カタカナで「alligator(アリゲーター)」と「クロコダイル(crocodile)」は、あまり違いを意識している人は少ないと思いますが、英語でも大半の人は気にしていない感じです。
どちらも「ワニ」ですが生物的には別なので、いちおう違いを整理しておきます。それぞれ省略形として「gator」「croc」があります。
爬虫類の写真が苦手な人もいると思うので、今回は写真は掲載していません。
alligator(アリゲーター)
alligator(アリゲーター)は現在はアメリカや中国に生息する長くて大きな爬虫類です。クチの先っぽが「U」の形で丸くなっているのが特徴です。
世界中どこにでもいるわけではなくアメリカでも限定されており、フロリダのゴルフ場に出没したりするのはアリゲーターです。
Louisiana is said to have one million alligators.
ルイジアナは100万匹のワニがいると言われている。
She wore alligator skin boots.
彼女はワニ革のブーツを履いていた。
gator
gatorはalligatorのニックネームです。
He wrestles gators in the circus.
彼はその円の中でワニと格闘する。
I found a gator while I was playing golf.
私はゴルフをしていたときにワニを見つけた。
crocodile(クロコダイル)
クロコダイルは世界中に生息しているワニで、クチが「V」の形でとがっている点が特徴です。またクチを閉じたときに下の牙が出ています。
ちょっと前にツイッターで話題になった『100日後に死ぬワニ』は、クロコダイルです。
Be careful about crocodiles when you go near the river.
川に近づくときにはクロコダイルに注意しろ。
I dropped my phone in the water and a crocodile ate it.
電話を水に落としたら、クロコダイルが食べてしまった。
1986年のオーストラリアの映画『クロコダイル・ダンディー』はオーストラリアの田舎で育った野性的な男が大都会のニューヨークにでてくる様子を描いたコメディでアカデミー賞にもノミネートされています。
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croc
crocodile(クロコダイル)は「croc」と略されたりします。
You can sometimes see crocs in this area.
このあたりでときどきクロコダイルを見ることができる。
There are crocs swimming around our boat.
ボートのまわりにクロコダイルが泳いでいる。
ワニを英語でどういうか?
もしネイティブが文脈なしで漠然と「ワニ」を言いたい時にどっちを選ぶのか? という話をスティーブとしていたんですが、おそらく地域にもよるだろうという意見でした。
alligator(アリゲーター)はどこにでもいるわけではないからカナダ人のスティーブにはなじみがないけれど、アメリカ人ならばまた別の話になるかもしれません。
またオーストラリア人が抱く「crocodile(クロコダイル)」に関するイメージも、ほかの国と違ったりするのかもしれず、どちらが凶暴なのか? みたいな印象も人によって違います。
またハンドバッグなどのワニ皮もアリゲーターとクロコダイルがあって、スティーブは「クロコダイルはゴテゴテしてて、アリゲーターは薄い感じがある」みたいな感想をいっていましたが、それも単なる印象であって実際には人によって違います。
フロリダのゴルフ場で「あ! クロコダイルだ」といったらアメリカ人に「アリゲーターだよ」と指摘されるかどうかはけっこう微妙なところでなんともいえません。指摘する人もいるのかもしれません。
以下、同じ系統の動物でも違う名前のものを整理しています。