tap(タップ)は最近ではスマホの画面を押すような動作を指すことが多いです。軽く叩くといった意味で、タップダンスのような言葉にもみられる動作です。
もう1つは「蛇口」の意味があります。水道水が出てくる部分です。また「取り出す、抽出する」といった意味にもなります。
これらの元のイメージになっているシロップなどの抽出方法があるので、知っておくと言葉がイメージしやすくなります。ここではtapの使い方をまとめました。
この記事の目次!
tap(タップ)のイメージ
tapという単語を理解する前に知っておくとわかりやすいのが、上の写真のような仕組みです。メープルシロップなどを採る際に使われるもので、木に刺しこむとシロップが流れ込んでくるようになります。
このイメージがこれから紹介するtapの「蛇口」や「取り出す」といった意味になっています。
それとどこまで関係があるのか不明な部分もありますが、このような器具を打ち込むときはコツコツと叩くので、このあたりの意味がまじりあって現代のtapになっているのではないかといった意見です。
軽く叩く、コツコツ叩く
まず軽く叩くことです。動詞でも名詞でも使えます。スマホ操作のタップであり、タップダンスのタップです。ギターにも「タッピング」と呼ばれる弦を叩くような奏法があります。
She tapped me on the shoulder and said “Excuse me.”
彼女は私の肩を軽く叩いて「すみません」と言った。
When your order is complete, tap “Purchase” on the touchscreen.
オーダーが完了したら、タッチスクリーンの「購入」を軽く押してください。
I heard a tap on my window and saw a bird there.
窓をコツコツと叩く音が聞こえて、そこに鳥が見えた。
取り出す、抽出する、絞り取る
動詞では何かや誰かから、何かを「取り出す、抽出する、絞り取る」といった意味もあります。これはシロップのイメージがないと理解しにくいです。
このイメージは後に紹介する「盗聴する」みたいなイメージにもつながっています。
The children learned how to tap maple trees to get syrup.
子供たちはシロップを手に入れるためにカエデの木から抽出する方法を学んだ。
The reporter tried to tap him for information.
その記者は情報を彼から聞き出そうとした。
tap into
tap intoは価値のある資源にアクセスすることで「取り出す、活用する、利用する、入り込む、参入する」などを意味します。
President Biden announced he would tap into the oil reserves.
バイデン大統領は石油備蓄を利用することを発表した。
The company was hoping to tap into the senior citizen market.
その会社はシニア層の市場に参入することを望んでいる。
tapとtap intoの違い
この2つは置き換えて使うことができ明確な違いはなさそうだという意見ですが、辞書で調べたところ、tap intoはその行為がちょっと難しいかもしれないといったニュアンスを含むと書かれていました。
またtapには「軽く叩く」という意味があるため、以下のようにどちらの意味で使われているかわかりにくい場合があります。一方でtap intoは「取り出す、活用する」といった使い方しかないので意味がはっきりします。
I tapped my piggy bank.
(貯金箱を軽く叩いたのか? そこからお金を取り出したのか?)
I tapped into my piggy bank./p>
(貯金箱からお金を取り出した)
蛇口
名詞で「蛇口」の意味もあります。tap waterで「水道水」の意味で、public waterと同じです。これももとはシロップを抽出する器具からだと思います。
tapは器具としての「蛇口」の意味もありますが、その仕組みとなっている水道というシステムを踏まえているケースがあり、特に公共用水について話すときに使われます。
I drink water from the tap.
私は蛇口からの水(水道水)を飲む。
Many American cities put fluoride in the tap water.
多くのアメリカの都市は水道水の中にフッ素を入れる。
faucetとtapの違い
faucetもパイプから出てくる液体をコントロールする器具のことで「蛇口」です。発音は【fɔ́ːsit】なのでフォーシットゥくらいでしょうか。
I drink water from the faucet.
私は蛇口からの水を飲む。
She bought new faucets for her bathroom sink.
彼女はバスルームの洗面台のための新しい蛇口を買った。
基本的には同じですが厳密にはfaucetという全体の器具の中に、tapというパーツがあるのだと考えることができますが、あまりこの差は関係ありません。専門分野では区別されているかもしれません。
イメージとしてはfaucetは器具としての蛇口、tapは水道水の出口としての蛇口のような感じがあります。
I drink water from the tap.
(水道水をコップに入れて飲むイメージ)
I drink water from the faucet.
(運動部のように蛇口から水を飲むイメージ)
これらはイメージの差なので人によって違うとは思います。しかし、tapは水道水やその仕組みが感じられる言葉だといえます。
on tap
居酒屋やバーにある生ビールを注ぐものも「タップ」です。on tapでタップになっているものを指します。
What do you have on tap?
何のビールを飲みますか?
生ビールと思ってもいいと思いますが、樽に入ったようなビール(瓶ビールではないもの)のことです。そこからすぐに出せるようなものに対して比喩的に「on tap」が使われるケースもあるそうです。
盗聴器をつける、盗聴
誰かが会話を漏れ聞くことができるように、電話線に秘密で機器を取り付けることで「盗聴器をつける、盗聴」も意味します。動詞でも名詞でも使えます。
これも水道水のパイプにタップを刺し込んで水をもらうような行為から派生しているそうです。
A rival gang had tapped the mafia leader’s phone.
敵対するギャングがマフィアのボスの電話に盗聴器をしかけていた。
The FBI ordered a tap on the senator’s telephone.
FBIはその上院議員の電話の盗聴を命じた。