freeとfreelyの違いについてニュースに登場したので取り上げてみます。
品詞としては副詞と形容詞の違いがありますが、ともに意味が「自由に(フリー)」になってしまうので、日本人には違いや使い分けが非常にわかりにくい言葉になっています。
go freeとgo freelyのニュアンスの違いはなかなか難しいですね。ネイティブの意見を交えながら使い方の解説を行っていきます。
freelyの使い方
freelyは自分のやりたいようにできるといった意味の自由さがあります。
以下はどちらも「自分の望むように行動できる」といったルールや規則、命令に縛られない自由さの意味になっています。
Students can enter and leave the classroom freely.
生徒は教室を自由に出たり入ったりできる。
Please choose a magazine freely.
お好きな雑誌を選んでください。
教室の例文でも、もともと生徒は身体を拘束されているわけではありません。強硬手段に出れば先生に怒られると思いますが、物理的な意味での教室の出入りはいつでも可能です。
定められたルールなど、目に見えないものから解放されて自分の思い通りに動けるようになるのがfreelyです。
freeの使い方
一方のfreeはどちらかといえば物理的な拘束がないといった意味での自由さです。
I took the mouse out of the trap and let it go free.
私はネズミを罠から取り出し、自由にした。
The balloon broke free from its string.
バルーンがヒモから外れて自由になった。
両方の意味が成立するケース
以下のように文章として両方成立して、意味が少し異なるケースもあります。
①He let the criminal go free.
②He let the criminal go freely.
彼は犯罪者を自由にした。
言い換えると以下のような英語の説明になります。
①The criminal could go wherever he wanted.
②The criminal could go whenever he wanted.
①は犯罪者は行きたい場所にどこでも行ける、牢屋に入っていないといった自由さ。②は行きたい時にどこにでも行ける自由さです。
freeは罠にハマって動けない、ヒモでつながれている、牢屋に入れられているなど、物理的に拘束された状態からの解放、自由を指しています。
定められたルールなど、目に見えないものから解放されて自分の思い通りに動けるようになるのがfreelyです。
live freeとlive freelyの違い
しかし、この差はけっこう細かいことでほぼ同じ意味で使うことも可能です。
◎After the civil war the slaves could live free.
◯After the civil war the slaves could live freely.
南北戦争の後で奴隷たちは自由に生活することができた。
文脈次第ですが「奴隷たちが手錠・足枷を外れて自由に暮らせるようになった」の意味では上の例文です。しかし「自分たちの望むように暮らせる」の意味で下の例文も意味は通ります。
ニュースではLGBTなど性的マイノリティーが住宅などを借りる際に、近所や大家に気兼ねなく生活できるようにといった意味で登場しました。
◎Same-sex couples should be allowed to live freely.
△Same-sex couples should be allowed to live free.
同性のカップルは自由に暮らすことが認められるべきだ。
この場合は嘘や隠したりしないですむ、制約がないの意味では上のfreelyが良いです。
下は牢屋に入れられたり物理的な拘束を受けているわけではないのでちょっと変ですがかろうじてOKの範囲です。
たまに比喩的に制限された人を「囚人」に例えたりすることもあるので、表現としてはなきにしもあらずですが一般的ではありません。
今回とはあまり関係ありませんが「シュガーフリーとシュガーレス」などの違いを扱った記事もあります。
またfreeには「無料」の意味があります。この意味を勘違いして万引きになってしまった話があったのでご紹介しておきます。