mad(マッド)はカタカナだと「狂っている」の意味で使われている感じですが、北米の英語(アメリカ、カナダ)ではmadは「怒っている」の意味で使われています。一方でイギリスでは「狂っている」または「怒っている」の両方で使われている感じです。
特にアメリカ、カナダでは狂っているの意味ならばcrazyなどが使われる傾向が高くなります。けっこうスラングでも使われる言葉なので、使い方を整理してみました。
イギリスとアメリカで意味が違うmad
madには「狂った」のような意味があります。これはcrazy / insaneと似たような意味です。
しかし、アメリカ英語(アメリカ、カナダ)ではmadが「angry(怒って)」の意味で使われやすいです。
He will be mad at you.
彼はあなたに怒るだろう。
He’s really mad.
彼は本当にマッドだ。
上のようなシンプルな文章の場合はアメリカ英語なら「怒るだろう / 本当に怒っている」で解釈されるケースが多いです。
イギリス英語では「crazy」のケースでも解釈されるケースが多いですが、あくまで傾向の話です。
例文で見るmadの違い
これらはあくまで傾向であって、アメリカ、イギリス共に「怒っている」または「狂っている」で使われるケースがあります。
整理するとアメリカ英語のmadは「怒っている」の意味で使われることが圧倒的に多いです。イギリス英語のmadは「狂っている」のほか「怒っている」も使われます。
つまりアメリカ英語ではmadが「狂っている」の意味ではあまり使われない傾向があるといえます。
My mother is mad at me.
英:お母さんが私に怒っている。
米:お母さんが私に怒っている。
My mother is angry at me.
英:お母さんが私に怒っている。
米:お母さんが私に怒っている。
That noise is driving me crazy.
英:あの騒音が私をおかしくする。
米:あの騒音が私をおかしくする。
That noise is driving me mad.
英:あの騒音が私をおかしくする。
米:(△ 一般的ではなくなる表現)
アメリカ英語でmadをcrazyの意味で日常会話で使うと、芝居じみた大げさな言葉に聞こえてしまう感じがするそうです。
夢中である、ハマっている
madには「夢中である」といった使われ方もありますが、けっこうイギリス英語での使い方になるそうです。
She’s mad about Justin Bieber.
彼女はジャスティン・ビーバーに夢中だ。
I’m mad about chocolate cake.
私はチョコレートケーキに夢中だ。
カナダ人のスティーブなど、上のジャスティン・ビーバーの例文などは「ジャスティン・ビーバーに怒っている」と解釈してしまいそうだと言っていました。
チョコレートケーキに怒る人はそんなにいないので、その場合は「夢中だ」と解釈するといった意見でした。
アメリカ英語では人に対してmadを使うと「怒っている」と解釈される傾向があるので、夢中である場合は「crazy」などを使うことで誤解がなくなります。
スラングのmad
また北米ではmadが「very much」の意味でもスラングとして使われます。ちょっと古臭くなっていますが、まだまだ聞かれる表現です。
He’s got mad cash.
彼は大金を手に入れた。
She gets mad respect in the music business.
彼女は音楽ビジネスで大きな尊敬を手にしている。
It becomes mad cold in the winter here.
ここでは冬にすごい寒くなる。