indigenous

先住民を英語でどう表現するべきか?

先住民をどう呼ぶべきかについては英語圏でも議論があり、結局は受け止められ方の違いといった微妙なラインがあります。

正解は出ませんが主にオーストラリア人のソリーとカールにヒアリングした話を聞きながら言葉としての使い方をまとめてみます。

他にもアメリカ、カナダの状況についても軽くまとめています。各国によって微妙に政治的な事情も違うようです。

aboriginal

「aboriginal」そのものには「先住民の、先住民」の意味があるラテン語由来の英語です。aboriginalだけでも「先住民」を表せます。

しかし、アメリカ大陸の先住民などをはじめ一般的な先住民に対しては用いられず、基本的にはaboriginalという単語は「(オーストラリアの)先住民の、先住民」を指して使われる言葉です。

したがってアメリカの先住民に対してaboriginalと呼んだり、aboriginal Americanといった表現は言葉の意味としてはあっていても基本的には使わない表現です。

現在では「オーストラリアの先住民」を意味する言葉として使われ、他の地域に使うことはほぼありません。

語源をたどると「ab + original」の関係になります。

Aboriginal / Aborigine(オーストラリア)

オーストラリアの先住の人を「Aboriginal(アボリジナル)」と呼ぶか「Aborigine(アボリジニ)」と呼ぶかは、ちょっとややこしい問題で英語圏のサイトでも議論がありました。

学生の頃にオーストラリア先住民は「アボリジニー(Aborigine)」と習いましたが、この言い方が近年は避けられているように思えます。

一般的には「Aborigine」が差別的に聞こえるようで、ニュース文では「Aboriginal」が使われています。

オーストラリアの砂漠で遭難した人が先住民に助けられたという話です。

A local Aboriginal helped police locate the lost man by tracking his footprints.
地元のアボリジナルが足あとを頼りに、行方不明の男性の位置を特定するために警察を助けた。

この「Aboriginal」すらも一部の人々には好ましく思われないようで「Indigenous Australians(オーストラリア先住民)」などの表記が使われるケースもあります。

オーストラリア人のソリによるとaboriginalよりも、indigenous(地域や国の原産の、土着の、先住の)が好まれるようです。

aboriginalは決して攻撃的な言葉ではありませんが、少し傲慢な響きがあり、特に白人が言うと偉そうに感じてしまう側面があります。

indigenousのほうがより敬意が感じられるので、こちらの言葉を使ったIndigenous Australians(オーストラリア先住民)のような表現が好まれます。

◎We need to support indigenous artists.
△We need to support aboriginal artists.
我々は先住民の芸術をサポートする必要がある。

下段の例文でもまったく同じ意味で文法的にも間違いはありませんが、恩着せがましい感じがして傲慢に響くそうです。

オーストラリアの人と話す時に話題にあがることもあるかと思いますが、ちょっと注意を払っても良さそうな言葉です。

Aborigines or Aboriginal – Which Word to Use?

そもそもの話をすると「先住」という考え方が先に住んでいる、後から来たといった順番に基づいた考え方になってしまいます。かつては「コロンブスがアメリカ大陸を発見した」と書かれていましたが、現在は「たどり着いた」のような表記に変わっていることに通じる問題です。

indigenousとnativeの違い

どちらも同じ意味で「原産の、土着の、先住の、その土地の」といった意味になります。

The Maori people are indigenous to New Zealand.
マオリはニュージーランドの先住民だ。

The Maori people are native to New Zealand.
マオリはニュージーランドの先住民だ。

特に文脈なしで言う場合には「indigenous people」で一般的な概念としての先住民を表します。

アメリカの先住民は古くは「インディアン」といった呼び方でしたが、時代背景や政治的な問題もあって名称が変化しています。最近は「ネイティブ・アメリカン(Native Americans)」や「Native Americans in the United States」といった表現が用いられます。

しかし、その呼称にも反対意見があったりと常に論争があるような問題です。

某ブログに「indigenous」の語源は「Indian(インディアン)」だと書いてあるのを見かけましたが間違いです。そもそもアメリカの先住民をインディアンと呼んだのは、コロンブスがアメリカ大陸をインドと勘違いしたことに由来します。

一方で「indigenous」はラテン語の「indigina」が語源で「native」を意味する言葉です。

First Nations(カナダ)

カナダではいわゆるインディアンと呼ばれた人たちを「First Nation」と政治的には呼称しています。630を超える部族があるとされます。

ただ、これらは政治的に後付けされた名称であって、当事者にとっては個々の部族にアイデンティティを感じ、部族名を名乗ることが多いそうです。

First Nationsとカテゴリ名を言葉にすることは少なく、実際に声に出すような場面では「私はファースト・ネイションです」とはいわずに「私はハイダです」のように、具体的な名前を使うことがほとんどだそうです。

スティーブはトロント出身です。こういうハイダ族の人などを街中で見かけるものなのか? と聞いてみたんですが、ほぼないと言っていました。

民族衣装などを着ていれば別ですが、見ても外見でわかるようではないのと、トロントは国際都市なのでいろんな人がいるので、なおのことわからないそうです…。ひょっとしたら、会ってる可能性はあるかもしれないけどといった程度でした。

tribe

ニュースでは「~族」を表す単語として「tribe」が使われています。

カナダのジャスティン・トルドー首相の肩にはハイダ族のタトゥーが入っており、就任当初は初のタトゥー入り首相として話題になりました。

The tattoo is an image of the Earth on top of a raven symbol used by the Haida tribe of indigenous people. The Trudeau family are honorary members of the tribe.
このタトゥーはレイヴン(ワタリカラス)に地球のイメージを加えたもので、先住民であるハイダ族によって使用されているものである。トルドー氏の家族はハイダ族の名誉メンバーになっている。

以前にはブラジルで世界中の先住民達によるオリンピック形式のスポーツ大会(2015年)が行われたことをニュースにしました。

先住民達による話し合いが行われ、競争・争いを目的としないため、上位4位は等しく表彰されるなどの規定があります。

「メダルの色や興行成績にこだわることなく、精神的な祝福を求めることが目的だ」とブラジル先住民の代表者は語っています。

やり投げ、綱引き、カヌー、弓矢、丸太運びのほかにも、西洋のスポーツでは唯一サッカーが行われました。

一部のパートは儀式的な要素が強く白人に対する警戒感を持つ部族もいることから非公開で行われました。

また特に祝う理由もなく、お金を使うこのイベントに「ブラジル政府からの誤った支援のイメージを作り出している」といった批判的な意見も少なからずありました。

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