「同じぐらいである」を表す際にas – as ~ の形を使うことができます。
①Tom is as tall as Jayne.
(トムはジェインと同じぐらいの身長だ)
②Korea is as far as Kyushu.
(韓国は九州と同じぐらいの距離だ)
ここで疑問になるのは、①のトムは世間一般の人と比べて背が高い人なのか? といった問題があります。
②の話し手は「韓国をそもそも遠いと感じているのか? 近いと感じているのか?」という疑問も浮かびます。
答えとしてはNOであり、その意味を含んでいません。これは有名な参考書『Forest』の258ページにも書いています。
比較程度の意味と確認
He is tall.は「彼は背が高い」という意味だし、She is old.は「彼女は年をとっている」という意味だ。ではHe is as tall as his father.といったら、やはり「彼は背が高い」という意味が含まれるのだろうか。実はそうではない。He is tall.では「彼」と他の人を比べることなく、単に「彼」の性質を述べているだけだ。しかし、He is as tall as his father.のように比較の枠組みを作っている場合は、比べている相手(この場合はhis father)を基準として「同じ背の高さ」だと述べているだけになる。「父」の背の高さ次第で、「彼」の背の高さも変わってくる。「父」の背が低ければ、He is as tall as his father.という文は「tall」という単語を使っていても「彼は背が高い」という意味にはならないのだ。(FOREST 第7版より)
以下の例文などは、より明確で想像しやすいかもしれません。
I have as much money as you.
(私はあなたと同じぐらいお金を持っている)
この場合は二人の所持金が同じぐらいであって、別に2人が世間的にお金持ちであるとは言っていません。
あくまで比較する2つの範囲内で同じぐらいだとしか言っていない表現になります。世間がどうかなどは基本的には関係がなく、あなたと私の所持金が同じといっているにすぎません。
ならばas short asも同じなのか?
上の理屈が成立するならば、以下の意味は同じになるはずです。
①Tom is as tall as Jayne.
②Tom is as short as Jayne.
トムとジェインは同じ身長としかいっておらず、tallに背が高いという意味が含まれない上のFORESTの説明に従うならば、同じshortにも背が低いという意味が含まれないはずです。
同様のことは以下の例文にも当てはまります。
③Korea is as far as Kyushu.
④Korea is as near as Kyushu.
九州と韓国は同じぐらいの距離だ。というだけで、遠いとも近いともいっていません。
⑤I have as much money as you.
⑥I have as little money as you.
これも同様に所持金の話をしているだけなので、お金持ちか貧乏かは関係がありません。
本当にそうなるのか? は疑問が残ります。
ネイティブに確認してみました
カナダ人のスティーブの意見としては、理屈的には確かにそうだけど②は明らかに「ふたりとも背が低い」というのを匂わせているし、④は韓国も九州も「近い」と思っている感じがするそうです。
また所持金の話では上の⑥のような表現になると「ふたりとも同じぐらい金がないなぁ」という部分が出ているような気がするそうです。
ナチュラルに言葉を話した場合で、①③⑤が表現としても一般的でありふれたものです。
①Tom is as tall as Jayne.
③Korea is as far as Kyushu.
⑤I have as much money as you.
しかし、あえて普通でない表現をすると以下の形です。
②Tom is as short as Jayne.
④Korea is as near as Kyushu.
⑥I have as little money as you.
②④⑥のような見慣れない表現を使うならば、確かに理屈的にはわかるけど、明らかに感情や主観が入ってきている感じがするそうです。