wild(ワイルド)の意味と使い方

wild(ワイルド)の意味と使い方
 

公開日: 最終更新日:2021.05.18

wild(ワイルド)は基本的には「野生の」といったイメージがあり、そこから「気の荒い」「荒れ狂った」や整理されていない「見当違いの」といった意味につながります。

一方で1950年代ぐらいから「興奮する、すごい」みたいなスラングで使われだして、比較的ポジティブな意味合いでも用いられるようになっています。

ヒット曲の『Get Wild』やスポーツの「ワイルドカード」のような言葉まで日常に多く見かけるワイルドの使い方や意味を可能な限り整理してみました。日本人にはどの意味で使われているのか? がパッとわかりにくい感じの言葉です。

野生の、自然に生えている

野生の、自然に生えている

人が作った環境よりもむしろ自然のなかで生きていることで、形容詞で「野生の、自然に生えている」を意味します。

例文

He was attacked by a wild dog in the forest.

彼は森の中で野生の犬に攻撃された。

例文

She likes to collect wild flowers.

彼女は自然に生えている花(野草)を集めるのが好きだ。

自然のままの環境、荒野

名詞では「自然のままの環境、荒野、荒れ地」といった意味です。野生の状態で、特に危険な環境を指します。

例文

The child was lost in the wild for two weeks.

その子供は2週間、荒野で迷子になっていた。

例文

These tortoises can live for over a hundred years in the wild.

これらのカメは荒れ地で100年以上も生きられる。

手のつけようのない、荒れ狂った

手のつけようのない、荒れ狂った

コントロールできない状態で、形容詞で「手のつけようのない、荒れ狂った」などの意味もあります。この意味では後に紹介している「go wild」の形がよくみられます。

例文

He dropped the hose and it went wild, spraying everyone with water.

彼がホースを落としたのでホースが荒れ狂い、みんなに水をふきつけた。

例文

One of his students was too wild and disturbed the class every day.

彼の生徒の一人があまりにも手のつけようがなく、毎日授業を妨害した。

見当違いの、突拍子もない

何かにしっかりと基づいていないことで、形容詞で「見当違いの、突拍子もない」などを表します。これも洗練されていない、雑なといった意味合いからです。

例文

She yelled at the mayor and made wild accusations.

彼女は市長に大声で叫んで、見当違いの告発をした。

例文

It’s a wild guess, but I think the president’s hair is fake.

それは突拍子もない推測だが、私は大統領の髪の毛は偽物だと思う。

興奮した、熱狂した

興奮した、熱狂した

「ひどく興奮した、熱狂した」の意味でも使えます。こちらも形容詞です。

このポジティブな意味合いで、スラングとして「wild」が使われだしたのは1950年代に入ってからなのでわりと最近の使い方です。おそらく野生に帰ったかのように感情をストレートに表現するような側面からだと思います。

例文

She is famous for her wild parties.

彼女は熱狂するパーティーをすることで有名だ。

例文

That roller coasters was a wild ride.

あのジェットコースターはひどく興奮する乗り物だった。

すごく好きな

形容詞で「すごく好きな」といった意味もあります。crazyなどに近い意味合いです。

例文

My daughter is wild about BTS.

うちの娘はBTSのことがすごく好きだ。

例文

I’m not wild about strawberries in my cake.

私はケーキに入っている苺はあまり好きではない。

どの意味で使われているのか?

いろんな意味があるので、どの意味で用いられているのかけっこう日本人には難しい部分もあります。

まず大枠として「自然や野生」に関連するのか、わりと新しい使い方の「興奮、熱狂」といった良い意味なのかは文脈でおおよそ判断できそうです。

例文

We had a wild time at the party.

私たちはパーティーですごく熱狂した。

例文

He is a wild guy.

彼はすごく刺激的な男だ。

上のような例文では「exciting」に近い意味で「興奮させる、刺激的な」といった感じの意味です。「wild time」は熱狂するような時間です。

カタカナのワイルドとの違い

カタカナのワイルドがどのような状態を指しているのかちょっと曖昧なので、なかなか英語にするのも難しいです。

食事を手で食べてしまうような感じの人は、マナーや教養がないともいえるし、野性味があるともいえるし、人によって解釈が変わります。

「savage(未開の、粗野な、無礼な)」「uncivilized(未開の、山奥の、下品な)」「unmannered(不作法な、粗野な)」「uncouth(見苦しい、粗野)」を使えば、明確に否定的にとらえていることになります。

「wild guy」のように人に対して刺激的なことをやる人を表すことは可能なので、その意味ならばカタカナのワイルドに近いかもしれません。この意味では「sexy」なども近いと思います。

しかし英語で「wild man」といえばターザンのような「野人」の意味合いになるので注意が必要です。

例文

There are stories about a wildman who lives in the woods outside town.

町の外の森に住む野人の物語がある。

カタカナのワイルドを英語で伝えたい場合には、そのワイルドがどういう状況を表しているのか、良い意味なのか悪い意味なのか、より明確にしたほうがいいかもしれません。

go wildの意味

「go wild」の形になると「荒れ狂った、手がつけられなくなる」みたいな意味になります。

例文

The movie is about a robot that goes wild and kills people.

その映画は制御不能になって人々を殺すロボットについてだ。

例文

The horse went wild.

その馬は手が付けられなくなった。

例文

I saw a wild horse.

野生の馬を見た。

「wild horse」は野生の馬だとは思いますが「荒れ狂った馬」だと読めなくもないです。ネイティブが読んでもはっきりしないケースはあります。

また以下のように「crowd(群衆)」と「go wild」を組み合わせると「興奮して大喝采する、狂喜する」みたいな意味になります。

例文

The crowd went wild.

群衆は熱狂した。

「荒れ狂った」と「狂喜する」はコントロールできない制御不能な点では同じです。

「動物 + go wild」だと「荒れ狂った」で用いられやすく、一方で「crowd + go wild」のような半ば熟語化したような組み合わせもあります。

get wild(ゲット・ワイルド)はどういう意味か?

TM NETWORKのヒット曲でシティーハンターのエンディング曲にもなった『Get Wild』は特別な意味合いがあるわけではなく「ワイルドになる」ぐらいの意味です。

では、その「ワイルド」とは何か? といえば「盛り上がる」「興奮する」みたいな感じか、先に紹介したgo wildに似た「コントロールが効かなくなる」ぐらいです。

例文

Let’s get wild!

ワイルドになろう! 盛り上がろう!

例文

The party got wild after eleven o’clock.

パーティーは11時以降に盛り上がった / ワイルドになった。

上の例文だとわりと良い意味ですが、以下のように書くと暴徒化したような印象も与えます。

例文

The crowd got wild.

群衆は制御不能になった。

文脈によってネガティブな意味にも、ポジティブな意味にもなり、特に主語が何かによっても左右されます。

TM NETWORKの『Get Wild』の作詞は小室みつ子さんで、彼女が何を意図して歌詞の中で「get wild and tough」といったのかはわかりません。

ただなんとなく小室みつ子が意図したであろう「荒っぽくなろう、細かいことは気にするな」のような意味合いには、受け止められないのではないかといった感じはします。

また『Get Wild』の歌詞でいえば、get a chanceと可算名詞のchanceには「a」が必要になります。

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in the wild(野生で)

「in the wild」のような名詞になると「野生の、野生で、自然で」といった意味になります。

例文

This turtle can live for over a hundred years in the wild.

このカメは野生で100年以上も生きることができる。

例文

The child was lost in the wild for two weeks.

その子供は野生で2週間も迷子になった。

「the Wild West」になるとそれはガンマン達が戦っていたアメリカの西部開拓時代を意味します。

例文

The movie takes place in the Wild West.

その映画はアメリカの西部開拓時代が舞台だ。

wildlife

人間の助けなしに育つ動物や植物のことで「野生生物」を意味します。

例文

My son did a school project on wildlife in the area.

息子はその地域の野生生物に関する研究課題をした。

例文

The park is also a wildlife preserve.

その公園はまた野生生物の保護区です。

wild card(ワイルドカード)

wild card(ワイルドカード)

wild card(ワイルドカード)はトランプのゲームにおける、どんなカードにもなるものを指して使われます。オールマイティのような意味で、一般的にはジョーカーです。

UNO(ウノ)の「Wild」「Wild Draw Four」は、自由に色を指定できるという効果があります。

これも野生のものは気まぐれだからといった意味合いからだそうです。

例文

In this game Jacks are wild cards.

このゲームではジャック(11)がワイルドカードだ。

そこから転じて、先が読めない不確定の要素・要因といった意味合いで使われます。

例文

Religious voters are a wild card in this election.

宗教心のある投票者たちは、この選挙におけるワイルドカードだ。

スポーツでは、正規の方法ではなく敗者復活的な意味合いで決勝トーナメントにあがってくる選手・チームを指し、アメリカの四大スポーツでも採用されています。

例えば各地区の1位は自動的にプレーオフに進出、各地区の2位で最高勝率のチームだけでプレーオフに進出といった形で、この各地区の2位で最高勝率の出場枠をワイルドカードと呼びます。



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