現在の日本では色鉛筆、クレヨンなどに「肌色(はだいろ)」の名称が使われなくなっています。
以前は特定の色を「肌色」と定義してきましたが、国際化が進んだ90年代の終わりごろから、人種や個人差などで肌の色は異なるのに一つの決まった色を「肌色」と定義することは差別ではないか? といった声が高まりました。
大手メーカーはそういった問題に配慮し、2000年ごろから「肌色」の表記を避け、「うすだいだい」や「ペールオレンジ」などと名称を変えました。
この「pale orange」の説明などに登場した「ペール」といった言葉など、色彩表現の英語の違いをまとめています。
paleとlightの違い
どこまでがこの色といった厳密な分類はなく、特に会話表現、一般的な文章では感覚的なものなので、人によって使い方がけっこう異なる前提でお読みください。
カナダ人のスティーブにヒアリングをしましたが、あくまで彼個人の意見であって、ほかにも様々な可能性が考えられます。
pale
一般的にpaleは「薄い、淡い、青白い、青ざめた、ぼんやりした、おぼろげな」などの意味があり、色そのものが弱い感じです。
顔色などにも使うことができますが、言葉として少しネガティブな感覚がするとスティーブは言っています。
He was feeling very sick and his face turned pale blue.
彼はかなり吐き気を感じて、顔が青白くなった。
She found a pale green mold on the bread.
彼女はパンに薄い緑のカビを見つけた。
light
一方のlightは「白が含まれているような明るく薄い色」をさします。こちらはややポジティブな雰囲気のある言葉です。
We painted the baby’s room light blue.
私たちは子供部屋を水色に塗った。
The light yellow cheese melted all over the pizza.
明るい黄色のチーズがピザ全体に溶けていた。
参考の色
グーグルの画像検索結果をはってみます。
blueが感覚的にわかりやすくlight blueはいわゆる「水色」に近い鮮やかな色です。
pale blueは色が弱く淡い、よく言えばパステルカラーの淡い青です。
特定の組み合わせ
人によってさまざな表現をすると思いますが、一般的によく使われる組み合わせ、あまり使われない組み合わせが存在しています。
〇light yellow
▲pale yellow
〇light brown
▲pale brown
light yellowはよく使うけど、pale yellowという人はそんなにいないといった程度です。
このあたりは個人の感覚によるので、言う人がいても不思議ではないし、色の組み合わせの描写なので正解も間違いもありません。
deepとvividの違い
反対の言葉ですが、これらも似たようなことが言えてdeepは「濃い、深い」で、vividは「明るい、鮮やかな」色を意味します。
Deep red blood poured out of the wound.
傷ぐちから濃い赤色の血が流れ出た。
The bird had vivid red wings.
その鳥は鮮やかな赤色の翼をもっていた。
もちろん血をvivid redと描写する人もいると思います。
グーグルの検索結果を貼ろうと思ったら「vivid blue」でビジュアル系バンドが、「vivid red」でアニメ『ビビッドレッド・オペレーション』がいっぱい出てきて、あまり参考にならないです。
X JAPANの『紅』では曲の最後の方に『紅に染まったこの俺を慰める奴はもういないOh, Crying in deep red』と、通常の日本語読解力では何を意味するのかよくわからない歌詞があります。
紅の訳語がdeep redなのかvivid redなのかは誰にもわかりませんがYoshiki的な意味ではそうなるという話です。
dark
darkは特に問題なく、日本語と同じような感覚で黒が入ったような暗い感じを指します。
He wore a dark blue tie to the meeting.
彼はミーティングで暗い青のネクタイをしていた。
Her hair is dark brown.
彼女の髪の毛は暗い茶色だ。