takeは元々は何かを取るような漠然としたイメージの言葉で、さまざまな言葉と組み合わさって、多様な意味を作り出しています。
ネイティブスピーカーの会話では、このような句動詞(Phrasal Verbs)と呼ばれるものが多く登場して、簡単な言葉に聞こえるけど、いまいち意味がつかめないものが多いです。
今回、取り上げるのは「take to」の形で、大きく2,3の意味に分かれます。
(手段・方法を)とる
漠然としていますがtakeが「とる」の意味なので、場所だったら「向かった、行った」になり、モノだったら「使った」になります。
「攻撃や避難のために何かの場所に行く/ものを使う」などの意味です。
When the enemy attacked we took to the hills.
敵が攻撃したとき、私たちは丘へ向かった。
The tornado survivors took to neighboring towns for shelter.
トルネードの生存者たちは避難のために近隣の町を使った。
When the celebrity made a controversial comment, many bloggers took to their computers.
その有名人が物議をかもすコメントをしたとき、多くのブロガーがコンピューターを使った。
日本語訳にする必要がないならば、ふわっとした感じの「take」のイメージで理解しても問題ないとは思います。
好きになる
他にも「~を好きになる」といった意味もあります。これもけっこう登場します。take to you / him / her など人物を指す言葉がきたり、物事などがきます。
「趣味などに凝る、没頭する」といった訳があてられることもあるので、この何かを好きになるイメージの延長にある言葉です。
My daughter has really taken to you.
うちの娘は本当にあなたのことを好きになっているよ。
She has taken to her new school already.
彼女はすでに新しい学校を好きになっているよ。
技術などがうまくなる
好きになるの延長にあると考えてもいいかもしれませんが、何かに没頭して、技術がうまくなることなどを意味するケースがあります。
He took to piano very quickly.
彼はピアノがすぐにうまくなった。
I’ve never taken to sports.
スポーツがまったくうまくならない。
ニュースからの実例
実際のニュースで「手段をとる」といった意味で登場しました。
NASAのマーキュリー計画に貢献した3人を描いた映画『Hidden Figures』の日本語版タイトルが『ドリーム~私たちのアポロ計画~』に改題されたことを取り上げたニュースです。
映画の改題はたまにありますが、今回はいらだったファンが、監督に直接訴える手段をとりました。
This is often to the bemusement of moviegoers, but this time they have taken to Twitter and contacted director Theodore Melfi directly.
これがしばしば映画好きを困惑させる。しかし今回はツイッターを使い、監督のセオドア・メルフィに直接連絡している。