絵具・ペンキのような色のついた画材を英語でなんと表現するのか? といったことをまとめています。
英語では絵具とペンキは基本的にはどちらも「paint(ペイント)」であって、それがバケツに入っているかチューブに入っているかの違いでしかありません。
マジックについては「マジックマーカー」がもともとの商品名ですが、広くサインペンを指す代名詞として広まっています。
ほかにも「クレヨン」「クレパス」「色鉛筆」を英語でどう表現するか? といった問題をまとめています。
この記事の目次!
絵具とペンキを英語で言うには?
まず結論から書けば学校などで使うチューブに入った「絵具」と、バケツに入っていてホームセンターなどで売っている壁などを塗る「ペンキ」は特に英語では区別されておらず、どちらも「paint(ペイント)」になります。
He bought a bucket of paint for his porch.
彼はポーチのためにバケツの塗料(ペンキ)を買った。
She had five tubes of paint in her school bag.
彼女は学校のカバンの中に5本のチューブの絵具を入れていた。
They sell paint in packs of 24 tubes.
彼らは24本入りの箱の絵具を売っている。
このようにすべて「paint(ペイント)」になります。そもそも「ペンキ」はオランダ語に由来するそうで、英語で「penki」といっても通じません。
動詞でのpaintの使い方
動詞ではそのまま「絵具で塗る、絵具で描く」です。
He painted a portrait of his mother.
彼は母親の肖像画を描いた。
これは動詞でpaintといえば「paint(絵具・ペンキ)を使って描く、絵具で描く」が本来の意味になるので、絵具以外のもので描いた場合にpaintを動詞で使うのは変だろうといった意見でした。
My son painted a picture with his crayons.
(クレヨンでpaintするのが論理的におかしい)
My son drew a picture with his crayons.
息子はクレヨンで絵を描いた。
drawingとpainting
これも日本語にすると「絵」になってしまい、英語でも共に「picture」とはいえますが、言葉としては区別されています。
drawingは線画であり、paintingは絵の具やペンキで塗った絵です。
My child made a drawing of Superman.
私の子どもがスーパーマンの絵(線画)を描いた。
My child made a painting of Superman.
私の子どもがスーパーマンの絵(絵の具の絵)を描いた。
マジック(Magic Marker)
カタカナの「マジック」はもともとは「Magic Marker社」の商品名であり、それが広くサインペン、マジックの代名詞として広まっています。マジックマーカー社は1980年に破産しています。
近年はsharpieという商品も広く知れ渡っており、いわゆるマジックを指して使われます。
以下のような表現が可能です。
I bought a red magic marker.
I bought a red marker.
I bought a red sharpie.
私は赤のマジックを買った。
携帯音楽プレイヤーならSonyの商品でなくても「ウォークマン」といってしまうのと同じような状況で、別に他社の製品であっても「sharpie」と呼ばれたりもします。
しかし、以下のように「magic(マジック)」を買ったとするのは変です。
I bought magic.
(ペンを買ったことにはならない)
油性と水性
油性と水性については絵具だと専門的な領域で、サインペンに関しては地域や国によって表現も変わると思います。
ネットで調べたり、カナダ人のスティーブに意見を聞くと、油性は「permanent(長持ちする、永続する)」と呼んだり、水性は「washable(洗える、水で落ちる)」と呼んだりするそうです。
He drew a picture on my face in permanent marker.
彼は私の顔に油性のマーカーで絵を描いた。
He drew a picture on my face in washable marker.
彼は私の顔に水性のマーカーで絵を描いた。
クレヨン(crayon)
英語でクレヨンとは私たちの想像するものと同じで、wax crayonまたはcrayonと呼ばれています。蝋(ろう)と顔料を混ぜ合わせ紙で巻いたものです。
My daughter loves to play with crayons.
娘はクレヨンで遊ぶのが大好きだ。
I accidentally put a crayon in the washing machine and it melted.
間違ってクレヨンを洗濯機に入れてしまい、溶けてしまった。
色鉛筆(pencil crayon)
英語で色鉛筆はpencil crayonまたはcolored pencilと呼ばれています。
クレヨンと成分は同じで、顔料と蝋を固めた芯を木製の軸におさめると色鉛筆になります。トンボの色鉛筆や500色のフェリシモなどが有名です。
When I turned ten I stopped using crayons and only colored with pencil crayons.
10歳になった時にクレヨンを使うのをやめて、色鉛筆だけで塗るようになった。
I never know what to do with the white pencil crayon.
白の色鉛筆で何をするのかまったく知らない。
肌色の色鉛筆
世界各国の子供の肌の色を集めた「肌色」の色鉛筆セットが話題になっています。
実は今は色鉛筆の「肌色」という名称で販売しているものはありません
人種や個人差によって色々な肌の色があり、元の肌色は別の名前がついて販売されています
そして今回入荷したこちらの色鉛筆は世界各国様々な国の子供たちの肌の色を集めた本当の『肌色』色鉛筆セットが入荷しました pic.twitter.com/Ci61y19eWc— 御徒町の画材額縁専門店㈱田中金華堂 (@kinkado1905) April 21, 2017
子供の頃には当たり前だった「肌色」ですが、実は少し前から、色鉛筆やクレヨン、絵の具などで「肌色」はなくなっています。
以前は特定の色を「肌色」と定義してきましたが、国際化が進んだ90年代の終わりごろから、人種や個人差などで肌の色は異なるのに一つの決まった色を「肌色」と定義することは差別ではないか? といった声が高まりました。
大手メーカーはそういった問題に配慮し、2000年ごろから「肌色」の表記を避け、「うすだいだい」や「ペールオレンジ」などと名称を変えました。2006年にはほぼすべてのメーカーから「肌色」の表記はなくなっています。
パステル(pastel)
粉末の顔料を接着剤で固めた「パステル」と呼ばれる画材があります。パステルを使った絵はパステル画と呼ばれています。
元々が粉で、その成分の割合などによってハードパステル、ソフトパステル、オイルパステルなどに分かれます。
また紙にくっつきにくいので、描いた後には「フィキサチーフ」と呼ばれる作業を行い、コーティングする必要があるそうです。
It is difficult to use pastels.
パステルを使うのは難しい。
She always gets her clothes dirty when using pastels.
彼女はいつもパステルを使うと服を汚す。
このパステルによく使われた中間色のことを「パステルカラー」と呼びます。これは身の回りの様々な色に使われていますが、もともとはパステルによく使われた淡い色です。
She wore a light blue dress.
≒ She wore a pastel blue dress.
彼女はパステルブルーのドレスを着た。
クレパス
「クレパス」はサクラクレパスの商標で、クレヨンとパステルを組み合わせた造語だそうです。
サクラクレヨンも存在していますが、サクラクレパスのほうが油脂分が多いのが特徴です。
どちらにしろ造語であり和製英語でもあるので、そのままでは通じません。
チョーク(chalk)
チョークも私たちが想像する子供用のチョークと同じです。よく道に絵を描いていましたが最近はあまり見かけなくなりました。
息が詰まるのchokeは字が違います。
We used chalk to draw on the road.
私たちは道の上に描くのにチョークを使った。
We kept score with chalk and a blackboard.
私たちはチョークと黒板を使ってスコアを記録した。