かかる時間を表すtakeに関してネイティブの意見を交えながら掘り下げてみます。英会話でもよく使われる一般的な表現ですが、なかなか奥深い難しさがあります。うがった見方をすると、けっこう幅広い解釈が可能な曖昧な表現にもなりえます。
まずは一般的な表現です。語順が入れ替わっていますが同じ意味です。
It took me 3 hours to drive to your house.
(私はあなたの家まで車で3時間かかった)
It took 3 hours for me to drive to your house.
(私はあなたの家まで車で3時間かかった)
どちらも同じ使い方で、takeを使わずに言い換えると以下のようにも表現できます。
= I needed 3 hours to drive there.
= I drove for 3 hours to your house.
= I drove there in 3 hours.
(私はあなたの家まで車で3時間必要だった)
またme(私は)の部分を取り除くと、「一般的に、普通の人々にとっては、一般論では」といったことを表現できます。
It takes 12 hours to fly to France.
(フランスまで飛行機で12時間かかる)
未来や現在を表す場合
過去形で「30分かかった」のように表現する場合はneedなども使えますが、これから起こる未来や現在のことを表すには普通はtakeを使います。
①How long will it take me to drive there?
(そっちまで車でどれぐらいかかる?)
このように未来においてかかる時間を表現する場合はtakeを用いた①を使います。
②How long will I drive there?
(そっちまで車でどれぐらい運転するのだろう?)
②もOKで意味は伝わると思いますが、一般的にかかる時間を質問する際には少し変な表現です。文脈によってはOKです。
②は解釈の仕方によっては、途中でマクドナルに寄ったり、仮眠をとったりするのも運転手の自由だからです。
それらの可能性を含んで「そっちまでどれぐらい私は運転すればいいんだろう?」と質問されても「それはあなたの運転次第でしょ…」と解釈されるかもしれません。
文脈によってはOKなのは、例えば運転手を交代しながら大阪から東京まで目指すときに「私はどれぐらい運転することになるのかな?」と一緒に行く人に②の質問するのは自然な流れです。
より文脈をはっきりさせる
時にtakeを用いることで文脈をより明確にすることができます。
以下は「職場に行くのに2時間かかる」を表しています。
③It takes her two hours to go to work.
④She goes to work for two hours.
⑤She goes for two hours to work.
③が読み間違いのない文章で「職場に行くのに2時間かかる」とはっきりと書いています。
④と⑤に関しては、2時間かけて通勤するのか、2時間働くのか、通勤時間または労働時間どちらにも読めてしまいます。
この場合は特定の単語で書きなおせば、読み違いを減らすことはできます。
⑥She drives for two hours to work.
⑦She drives to work for two hours.
⑧It takes her two hours to drive to work.
⑥は車で通勤に2時間かかる、⑦はおそらく車での通勤時間を指している、⑧は車で通勤に2時間かかる、です。
この場合は⑦だけ、少し読み違いが起こる(2時間、働きにいくと読まれる)可能性が高くなります。