英語にもブラックジョーク(black joke)という単語が存在しますが、文脈なしで言った場合には多くは「黒人のジョーク」として受け止められる可能性があります。
またネットのスラングで「黒歴史」がありますが、これもそのままブラックヒストリーとすると黒人の歴史を指すケースが多いです。
どこで話すのかという場所の問題もありますが、文脈や状況を無視すると黒人に関連した話題に受け止められる点をまとめてみました。
black joke(ブラックジョーク)
特にアメリカ、カナダなど北米でblack humorやblack jokeといった時にそれが「黒人文化のユーモア」を指すことがあるため、混乱を避ける意味でDarkを使っています。
black jokeも言葉としては英語にも存在しているので和製英語ではありません。
イギリス人のダンにも確認しましたblack humorという言葉そのものは、シェイクスピアの頃からある言葉だそうですがイギリスでも時に「黒人のユーモア」として解釈されることもあるそうです。
そこで混乱を避けるために「dark」が用いられます。
「dark humor」「dark joke」は人の死やgrim(冷酷な、残忍な、ぞっとするような)といった話題をユーモアとして扱うことです。
このあたりの感覚は日本人と同じで意味合いとしてはブラックジョークとブラックユーモアと同じです。
タイタニックが沈む滑り台
ニュースでタイタニック号の沈没をテーマにした子ども向けのすべり台があり、それを見たネットの日本人から「ブラックジョークだね」といった意見がありました。
英文にするときに「ブラックジョーク」が「Dark humor」に置き換えられました。
日本人に馴染みのある「black humor」がダメなわけではありませんが、状況を見て誤解のないようにdarkを選択しています。
そして、このすべり台は「ジョーク」とはいえないので「ユーモア」と考えるのが妥当です。
black history(黒歴史)について
ネットのスラングで「黒歴史」といった場合には、思い出したくない過去や消してしまいたい経歴などを指します。元はターンAガンダムに登場する用語です。
一般的に「black history」といった場合には「黒人の歴史」を指すことになります。
これは「ブラックジョーク」や「ブラックユーモア」なども同じ状況です。地域差はありますが特に北米で話した場合には顕著です。
February is Black History Month in the USA.
2月はアメリカの黒人月間だ。
アメリカ、カナダでは2月、イギリスでは10月に「黒人歴史月間」が開催されます。
George Washington Carver was a prominent figure in black history.
ジョージ・ワシントン・カーヴァーは黒人の歴史において著名な人物だった。
ジョージ・ワシントン・カーヴァー はアメリカの黒人植物学者で、南部の農場に輪作(りんさく)を導入したり、ピーナッツやサツマイモの活用で農業に貢献した人物です。
辞書には「暗黒の過去・歴史」とありますが、たとえばホロコーストや原爆などを指して使われているケースはスティーブは聞いたことがないといっています。
使い方としては存在しているのかもしれませんが、カタカナでいうブラックは「dark」で表現するほうが誤解が少ないです。