facultyは何度かニュースに登場しましたが、使われる国や地域によって指している意味が微妙に変わるケースがあります。
北米では一般的には大学の教授陣、先生たちを指して使われますが、イギリスでは学部・学科を指して使われるケースがあります。
facultyの使い方について話し合ったことをまとめておきます。使い方の参考にしてください。読み方はファカルティーが近いですがアクセントが前にあります。
faculty【fǽkəlti】
教員・教師
インターネットによると、一般的に北米英語ではfacultyは大学の教師、教授、教員に対してだけ使われるようです。正しくは教員陣なのでfamilyやstaffのような集合名詞の扱いでしょうか。
He is a member of the faculty of Harvard.
= He is a Harvard professor.
彼はハーバードの教員だ。
しかし、スティーブはfacultyは自分にとってはかなり地方の言葉、方言のようだと言っています。
例えば彼が中学生だったときにfacultyは、用務員や事務員といった他の雇用者とは違う「教員全員」を指していました。
Would faculty and staff please report to the head office?
教員とスタッフは本部への報告をしていただけますか。
実際のニュースから抜粋してみます。日本の小学校で英語の指導が始まりますが、小学校の教師課程には英語がなかったため教員の英語力・英語指導力不足が指摘されるニュースからです。
ここでは大学ではありませんが「教員」の意味で使われています。
However, because the current elementary school teacher training course does not cover English, there is a lack of English teaching ability among current faculty.
しかし目下の小学校教員養成課程は英語を含まないため、現在の小学校教員の間で英語の指導力が不足している。
学部、学科
イギリス英語では教員そのものを指すのではなく「学部や学科」を表します。
He works in the faculty of science at Oxford.
= He works in the science department of Oxford.
彼はオックスフォードの科学部で働いている。
この例文の場合は教員かどうかは分かりません。単にそこで働いている清掃員などの可能性もあります。
イギリスのケンブリッジ大学で手書きの入試をやめて、パソコンによるタイプを導入する議論があったニュースからです。
The faculty have noticed a steady decrease in the quality of students’ handwriting over the last 15 to 20 years.
学部(教授陣)は過去15年から20年にわたって学生の手書きの質が継続的に落ちていることに気づいた。
アメリカなら教師陣と解釈でき、イギリスならば学部と解釈でき、どちらでも意味は通ります。学部を構成するのが教師陣だとも考えられるので近い意味ではあります。
能力
もともと備わっている能力も意味します。この意味で使う分にはブレがないのでわかりやすいと思います。
He has a certain faculty for mathematics.
彼にはある程度の数学の能力がある。
She drank so much it began to affect her faculties.
彼女は飲みすぎたので能力に影響し始めた。
訳しにくいですが、飲みすぎたことできちんと動けずフラフラになったという意味です。