英語のscratch(スクラッチ)は何かを掻くような動作を表します。名詞ではひっかくことであり、擦り傷などに対しても用いられます。
しかし、取り消し線を入れるような行為から意味が派生しており、ゼロからといった使われ方や十分であるといった想像しにくい使い方も存在しています。
scratchの主要な使い方を例文にまとめていますので参考にしてください。
scratch(動詞)
カタカナでもおなじみのスクラッチは「ひっかく」ことです。また蚊に刺されてかゆかったりして、掻くような行為にも使えます。発音は動詞・名詞ともに【skrǽtʃ】です。
scratch【skrǽtʃ】
He scratched my car with his key.
彼は鍵で私の車をひっかいた。
She scratched her nose with a pen.
彼女はペンで鼻をかいた。
Dogs scratch behind their ears with their feet.
犬が足で耳の後ろをかく。
Don’t scratch your arm when it’s itchy.
かゆい時に、腕をかくのはやめなさい。
scratch one’s head
日本でもちょっと漫画的な表現ですが、困ったときにやる「(困惑して)頭を掻く」という動作です。
The mystery has left scientists scratching their heads.
その謎は科学者たちの頭を掻かせている。
I’m scratching my head over why he broke up with his girlfriend.
彼が彼女と別れたことに、私は困惑して頭を掻いている。
一種の慣用句であって、実際に頭を掻いたかどうかが問題ではなく、本当に掻いてなくても使えます。
キャンセルする
何かをキャンセル、取り消しする時には横線を入れたりしますが、このような行為から「キャンセルする」の意味があります。
They scratched plans for an event next month.
彼らは来月のイベントの計画をキャンセルした。
このような斜線を入れる行為などからさまざまな意味に派生しています。
scratch(名詞)
名詞のスクラッチは「引っかくこと」で、ひっかき傷などにも使うことができます。
My glasses have a lot of scratches on them.
私の眼鏡は多くの傷がある。
I have a scratch on my arm from my cat.
腕に猫にやられたひっかき傷がある。
またDJの技術でキュキュっとレコードをひっかくような技もスクラッチです。
He is considered the best DJ when it comes to scratching./p>
彼はスクラッチの点においては最高のDJと見られている。
こういった基本的な意味のほかに、以下のように形状や動作から少し変わった意味で使われることがあります。
十分に良い
good enoughみたいな意味になります。
He wanted to join the wrestling team but he wasn’t up to scratch.
彼はレスリングチームに入りたかったが、彼は(実力が)十分ではなかった。
Inspectors checked the factory to make sure the machines were all up to scratch.
検査官は機械がすべて十分であるか確認するために工場をチェックした。
from scratch
これが from beginningやzeroといった意味で使われています。
I build a robot from scratch.
ロボットをゼロから作る。
She knows how to bake a cake from scratch.
彼女は最初からのケーキの焼き方を知っている。
It is tough to make a cake from scratch.
ケーキを最初から作るのは難しいことだ。
語源はいくつかあるようですが地面にスタートラインを棒などで書いて「ここが開始ラインだよ」とはじめるイメージから来ているようです。
またscratch がゼロ(0)を意味するケースは在庫のチェックなどでも見られます。
iPhone 3台
iPad 5台
iPod —
Mac-book air 2台
このように横線を引いて「0」ですよと表現するのもスクラッチで、ここから「ゼロからつくり出す」の意味になっていると解釈することも可能です。
chicken scratch
chicken scratchとは悪筆、字が下手なことです。
The teacher told Billy to rewrite the report because she couldn’t read his chicken scratch.
先生はビリーにレポートを書き直すように言った。なぜなら彼の悪筆が読めなかったからだ。