トラフィックといえば「交通や交通量」を意味する言葉で、ラジオの交通渋滞の情報などさまざまな場所ですでにカタカナとして浸透しています。
その一方で英語では「違法取引する、密売する」の意味でもよく使われる単語です。ニュースでは事件関係で密売などを取り上げていますが、その際には頻出の単語です。
特に問題になっているのは「human trafficking(人身売買・トラフィッキング)」で、これは日本も問題があると指摘されているのでご紹介しておきます。
traffic(名詞)の意味と使い方
名詞で「traffic(トラフィック)」といえば、カタカナでもおなじみの「交通」や「交通量」を指します。自動車などの交通量だけでなく、データなどの転送量なども含みます。
Traffic is heavy this morning on Highway 20.
今朝の高速20号の交通量は多い。
I got stuck in traffic on my way to work.
職場に行く道で、渋滞につかまった。
She was held up in traffic.
彼女は渋滞につかまった。
His website gets a lot of traffic recently.
彼のウェブサイトは最近、多くのアクセスを集めている。
I want to move my store to a place in the mall with more traffic.
自分のお店をモールの中のより人通りが多い場所に移転したい。
trafficの動詞での意味と使い方
動詞で使うと「不正取引をする、違法売買をする、密売する」といった意味になります。
辞書には違法ではなく、単純に「売買する」の意味でも掲載がありますが、少なくともスティーブは今までその意味で使われているのを見たことも聞いたこともないといっています。
Human trafficking is a major problem in the world.
人身売買は世界の大きな問題だ。
He was arrested for trafficking drugs.
彼は麻薬の密売で逮捕された。
He is suspected of trafficking weapons to terrorists.
彼はテロリストに武器を売った容疑にかけられている。
基本的には「違法売買」すると思って使ったほうが無難だと思います。
普通の売り買いはsell, buy, tradeなど一般的な言葉があるので、あえてtrafficを使う理由がありません。
human trafficking(人身売買)
世界にはまだまだ「人身売買(trafficking)」と呼ばれるものが横行しています。児童買春や臓器売買などの目的のために、小さな子どが売られている現状が報告されています。
毎年、アメリカ国務省は人身売買に関する報告書を発表しておりネットでも読むことができます。
アメリカは各国の人身売買への取り組みを4段階で評価しており、日本はずっと「Tier2:基準は満たさないが努力中」と判断されています。
ほとんどのヨーロッパ諸国、先進国と呼ばれる国々、韓国、台湾は「Tier1:基準を満たす」と判定されています。
この点に関してアメリカが日本の状況をどのように判定しているのか見解を読むことができます。
Country Narratives: J-M (PDF)
抜粋しますがJKビジネスや援助交際についても書かれています。
The phenomenon of enjo kosai, alsoknown as “compensated dating” and variants of the “JK business”(JK stands for joshi-kosei or high school girl) continue to facilitate the prostitution of Japanese children.
援助交際と呼ばれる現象や、特殊なJKビジネスと呼ばれるものが、子ども達の売春を助長している。
論点はいくつかありますが、JKビジネスなどが児童買春や人身売買のカテゴリーに分類される事象である点や、日本のアニメで水着のキャラクターや性的にきわどいものは児童性愛(ペドフィリア/paedophilia)と同一視されかねない危うさがあります。
このあたりの感覚として、外国人と日本人でけっこうな開きがあるのではないでしょうか。悪いことだとはわかっていますが、諸外国のほうが児童買春などにかなり厳しい、深刻な視線で物事を見ています。
(外国人)技能実習制度
最近、いろいろなところで「現代の奴隷制度」とまで批判されている厚生労働省が管理する制度が「外国人技能実習制度(The Technical Intern Training Program (TITP) 」です。
本来は「途上国に技術を移転する」という建前ですが、実際はベトナム、中国などを中心に、劣悪な環境で安い労働力として働かされている現状が報告されています。
いわば外国人版ブラック企業、闇のおもてなしともいえる問題が、国の制度として存在してしまっている現状があります。