スタジオ・ジブリの最新作『レッドタートル ある島の物語』の公開を記念して、2016年8月13日~28日までネットで過去21作品の人気投票『スタジオジブリ総選挙』が行われていました。
中間結果では『風の谷のナウシカ』(1984)『天空の城ラピュタ』(1986)『魔女の宅急便』(1989)『もののけ姫』(1997)『千と千尋の神隠し』(2001)が上位だと報告されています。
順当かなという感じですが『となりのトトロ(1988)』がないことが気になるぐらいでしょうか。
今回、結果が発表されて『千と千尋の神隠し』が1位に輝きました。2位以下は公表されていないためその他の順位は不明です。
一般的なジブリ作品の英訳名
以下は代表的なジブリ作品の英訳です。このあたりはStudio Ghibli(Wikipedia)あたりを調べても載っています。
風の谷のナウシカ
= Nausicaa of the Valley of the Wind
天空の城ラピュタ
= Castle in the Sky
となりのトトロ
= My Neighbour Totoro
火垂るの墓
= Grave of the Fireflies
魔女の宅急便
= Kiki’s Delivery Service
紅の豚
= Porco Rosso
もののけ姫
= Princess Mononoke
ホーホケキョ となりの山田くん
= My Neighbors the Yamadas
千と千尋の神隠し
= Spirited Away
猫の恩返し
= The Cat Returns
ハウルの動く城
= Howl’s Moving Castle
崖の上のポニョ
= Ponyo
英語版の輸入盤そのものはAmazonでも簡単に買えます。
ただしブルーレイもDVDも「リージョン」と呼ばれる再生地域の制限がかかっているものがあります。
アメリカ・カナダと日本は違う地域に設定されているので、アメリカ版のDVDを日本では再生できず、その逆もまた同じです。
中には「リージョン・フリー」で制限がかかっていないものもあります。Amazon等で輸入品を購入される場合は、このリージョンがどうなっているかだけご注意ください。
spirit away
千と千尋の神隠しのタイトルに使われている「spirit away」は誰かを連れ去ることで、密かに、素早く連れ去る感じです。誘拐に近いものですがまさに「神隠し」です。
He spirited her away to a far off land.
(彼は彼女を遠く離れた土地に連れ去った)
しかしspirit awayという言葉そのものがレアで、日常ではあまり聞かれない使われない言葉になります。「神隠し」もそうですが日常生活をしていても、この言葉に自然に出会うことはまれです。
spiritだけでも動詞として存在して「誰かを連れ去る」の意味にはなりますが、大抵はspirit awayの形になり、この形でもレアなので、spirit単独で動詞で使われることはさらにまれになります。
He spirited her to a far off land.
(*意味としては成立しますがまれな表現)
Spirited Awayと過去形になっていますが、おそらくは見出し・タイトル用に省略した受動態、受け身の形ではないかと思います。
千と千尋の神隠し スタジオジブリ 英語版 / Spirited Away [DVD] [Import] [PAL, 再生環境をご確認ください]
Kiki’s Delivery Service
直訳すると「キキの宅配サービス」です。
宅急便はヤマト運輸の商標ですが、英語では宅配サービスを「courier」ともいいます。
Yamato is a delivery service.
=Yamato is a courier (service).
(ヤマトは宅配業者だ)
魔女の宅急便は以下のように描写することができます。
Kiki runs her own courier service with a black cat.
(キキは黒猫と一緒に宅配サービスを運営している)
Kiki works as a courier.
(キキは配達人として働いている)
Castle In the Sky
アメリカ版では「ラピュタ」の名称がなく「空の城」といったタイトルになっています。
これはla puta がスペイン語で「売春婦(the whore)」を意味するからです。
ラピュタの名前の元になったのはジョナサン・スウィフトの小説『ガリヴァー旅行記』に登場する空飛ぶ島Laputa(ラピュータ)です。
『ガリヴァー旅行記』そのものが当時の世相への風刺の意味が強い作品です。
空飛ぶ島に住む人達は勤勉すぎて奥さんの相手をする時間がない。夫に相手にされない奥さんたちは売春婦みたいになっていくといった部分から皮肉をこめて「ラピュータ(売春婦)」と命名しています。
スペイン系の人が多いアメリカでは「la puta」がキツイ表現になるため名称が変更されています。
しかしカナダやイギリスではLaputa: The Flying Island.とそのままのタイトルなので、英語圏でも国によって配慮されている場合とそうでない地域があるようです。
他のタイトルについても、時間を探して1つ1つ意味を検証してみたいです。
ジブリ関連のニュース
アプリでも何度かジブリの話題を扱ったことがあります。
印象に残っているのはマインクラフトで天空の城ラピュタのオープニングを再現した人の話題でしょうか。この段階で作成に4年かかったそうです。
Minecraft player Mocchi Hajikura has recreated many of the settings in the Ghibli classic Castle in the Sky.
(マインクラフトプレイヤーのはじクラ☆もっちさんが、ジブリの名作『天空の城ラピュタ』のさまざまな場面を再現している)
The eleven-minute video posted on YouTube starts with a detailed recreation of the airship which is attacked by Dola in the opening of the film.
(ユーチューブに投稿された11分の動画は、映画のオープニングでドーラに襲撃される詳細に再現された飛空艇から始まっている)
Minecraft(マインクラフト)はスウェーデン出身のプログラマ、マルクス・ペルソンさんによって開発された「箱庭ゲーム」です。
海外ではオープンワールドまたはサンドボックス(砂場)とも呼ばれるゲームジャンルで、プレイヤーは広大な世界を自由に動き回って探索・攻略を行います。
マインクラフトは小さなブロック単位で建物や木、あらゆるものが構成されているカクカクした世界観が特徴です。
自由にブロックを積み上げて、このラピュタのようなアートな作品を作るモードもあれば、素材を集めて道具を作ってゾンビから生き延びるようなゲームのモードもあり、さまざまな楽しみ方が可能です。
最近は教育現場にも導入されているそうで、図画工作の授業は小学校、中学校でありましたが、デジタル図工ともいうべき試みで、時代は変わっていくものだと感じますね。