木の根っこの意味ですが、これにちなんだ表現が英語にもいくつかあります。
日本語でも「根付く」「根に持つ」「根気」など多様な表現があり、これに近い感じで象徴的に使われているのは英語も共通です。
英語のrootもカタカナで「ルーツを探る」など普通に使われているので親しみのある表現です。
have roots in
have roots inで「端を発する、ルーツに持つ」といった意味です。
①Hip hop has its roots in New York.
②Hip hop has roots in New York.
「ヒップホップはニューヨークをルーツとしている」の意味ですが少しニュアンスが異なります。
①は完全にニューヨークのみにルーツを持つと断言できる表現です。
②はニューヨークにルーツを持つけど、他の都市もあるかもしれないと、思わせる表現になります。ニューヨークとシカゴで生まれたみたいな含みのある表現です。
①も②もほぼ意味は同じです。下のように言い換えも可能です。
③The roots of hip hop can be traced back to New York.
意味は同じでtrace backで「たどる、遡る」です。
take root
take rootは「根付く、定着する」といった意味になります。
④McDonald’s has taken root all over the world.
(マクドナルドは世界中に根付いている)
⑤Christianity began to take root in Japan in the 16th century.
(16世紀にキリスト教が日本で根付き始めた)
ニュアンスとして双方にからみあってがっちりした感じになるそうです。
⑤はキリスト教が日本にやってきた、日本側も受け入れる心や態度があった、双方の思惑が重なって根のように絡み合いガッチリした定着になったような感じです。
put down roots
こちらは「根をおろす」といった意味で、定住するなどの意味が近いです。
⑥I was born in Canada, but I have put down roots in Osaka.
(私はカナダで生まれたけれど、大阪に定住している/根をはっている)
⑦She loves traveling so much she may never put down roots anywhere.
(彼女は旅行が大好きなので、彼女はどこかに定住することはないかもしれない)
先に紹介したtake rootは双方の思惑が合致した感じです。
この⑥の場合だと大阪がこの人を別に受け入れたいと思ったわけではなく、こういうのは一方的な話なので「put down roots」があいます。
rooted to the spot
恐怖や驚きで「釘付けになる、動かなくなる」の意味です。
おそらく驚きで根がはえたように動けなくなってしまうからでしょう。
The audience was rooted to the spot when the magician began to fly.
(観客はマジシャンが空を飛んだときに、釘付けになった)
日本語と共通した「根」の捉え方もあれば、英語では日本語のように捉えないものもあって面白いですね。
grassroots
文字通り「草の根」であり、民衆に根差した、身の回りに根差したといった意味です。
これは活動・運動などに対して使われる言葉です。
He started a grassroots movement to protect animals.
彼は動物保護の草の根運動を始めた。
She joined the popular grassroots civil rights movement.
彼女は人気の市民権の草の根活動に参加した。