「second only to」は直訳すると「~にのみ次いで2番目だ」といった意味になり、ひとつだけ負ける存在があるけれども、2位であるといった感じの表現になります。逆にいえば1つを除いて、ほかすべてに勝っているので、ポジティブに2位をとらえている表現です。実際に使い方を例文にまとめました。
「second to none」も同じ理屈で考えることができ「誰に対しても2番目にはならない」であり、言い換えると「一番だ、最高だ」といった最上級と同じ意味になります。それぞれネイティブに使い方を聞いたうえで例文にまとめました。関連の『second, thirdと最上級で「2番目に○○」「3番目に○○」の言い方』もあわせてご覧ください。
second only toの使い方
second only toは「~にのみ次いで第2位・2番目で」といった意味です。単に2位だというだけでなく、たった1つだけ負けるものがあるけれども、その他には全部勝っているような状況に使います。
onlyを使うことで自分より上位のものが1つしか存在していないことを表します。
2位に対して「1位には負けている敗者」と考えるか、「1つを除いてほかのすべてに勝っている勝者」と考えるのかの差ですが、second only toは2位をわりとポジティブにとらえている後者の感覚があります。
以下はオリンピックのメダル獲得数を元にしていますが1位は水泳のマイケル・フェルプスで「38個」です。2位は旧ソ連の女子体操選手のラリサ・ラチニナで「18個」です。
Larisa Latynina is second only to Michael Phelps in terms of Olympic medals.
オリンピックのメダル数において、ラリサ・ラチニナは、マイケル・フェルプスにのみ次いで2位だ。
上の例文の場合は「マイケル・フェルプスにだけは劣るものの、ラリサ・ラチニナもメダルの獲得数が多い」というポジティブなニュアンスが含まれます。
また別の例文を取り上げます。日本で一番高い山は富士山ですが、2番目は北岳です。
Mt. Kitadake’s height is second only to Mt. Fuji’s in Japan.
北岳の高さは日本では富士山にのみ次いで2番目だ。
これも「富士山にだけは負けているけれども、北岳も日本で2番目に高い山なんですよ」といったニュアンスです。
世界の人口でいえば1位中国、2位インドです。これも同じことがいえ、インドの人口の多さを表している側面が強いです。
India’s population is second only to that of China.
インドの人口は中国にのみ次いで2位だ。
数値で表せるような客観的な事実を述べるケースで使われる傾向がある表現ですが、以下のように感覚に基づいたような普通の日常会話でも使えないこともありません。
That restaurant’s steak is second only to my mother’s.
あのレストランのステーキが、うちの母親のやつにのみ次いで2位だ。
In the family, he is second only to his sister in height.
家族では、身長では彼は姉にのみ次いで2番目だ。
second to
onlyを使わない「second to」だと、いちおう「~に次いで」といった意味にはできます。
India’s population is second to that of China.
インドの人口は中国に次いで2位だ。
この場合は単にこの2カ国を比べると中国のほうが人口が多いという意味です。
「second only to」が「たった1つだけ負けるものがあるけれども、その他には全部勝っている」といったポジティブな表現であるのに対して、「second to」は単に「~に次いで」といった普通の比較の表現になります。
例えば日本の山の高さを例に出すと1位富士山、2位北岳、3位穂高岳となります。
Mt. Kitadake’s height is second only to Mt. Fuji’s in Japan.
北岳の高さは日本では富士山にのみ次いで2番目だ。
上は先ほどと同じ例文で「富士山にだけは負けるけれど、北岳も高い山だよ」といったニュアンスです。
△ Mt. Hotaka’s height is second to Mt. Kitadake’s.
穂高岳の高さは北岳に次いで2番目だ。
(この言い方もいちおう可能です)
言及している「穂高岳と北岳の2つの中では穂高岳は2位」だとはいえます(富士山を入れると3位)。上のような言い方は理屈では可能なんですが、わざわざこの言い方をするかといえば疑問です。
「富士山を除外したランキングならば」といった特殊な条件でならばあるかもしれない文章です。
もっと普通の言い方でも表現できます。
Mt. Kitadake is higher than Mt. Hotaka.
北岳は穂高岳よりも高い。
Mt. Hotaka is the third tallest in Japan.
穂高岳は日本で3番目に高い。
second toとsecond only toの違い
以下のように表現を比べることができます。例文で比較してみます。
△ Japan’s population is second to that of Russia.
日本の人口はロシアに次いで2番目だ。
「ロシア」と「日本」のみを比べると日本はsecond(2位)とはいえるので意味は通ります。しかし、すでに述べたように実際にこの表現をあえてする必要があるかといえば疑問です。
× Japan’s population is second only to that of Russia.
(これは事実から考えて誤りです)
日本より人口が多い国はロシアだけではなく、ほかにも世界にはあるから「second only to」とするのは誤りです。
ただし「second only to」の文章は、例えば以下のように条件を指定したり、はっきりした文脈があれば可能になったりもします。
Of all the countries in this trade agreement, Japan’s population is second only to that of Russia.
この貿易協定のすべての国のなかで、日本の人口はロシアに次いで2位だ。
second to noneの意味と使い方
英語独特の発想ですが、noneは「誰もない、何もいない」といった意味です。ゼロだといっています。
したがって「second to none」は「自分の前には誰もいない、誰に対しても2番目にはならない」であり、つまり1位(the best)だといった表現です。
Mt. Fuji’s height is second to none.
富士山の高さは1番だ。
When it comes to cooking she is second to none.
料理という点では、彼女は誰にも劣らない。
Michael Phelps is second to none for Olympic medals.
オリンピックメダルではマイケル・フェルプスは誰にも負けない。
That restaurant’s steak is second to none.
あのレストランのステーキは誰にも負けない。
His writing on the topic of Japan is second to none.
彼の日本の話題についての文章は、誰にも負けない。
これらは普通に最上級を使って書き直しても同じような内容を作れます。
Mt. Fuji is the highest.
富士山は最も高い。
Her cooking is the best.
彼女の料理は最高だ。
Michael Phelps has the most Olympic medals.
マイケル・フェルプスは最も多くのオリンピックのメダルを持っている。
結局のところ、なぜこの表現をするのかといえば「他者との比較による強調のため」といった理由になるそうです。
例えば以下は比較級と最上級ですが言っている内容は同じです。
Mt. Fuji is the highest.
Mt. Fuji is higher than all.
(言っていることは同じです)
日本語も同じで「彼は最高だ」と「彼は誰にも負けない」は同じことを言っています。しかし、他と比べて勝っている意味での最高を表すならば「second to none」がぴったりです。
スティーブは単純な最上級よりも「second to none」や「比較級を使って最上級の概念を表す」ほうがより強調されている感じがするといっています。このあたり人によって差があるかもしれません。