ホワイトウォッシュ

whitewash(ホワイトウォッシュ)の意味と使い方

ニュースにwhitewash(ホワイトウォッシュ)という単語が登場したので、スティーブと詳しく意味について話し合っていました。

大きく2つの意味がありますが、順番に取り上げてみたいと思います。

動詞がwhitewashで、名詞はwhitewashing(ホワイトウォッシング」です。

ちょっと人種差別的な観点も含むので非常にセンシティブな話題だといえます。

whitewash(~のうわべを飾る)

大きく2つの意味がありますが、1つは「~のうわべを飾る、~をごまかす」といった意味です。嘘をつくわけではないですが、部分的に強調して事実を伝えたり、都合の良い解釈をする、ごまかすようなニュアンスの言葉です。「歪曲する」などとも訳されます。

すばらしい条件の求人だと思っていったらブラック企業だったりといったケースも該当します。

The company whitewashed its business in China.
(この会社は中国でのビジネスにおいてうわべを飾っている)

古くは汚れた建物などを白い液体で塗ったことに由来する言葉だそうです。本来、建物にあわせて適切な修繕がされるべきところを、とりあえず白くぬってごまかすことで、間違った修正や隠すようなことに使われています。whitewash

ホワイトウォッシュの例

他にも洗剤や化粧品、塗料の商品名になっていたりもしますが、次に紹介するようにちょっとスラング的に微妙な意味で使われる単語です。

whitewash(白人化する)

白人

もう1つの意味が「白人化する、白人に媚びる、白人を喜ばせる」といった、ちょっと人種差別にもつながる要素です。こちらの意味では辞書に掲載がありません。

たとえば初期スター・ウォーズシリーズには長らく黒人が主要キャラとして登場しませんでした。これは別の銀河の話だといった理屈は可能かもしれませんが「whitewash」だといくつかの批判を受けています。

実際に『スター・ウォーズ』のエピソード7『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で主役の1人であるフィンを演じるのが黒人俳優、ジョン・ボイエガだったことが一部の特殊な人々から反発される事件がありました。

人気のテレビドラマ『フレンズ』なども、人種の坩堝といわれるニューヨークの生活を描いているにもかかわらず登場人物は白人ばかりです。

最近でこの件が話題になったのはハリウッドで実写化された『攻殻機動隊(Ghost in the Shell)』などでしょうか。

もう少し広く意味をとってキャスティングだけの話ではなく、トム・クルーズ主演の『ラストサムライ』のような映画も、白人を喜ばせるために日本文化を題材に選んだケースとしてホワイトウォッシングが使われているケースがありました。

うわべを飾っている意味では同じですが、少し白人を喜ばせるためだけにキャストやシナリオの変更だけでなく、そもそもの題材を選びや、他国の文化を題材にして白人の主人公がヒーローのように描かれる作品に対して、ホワイトウォッシング関連の批判が起こるケースが見られます。

People say Star Wars is a whitewashed sci-fi movie.
(人々は『スターウォーズ』は白人に媚びたSF映画だという)

Friends has been criticized for whitewashing life in New York.
(フレンズは白人化されたニューヨークの生活を描いていると批判をうけている)

ラストサムライなどはある程度の史実に基づいた作品作りだとは思いますが「トム・クルーズが最後のサムライ?」のようにタイトルが先走って批判を受けるケースがありました。これはアメリカの人気テレビ番組でジョン・オリバーがハイウッドのホワイトウォッシングの例として名前を出したことも影響としては大きいのでしょう。

John Oliver slams Hollywood whitewashing(CBS)

そもそも映画の中の「ラストサムライ」が渡辺謙、トム・クルーズどちらを指しているのかといった話にもつながりますが、タイトルとイメージが先行すると「白人のトム・クルーズが最後のサムライになった」と描いているように受け止められた、ジョン・オリバーが語ったというケースです。

この点に関してはジョン・オリバーがややミスリード気味だといったRedditでの意見も見つかります。この場合はトム・クルーズ演じるネイサン・オールグレンのモデルがいたことよりも、脚本・描き方の問題として語られます。

この意味ではホワイトウォッシングは単なるキャスティングよりも、扱い、描き方を指しているので意味が広くなっています。

ラストサムライはところどころ変な部分はありますが、日本を描いたハリウッド映画としては、わりとまともではないかと感じます。ストーリーも面白いです。

cultural appropriation(文化の盗用)

最近よく聞く言葉が「cultural appropriation(文化の盗用)」です。ホワイトウォッシングよりもう少し大きな視点で、他国の文化を盗んで自分のもののように振る舞う行為が批判されるケースがありました。

数年前にミランダ・カーが雑誌「vogue」の表紙で、日本文化にインスパイアされた衣装を着たときも、英語の文化圏から逆に「文化の剽窃」だと批判されていました。

Miranda Kerr vogue japan(グーグル画像検索)

日本人からするとあまり悪い気はしませんが、こういう行為をよしとしない意見が広くあります。

この場合、批判があったのは海外からであり、日本側からは文化の盗用の面ではあまり文句を言う人はいませんでした。その初音ミクのコスプレどうなんといった意見は確かにありましたが。

映画『Aloha』のホワイトウォッシュ

ニュースに登場した映画『Aloha』もホワイトウォッシュの観点から批判を受けていたので事例としてご紹介します。

アプリ『ざっくり英語ニュース!StudyNow』では2015年にハリウッドで大コケした映画を扱った記事で、whitewashという単語が登場しています。

ジョニー・デップの『チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密』やビル・マーレイが主演した『Rock the Kasbah』などの名前があがりました。

その中で9位にはブラッドリー・クーパー主演のラブコメディ『アロハ』が入りましたが、この映画が一部から「whitewash(ホワイトウォッシュ)」だといった指摘がありました。

以下はアプリ内のニュースからの抜粋です。

The movie received several accusations of whitewashing due to it’s largely white cast set in Hawaii where only 30% of people are white.
(この作品は、ハワイでは白人が3割しかいないのにも関わらず、出演者がほとんど白人だったため、現実に即していないと非難を浴びた)

At the center of the controversy was the Chinese-Hawaiian-Swedish character of Allison Ng who was played by blonde-haired and green-eyed Emma Stone.
(特に批判の的となったのは、中国とハワイとスウェーデンの血を引く設定の登場人物、アリソン・ンを金髪で緑の瞳のエマ・ストーンが演じたことだった)

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