock market had a knock-on effect on food prices.

株価の上昇は、食べ物の価格に波及効果があった。

例文

The new law will have knock-on effects with low-income families.

新しい法律は低所得の世帯に影響があるだろう。

ラグビーにノックオンという用語がありますが、そこからではなく語源は物理学にあるそうです。



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