動詞で使った場合にはどちらも「置く」で一緒ですが、placeのほうが注意深い、丁寧な扱いを意味します。
基本的な違いは丁寧さの度合いと考えても良いと思いますが、いくつか物理的にモノを置くケースと、法律などの「制定する、設定する」でわけて考えてもいいかもしれません。
placeとputは両方ともかなり幅広い使われ方をするので例文と共にニュアンスの違いをまとめました。
この記事の目次!
putとplaceの違い
モノなどを「置く」場合にはどちらでも表現可能ですが、placeを使ったほうが丁寧な取り扱い、置き方になります。
I put the cup on the table.
I placed the cup on the table.
カップをテーブルの上に置いた
上の例文「カップをテーブルの上に置いた」はどちらも同じ意味ですが、placeのほうが優しく丁寧に置いた印象を与えます。
I gently put the coat on the sofa.
I gently placed the coat on the sofa.
私はソファにコートを優しく置いた。
「私はソファにコートを優しく置いた」ですが下のほうが丁寧で、gently(優しく、穏やかに、そっと)と組み合わせるならば相性の問題で下の方がいいだろうという意見です。
placeを使う時の注意
placeは丁寧で慎重に扱いながら置く動作になりますが、人に頼む時に「place」を使うのは注意が必要です。
Can you put my coat on the bed?
コートをベッドの上に置いてもらえるかな?
この場合はputを使うのが一般的ですが、placeを使うと相手に「丁寧に扱え」と要求していることになります。
Can you place my coat on the bed?
コートをベッドの上に(丁寧に)置いてもらえるかな?
きれいにきっちりと扱い置いてほしいといった要望になってしまうので、日常の場面で相手に求めるには少し厳しい表現になってしまう点には気をつけてください。
しかし、実際に丁寧に扱うことを求める状況、慎重に取り扱ってほしい品物もあると思うので場面によって使い分ける必要があります。
placeの意味と使い方(動詞)
placeは動詞での使われ方が他にもいくつかあります。単独の動詞というよりも熟語のようにセットで使われるケースが多いのでご紹介します。中にはputと置き換え可能なものがあります。
設定する・設置する
法律やルールなどが設定される場合にもputやplaceを使うことができます。しかし、この物理的でない動作の場合は、丁寧な意味合いがほぼなく、どちらでも似たような意味になります。
「丁寧に法律を設定する」などは実際には無理だからです。また以下のように負担をかける動作などにも使えます。
The government placed another burden on single mothers.
The government put another burden on single mothers.
政府はシングルマザーにさらなる負担を設定した、強いた。
このような場合はどちらが丁寧といった感じもありません。
家や仕事を見つける
誰かのために家を見つけることや仕事を見つけることも表せます。
The temp agency placed me in a new company.
その人材派遣会社は私に新しい会社の仕事を見つけてくれた。
The criminal’s child was placed with foster parents.
その犯罪者の子供は里親に引き取られた。
place an orderの意味
この使い方で「order(注文をする)」と同じ意味になるので、特にplaceはあってもなくても一緒です。placeを使ったほうが丁寧になります。
I placed an order for a cup of coffee.
I ordered a cup of coffee.
コーヒーを1杯、注文した。
この表現はwithを使えばメーカーや注文先を入れることができます。
I placed an order with Sony for a new TV.
ソニーに新しいTVを注文した。
I placed an order with Starbucks for a cup of coffee.
スタバにコーヒーを1杯、注文した。
このような「注文」のケースに関してはputに置き換えることは可能ですが、「put in」とするのが一般的です。inがなくても文法的にはOKそうですが、ネイティブスピーカーの感覚として一般的ではないそうです。
I put in an order for a cup of coffee.
コーヒーを1杯、注文した。
place the blameの意味と使い方
類似表現として「place the blame (on)」も同じような関係で、placeがあってもなくても一緒です。責任を(人)に負わせる、~を非難するの意味です。
When the computer system crashed, they placed the blame on me.
= When the computer system crashed, they blamed me.
コンピューターシステムが故障したとき、彼らは私を非難した。
これをさらにputでも表現できます。しかし、この場合はinを置きません。put inにするのは注文のorderの時ぐらいだと考えても問題はないと思います。
When the computer system crashed, they put the blame on me.
(同じ意味です)
put in placeの意味と使い方
あまり関係ありませんが、今回のputとplaceを同時に使い「put in place(導入する)」の意味になります。
It’s been two years since the law was put in place.
その法律が制定されてから2年だ。
The government put a new law in place that bans marijuana.
政府はマリファナ禁止の新しい法律を設定した。
当たり前ですが、このような熟語の場合は置き換えません。
have no place inの意味と使い方
inappropriateに近い意味で「適切ではない」という表現です。そのための場所がないと考えても意味は通ります。
Many people believe religion has no place in politics.
多くの人々は宗教は政治に適切ではないと思っている。
Rude language has no place in a civilized discussion.
汚い言葉は理性的な議論には適切ではない。
Be no placeでも同じような意味になります。
The Olympics is no place for cheating.
オリンピックに不正は適切ではない。
Prison is no place to be finding a husband.
刑務所は夫を見つけるにはふさわしい場所ではない。
A civilized discussion is no place for rude language.
汚い言葉は理性的な議論には適切ではない。
これらを「~の余地はない」と訳しても意味は通じますが、オリンピックや刑務所の例文など「管理が厳しすぎて入り込む隙がない」という意味ではないそうです。
あくまで「不適切、そぐわない」などの意味になります。~の余地はないと訳した時に管理の厳しさや、論理の完璧さから来るものとは性質が異なるので注意が必要です。
オリンピックの例を出すと、監視の目が厳しくて不正できないのではなく、オリンピックのような舞台にはふさわしい行為ではないという意味です。
out of place
日本語の「場違い」と言葉としても似ています。
He felt very out of place in such a prestigious school.
彼は名門校でとても場違いに感じた。
The jokes in her speech seemed out of place for such a serious topic.
彼女のスピーチにおけるそのジョークは、真剣な話題には場違いに思われた。
物理的な意味での「本来あるべき場所から外れている」としても使えます。
The detective noticed that a table was out of place.
探偵はテーブルが本来ある場所からずれているのに気が付いた。
feel out of itなどにも似た意味があります。
Everyone was enjoying the party, but he was feeling out of it.
みんなパーティーを楽しんでいた。しかし、彼は場違いな感じがしていた。