西暦の読み方・発音については習慣的なルールがありますが、人によって読み上げ方が異なるケースもあります。英語圏でも論争があるようですが、今回は一般的と思われるものをネイティブの意見を交えながらまとめています。
読み方の要点としては「thousand(千)」「hundred(百)」を使うかどうかにあります。
カナダ人のスティーブに意見をもとめましたが、彼の見解を以下の簡単な記号でまとめています。
「◎」が最も一般的な表現の仕方です。
「○」は特に変ではなく◎ほどではないですが使う人もいます。
「✕」は普通のネイティブスピーカーならばまずこの言い方はありえないだろう表現。
年代の読み上げ方
1900年代などの近代はわりと統一されていますが、2000年代に入ってからと古い時代になると意見が少しわかれます。
基本的にthousandを使うのは2000年以降だと思って間違いないと思います。
1979年
◎ nineteen seventy-nine
✕ nineteen hundred seventy-nine
✕ one thousand nine hundred seventy-nine
ちょうど真ん中で区切るのが1900年を発音する一般的な形です。
2001年
◎ two thousand one
○ twenty-o-one
✕ twenty hundred and one
2000年に入ったゼロ年代は一番上の表現が最も一般的です。ただし、2番目の言い方もされます。
2011年
◎ two thousand eleven
◎ twenty eleven
✕ twenty hundred eleven
最近の年を表現しています。上の2つが同じぐらいの頻度で使われています。
1289年
◎ twelve hundred eighty-nine
○ twelve eighty-nine
✕ one thousand two hundred eighty-nine
近い年代ではhundredは絶対に使いませんが、いわゆる「大昔」のことを指す場合はhundredを使って表現するようになります。
1832年
◎ eighteen hundred thirty-two
◎ eighteen thirty-two
✕ one thousand eight hundred thirty-two
意見がわかれるのが1832年のように「大昔」とはいえないけど「最近」でもない微妙な年代です。
1900年代ではhundredは使いませんが、1800年代ではhundredを使っても、使わなくても、どっちも同じ感覚になるそうです。
827年
◎ eight hundred twenty-seven
✕ eight twenty seven
3桁年代になると逆に絶対にhundredを使って表現することになります。
1000年
基本的にthousandを使うのは2000年以降の話ですが、例外的に1000年ないし1000年代はきりがいいのでthousand使う人が多いです。
ただし根本的なところで、日常会話で1000年頃の話はそう話題にならないので、人によって違うかもしれないという話です。
紀元前と紀元後の表記
紀元前・紀元後を表す時にBC(before Christ)/AD(anno Domini)という表記もあります。
BC(before Christ)
AD(anno Domini)
BC/ADの表記は文字通りイエス・キリストの誕生を基準に考えられています。ADはラテン語ですが、英語ではin the year of Our Lord(我らの主の年)なので、どちらも非常にキリスト教色の強い表記です。
そういった背景もあって特定の宗教の色合いがでない、キリスト教中心的なニュアンスをなくした中立的表現としてBCE/CE表記も広く使われています。
BCE(before the Common Era)とCE(Common Era)が紀元前と紀元後を表しています。
どちらが良いとか、どちらを使えの問題ではなく、書き手の信条や場所などによってどの表記をするか選択するような問題です。
*CEをChristian Eraと解釈するケースもあり、これだとまたキリスト教色が強くなります。
AD/BCを含めた読み方
だいたい1年~1100年ぐらいまではADやBCをつけることが多いようですが、いつからつける、つけないは感覚的なものです。あってもなくても間違いではなく正解です。
1000 AD
=”one thousand AD”
800 AD
=”eight hundred AD”
1049 AD
=”ten forty nine AD”
=”one thousand forty nine AD”
1600年代、80年代のような言い方
1600年代のような言い方は以下のように表記しカッコ内のように読み上げます
17th century
= the 1600s (the sixteen hundreds)
ただし、まれにthe 1600sと書くと1600年のゼロ年代、つまり1600年~1609年を指すケースもあります。
その場合、混同をさけるために「the 1600s decade(1600年~1609年の10年間)」とわかるようにdecadeを入れます。
これはゼロ年代にのみ起こる混同で、それ以降は普通に以下のように書きます。
1610s / sixteen tens
1670s / sixteen seventies
1700年代になるとまた同じ問題に遭遇しますが、同様に扱ってください。
1900年代以降
1900年代以降はnineteenの部分を省略できます。これは日本語も同じで、1980年代とするか80年代とするかの問題です。日本語で80年代といえば普通は1980年代を指しています。
1910s = the ninteen tens
1940s = 40s = the forties
1990s = 90s = the nineties
2000年代はしばしば以下のように発音されます。
2000s = “the two-thousands” (2000年~2009年)
上の場合もthe 2000s decadeとしたほうが誤解がありません。
2010s = “the two-thousand tens.”(2010年~2019年)