2つとも裸であることを表してはいますが、共通して同じ意味で使うことも可能な場合もあれば、置き換えができないケースもあります。
ほぼカタカナになっているので理解しやすいと思いますが、ヌードは裸であり、ネイキッドはむき出しの感じを表しています。こういった英単語としての違いを整理してみました。
2016年に話題になったのはキューピーマヨネーズのロゴマークが服を着ていないために北米に進出する際にロゴを変更する事件がありました。
服を着ていない
意味ではすべて「服を着ていない」という基本的な部分は同じで、あまり違いもないので好きなものを使ってください。
どれも「彼は裸でシャワーを浴びた」といった意味になります。
He was nude in the shower.
He was naked in the shower.
He was bare naked in the shower.
He was buck naked in the shower.
He was stark naked in the shower.
「bare naked」「buck naked」「stark naked」あたりは裸というか素っ裸というかの違いぐらいで一種の強調表現です。
nakedの意味
しかしnakedは覆われていないもの、むき出しのもの、人間以外に対して使われることも多いです。
この場合はnudeでは表現しません。
He got a sunburn because his arms were naked.
彼の腕がむき出しだったので彼は日焼けした。
× He got a sunburn because his arms were nude.
(*ヌードでは表現しない)
She avoided burning her hand on the naked flame.
彼女は直火による手の火傷をしないように避けた。
× She avoided burning her hand on the nude flame.
(*ヌードでは表現しない)
naked flameはストーブのようなカバーで覆われている火ではなく、キャンプファイアのようなむき出しの炎です。
以下、nakedがよく組み合わさる言葉を紹介しておきます。
naked fact / naked truth
装飾・飾りのない真実、事実で「ありのままの事実」などが感覚的に近いかもしれません。
You cannot enter the university you want and that is the naked truth.
キミは志望の大学に入れない。それがまぎれもない真実だ。
naked eye
「裸眼・肉眼」の意味でよく使われる言葉です。
Tonight we can see Mars with the naked eye.
今夜、裸眼で火星を見ることができます。
Viruses are too small to see with the naked eye.
ウイルスは小さすぎて肉眼では見ることができない。
naked ambition
むき出しの野心、むき出しの野望など強く隠していない明らかな野心などを指します。
Her naked ambition alone won’t get her to the top of her company.
彼女のむき出しの野心だけでは、彼女は会社のトップにはなれないだろう。
ダイハツの自動車「ネイキッド」が海外では変な名前だと指摘する記事がありましたが、周囲のネイティブスピーカーに聞いてみると「そんなに変な名前か?」といった意見がありました。
オフロード車でむき出しの感じが出るなら悪くないし、ネイキッドバイクのような用語も存在するので、そこまで晒上げられる名前かという話になりました。
キューピーマヨネーズ
キューピーは、1980年ごろから日本製の「マヨネーズ・ドレッシング」を北米に輸出してきました。
近年ではAmazonなどで日本のキューピーマヨネーズが売られていて米国で手に入るため、人気が高まっているようです。
そうした流れを受けてキューピーはカリフォルニア州にあるグループ会社「Q&B FOODS」で市販用マヨネーズの製造・販売を開始し、5月から出荷しはじめました。
ニュースになったのはそのマヨネーズのパッケージです。おなじみのキューピーですが、顔と手だけが見えていて片手をあげています。
今回のアメリカでの話ですが、現地スタッフから「社会情勢や民族、宗教に配慮すべき」という意見が出て、別デザインを示したところ好印象という意見が多かったためそちらを採用したそうです。
マークを決めるにあたっては、キューピーが服を着ていないことも問題視されたといいます。
宗教によっては、肌の露出をかなり制限しています。イスラム教などは有名ですが、その他にも多くの宗教でそうした制限があるようです。
自分の知り合いのアメリカ人家族はキリスト教系の新興宗教のようでしたが、特に女性は肌の露出を制限されていました。
「女性はくるぶしまでのロングスカート着用が義務」だったため、その家族のティーンエイジャーの娘の服装が、いわゆる「アメリカのティーン」の高露出な感じとはかなり違っていたので驚いたことがあります。
アメリカ人はそうしたことに敏感なようです。自分の妹の夫もアメリカ人ですが、『となりのトトロ』で小学生の主人公「さつき」がお父さんと一緒にお風呂に入っているシーンを見て「嘘だろう!」と驚いていました。
以前には、ポーランドでクマのプーさんがTシャツしか着ていないことで「ワイセツだ」とされ、遊び場での使用が禁止になったことが話題になりました。
そう言われてみたらそうだけど…と思いますが、「地域性の違い」ですね。
まあ今回のことも、もちろんアメリカ人全体の意見ではなくて、ネットでも「えー、そうかな」といったコメントがあがっています。大事をとって、ということなのでしょう。
ちなみにキューピーのマークについては、今のところ、ヨーロッパやタイ、イスラム教圏のインドネシアなどでも日本と同じ全身のイラストをつかっているそうです。
イスラム圏ではまた別の問題もありました。
これは2013年、イスラム教徒の多いマレーシアで初登場したマークだそうです。
イスラム教は偶像崇拝を禁じています。マレーシアでの販売のためにイスラム教の戒律に沿った食品証明「ハラル認証」を更新する際、認証機関に「天使ではないのか」と指摘されたのだそうです。
「宗教性がない」と説明して理解してもらえたそうですが、「市場に出したときに誤解されてはいけない」ということで新しい、顔と手だけのマークを作ったわけです。