tearという単語そのものは、過去形がtore、過去分詞がtornと不規則変化する以外は特に難しくはなく「引き裂く、破く」といった意味の言葉です。
しかし「tear up」「tear apart」「tear off」「tear into」「be tore」などの組み合わせによって意味がかなり変化して、しかもそれぞれの意味が想像しにくいように感じる点に難しさがあります。
1つ1つ意味を取り上げて例文を作ってみました。「涙」を意味するtearとは同じスペルですが、発音が少し異なります。音声ファイルで聞き比べてください。
この記事の目次!
tearの発音の違いと過去形・過去分詞
tear(原形)はtore(過去形)- torn(過去分詞)と不規則変化する動詞です。
「破く」を意味するtearと「涙」を意味するtearは発音が少し違うのでご注意ください。音声ファイルで発音を聞き比べてください。
tear【tέər】破く
tore【tɔːr】過去形 – torn【tɔ́ːrn】過去分詞
tear【tíər】涙
破くほうがテア、涙がティアといった感じでしょうか。
ただし「涙」の意味のtearにも動詞で「涙が出る」といった意味があり、この場合の過去形はtearedとなる点には注意が必要です。この使い方は最後に取り上げています。
破く・裂く
tear – tore(過去形)- torn(過去分詞)
涙を出す
tear – teared(過去形)- teared(過去分詞)
「破る、裂く」の意味でのtearの過去形にtearedを使ってしまうのはネイティブスピーカーにもよくある言い間違いだそうです。
破く、引き裂く
布や紙を「破く、引き裂く」ことを意味します。筋肉などにも使えます。
She bumped into a hook and it tore her shirt.
彼女はフックにぶつかって、シャツが破れた。
He tore a ligament playing soccer.
彼はサッカーをしていて靭帯を断裂した。
His pen accidentally tore through the paper.
彼のペンが誤って紙を破った。
また以下のように引き裂くものの力がとても強い場合にも使えます。
The explosion tore through a steel wall.
その爆発は鋼壁を引き裂いた。
爆発があまりにも強くて、鋼壁がまるで紙や布であるかのように引き裂かれたといった意味です。
裂け目、破れ目
そのままtearで名詞としても使え「裂け目、破れ目」となります。
There was a large tear in the paper door.
障子には大きな裂け目があった。
tear up / tear apart
tear upもしくはtear apartはバラバラに、粉々に破くことです。
I wrote my girlfriend an apology but she tore it up.
私はガールフレンドに謝罪の言葉を書いたが彼女はそれをビリビリに破いた。
The manager tore up the contract.
マネージャーはその契約書をビリビリに引き裂いた。
A lion tore apart my car.
ライオンが私の車をズタズタにした。
またtear apartは家族や友人をバラバラにしてしまうことで「引き裂く」といった意味にもなります。
Many immigrants were torn apart from their families when they crossed the border.
たくさんの移民が国境を越えたときに家族から引き裂かれた。
A new job tore him and his girlfriend apart.
新しい仕事が彼と彼の彼女をバラバラにしてしまった。
breakにもこのような使い方があり、upやapartがつくと離れ離れになる、細かくわかれるようなイメージがあります。
tear off
何らかの力で「引きはがす、引きちぎる」を意味します。これもoffの離れるイメージからです。どれも感覚的でどこまでやったらtear offといった明確なラインも特にありません。
She tore the poster off her wall.
彼女は壁のポスターを引きはがした。
It hurt when I tore the Band-Aid off.
バンドエイドをはがしたとき、痛かった。
tear through / along / across
すごいスピードで何も気にかけることなく動くことで「駆け抜ける」を表します。
The sports car tore along the highway.
そのスポーツカーは幹線道路を駆け抜けた。
The kids were tearing through the house all day.
子どもたちは1日中、家を駆け回っていた。
tear into
強引に食べることです。
I can’t wait to tear into that steak.
あのステーキにかぶりつきたくてたまらない。
誰かを攻撃的に叱ることも表せます。
His boss tore into him when he came in late for the eighth day in a row.
彼が連続8日間も遅刻したときに、彼のボスは彼を激しく非難した。
tear down
もう必要とされないといった理由で撤去するために何かを破壊することで「解体する、取り壊す」を意味します。
They tore down the pachinko parlor across the street.
彼らはその通りの向こうのパチンコ屋を取り壊した。
The building was too old to repair, so the owners want to tear it down and build a new one.
その建物は修理するにはあまりにも古かったので、所有者は解体して新しい建物を建てたいと思っている。
▲ The terrorists’ bomb tore down two buildings.
○ The terrorists’ bomb destroyed two buildings.
テロリストの爆弾が2棟の建物を壊した。
上の場合は、その建物はおそらく必要とされているのでtear downを使うと変です。
be torn
be tornで何らかの決定について不確かだという意味になります。
I’m torn over whether to buy the white shirt or the red shirt.
白いシャツもしくは赤いシャツを買うかどうか決めかねている。
The refugee was torn between her love of her country and her need to protect her family.
その難民は祖国への愛と家族を守る必要性の間で決断できずにいた。
wear and tear
名詞で「摩損、傷み」という意味です。普段、物を使用していく中で起こる損傷のことを指して「wear and tear」と言われます。
wearは「服を着る」以外にも「摩耗、擦り切れ」の意味があります。
She waxed the table to reduce wear and tear.
彼女はテーブルの摩耗を減らすためにワックスをかけた。
The value of the car has decreased due to wear and tear.
摩損によってその車の価値は下がった。
涙
「涙」の意味もあります。泣いたときに目から流れ出てくる水分です。冒頭で触れたように発音が異なります。
A tear ran down her cheek.
涙が頬を伝った。
He began to tear up when he heard the story.
彼はその話を聞いたときに泣き出しそうになった。
tear upでまさに泣こうとすること、泣きそうになることを指します。この場合の過去形はteared upになる点は注意が必要です。
泣くことについては動詞に「shed」も使われたりします。